元いすみ鉄道社長と鉄道写真家・櫻井寛が「撮り鉄」マナーを激論 『アサヒカメラ』2月号は鉄道特集

 鉄道ファンなら誰でも知っている人気のローカル線、千葉のいすみ鉄道の社長だった鳥塚亮氏が、ブログでマナーの悪い「撮り鉄」を痛烈に批判し、ネットで「炎上」したのは2018年のこと。『アサヒカメラ』2月号では、そんな鳥塚氏を迎えて、鉄道写真家の櫻井寛氏と、「撮り鉄」のマナーに関して、激論を闘わせた。

 現在、えちごトキめき鉄道の社長を務める鳥塚氏は、当時の真意をこう振り返る。「一部のマナー違反者のために、撮影現場で罵声が飛び交ってしまう状況になってしまっていたことに強い危機感がありました。(中略)現場がずっと荒れ続けているのは鉄道会社の社長として絶対に改善しなければいけないと思って、あのブログを書きました」。

 一方、プロの「撮り鉄」である櫻井氏も、「危険な線路の側溝から撮ると言ってかたくなに居座り続けて捕まった人、レールの真ん中にビデオカメラを入れて通過する列車を真下から取ろうとする人……」「マナーの悪い鉄道ファンには迷惑をしている」と率直な思いを明かした。

 こうした現状を打開する方策はあるのか、そして、撮られる側の鉄道会社と、撮る側の写真家、そこに歩み寄りの余地はあるのか。2人の熱い議論を、同誌独自アンケートによって判明した、「撮り鉄」たちのマナー違反やトラブル、改善のための意見とともに掲載している。

 同号では、「撮り鉄」の極みへ、と題し、全63ページにわたって、鉄道写真を楽しむための総力特集を展開。撮ってもおいしい国内外の観光列車から、いまなお炭鉱で働く現役の蒸気機関車までを紹介するとともに、新幹線撮影のとっておきスポットを探すコツ、江ノ電などの身近な鉄道を撮影する意外なおもしろさと奥深さ、そして、ミラーレス一眼で鉄道写真撮影はできるのかの検証など、読み応えたっぷりだ。併せて、特別付録で32ページにわたって、5人の鉄道写真家の写真と流儀も紹介。

 その他、写真賞の受賞や海外進出の足がかりとしていまや欠かせない存在になっている「ZINE」をつくって売るための特集や、待望の一眼レフ新製品、キヤノンEOS-1D X MarkⅢやニコンD780といったメカ記事も充実している。

■書誌情報
『アサヒカメラ』2020年 2月号
出版社:朝日新聞出版
発売日:2020年1月20日
定価:907円(本体)
https://www.amazon.co.jp/dp/B082JPQFSS
※デジタル版も同時配信予定

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