2020年本屋大賞は凪良ゆう『流浪の月』が受賞 「遠くで光っているお星さまのような賞だと感じていた」

 作家・凪良ゆうが『流浪の月』(東京創元社)で、2020年本屋大賞を受賞した。

 同大賞は書店員で構成されるNPO本屋大賞実行委員会が主催され、書店員による投票で受賞作品を決定している。17回目となる今年は、全国477書店、586人の投票があった。予定されていた授賞式は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止。配信による発表となった。

 大賞を受賞した凪良はビデオメッセージを寄せ、「たくさんの本が出る中でノミネート10作品の一つに選んでいただけたことが奇跡のようで、大賞受賞のお知らせをいただいた時は、驚きすぎて言葉が出ませんでした。書き手としてとても大きな賞、遠くで光っているお星さまのような賞だと感じていたので、実を言うと今でもあまり実感がありません」と受賞への率直な感想を語った。

 また、自身の子どもの頃のエピソードも織り交ぜ、書店の思い出を語った凪良は「心配なニュースが多くて、お家で過ごされている方も多いと思います。そういう時は、ぜひ本を読んでください。面白い本がたくさんあります。私の『流浪の月』もその中の一冊に混ぜていただけるととても嬉しいです。これからも楽しんでいただける物語をお届けできるように頑張りたいと思います」と締めくくった。

 凪良はBL作品やライトノベルを舞台に活躍しており、受賞作となった『流浪の月』が一般文芸書としては初めてとなる作品だった。翻訳小説部門の大賞は韓国の作家ソン・ウォンピョンによる『アーモンド』(矢島暁子 訳)が選ばれている。

 なお、リアルサウンド ブックでは今年1月に凪良ゆうのインタビュー記事を掲載している。こちらも合わせて参照されたい。

『わたしの美しい庭』著者・凪良ゆうが語る、人の縁の難しさ 「集まるというのは、排除することと同義」

「本屋大賞」 2020年の受賞作発表動画

ノミネート作品・順位

受賞『流浪の月』(凪良ゆう/東京創元社)
2位『ライオンのおやつ』(小川糸/ポプラ社)
3位『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)
4位『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)
5位『熱源』(川越宗一/文藝春秋)
6位『medium霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)
7位『夏物語』(川上未映子/文藝春秋)
8位『ムゲンのi』(知念実希人/双葉社)
9位『店長がバカすぎて』(早見和真/角川春樹事務所)
10位『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人/双葉社)

■受賞作情報
『流浪の月』
著者:凪良ゆう
出版社:東京創元社
定価:本体1,500円+税
<発売中>
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488028022

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