『呪術廻戦』心優しきヒーロー、虎杖悠仁の葛藤 「正しい死」の答えは見つかるのか?

表紙に真人が描かれた『呪術廻戦』6巻

 真人は人間の魂を自在に操れる。人間の魂を縮め、体内にストックすることも可能だ。真人は、悠仁が人間を殺せないという弱点をつき、ストックしていた人間に彼を襲わせる。その最中、彼らの「ころして」との叫びを聞いた悠仁は初めて人間を殺す。罪の意識を感じた悠仁は、共闘した七海健人に「正しい死」についてたずね、答えを出せないでいたが、「正しい死に様なんて分かりゃしない    ならせめて      分かるまで    アイツを殺すまで    もう俺は負けない」と心に誓う。

 特級呪物「呪胎九相図」を受肉した人間、壊相・血塗との闘いでも、悠仁は葛藤した。弟の血塗が悠仁と釘崎野薔薇に殺され、壊相は慈愛の涙を浮かべる。それを見た悠仁は、壊相への追撃の手が止まる。直後、壊相は通りがかりのトラックの荷台に人質をとるが、悠仁は「ごめん」とあやまりながら逕庭拳でとどめを刺した。

 悠仁の考える「正しい死」とは何か。それは、人間の負の感情から生まれる「呪い」と「死」という本作の主なモチーフにも直結する問いであろう。悠仁が呪霊祓いしていくなかで、その問いの答えは見つかるのだろうか?

関連記事