goomiey、試行錯誤を重ねて踏み出す新たな一歩 バンドの楽しさも悔しさも詰め込んだ2年間の集大成『for』を語る

スリーピースガールズロックバンド goomieyが、8月5日に2年ぶりとなるアルバム『for』をリリース。現在、リリースツアー『for*tune Tour』で全国を巡り、11月25日に東京 Spotify O-nestで最終公演を迎える。
『for』に至る2年の制作期間を経て、バンドとして新たな一歩を踏み出したgoomiey。「アフターサイン」では京都文教中学高等学校ダンス部とのコラボレーションに挑み、これまでとは異なる形で楽曲の魅力を届けたほか、メンバーのアイデアが随所に散りばめられた意欲的な楽曲が並ぶ。
インタビューでは「『悔しいな!』って思うこと、よくあるから」と語り、その悔しさをもバネにして挑戦をやめず、音楽と向き合い続ける彼女たち。『for』に込めた思いとともに、その先に見据える未来について話を聞いた。(編集部)
ライブを減らし、制作に集中して作り上げた『for』

ーー2024年9月リリースの『Becoming』以来、2年ぶりのアルバムですね。
平山舞桜(Vo/Gt):これまでは1年に1枚、6~7曲入りのアルバムを出していたんですけど、今回は2年あった分、曲をたくさん作ることができたので、9曲入りのアルバムになりました。制作に集中する期間ということでライブの本数も減らしていたので、アレンジとかにも時間をかけられたのがよかったですね。
鎌田あかり(Ba):これまでのアルバムは「この日までにレコーディングしないと」という〆切を目掛けて、元々バラードっぽかった曲を、激しい曲にアレンジしたんですよ。「アルバムの全体のバランスを考えると、あと1曲激しい曲がほしいよね」「じゃあこの曲をそういうふうに変えようか」という感じで。だけど今回は、「この曲はこのアレンジがぴったりだよね」という“正解”をどの曲でも出せたんじゃないかと思っています。
おり(Dr):時間がたくさんあったからこそ、いろいろなアレンジを試しながら、その曲にぴったりのアレンジを探すことができたんですよね。
ーー特に手応えを感じている曲はどれですか?
平山:「ショートヘアが靡いて」ですね。
ーーラスサビでの加速が肝になっている曲ですね。この場面転換は、誰のアイデアですか?
平山:おりちゃんです。私は最初、バラードのつもりでワンコーラスのデモを作ってたんですけど、その先の構成が想像できなかったんですよ。
おり:舞桜ちゃんは「アルバムの中にすでに『忘れられない』というバラードがあるから、この曲は違う形に着地させた方がいいのかも」と言っていたので、私はいつかやりたいと思っていた「急に速くなる」構成をこの曲でやってみたいと提案して。やるだけだったら別に簡単だけど、曲として成立させるためにはどうするか、けっこういろいろ試しましたね。繋ぎがおかしくならないためにはどうしようか、とか。あかりさんも、すごく悩んでたよね?
鎌田:めっちゃ悩んだ。恋愛の曲だから、最初は自分の気持ちを抑えている状態で、加速と同時に爆発する流れがいいんじゃないかと思って。「繋ぎがおかしくならないためにどうしよう?」とか、「変なリズムを入れたいわけじゃないけど、このままだとちょっと普通過ぎるよな……」とか考えながら、いろいろ試しました。
平山:気持ちを抑えている状態から始まるから、この曲は、私がギターを弾かないまま歌い続けている箇所もけっこう多いんですよ。最初はここまでの引き算をする勇気がなかったんですけど、勇気を出しました。
鎌田:音を抜くべきところで思いっきり抜いたことで、最後の爆発がより際立っているんじゃないかと思います。
おり:レコーディングの前にエンジニアさんがデモを再生して、速くなった瞬間に笑ってたのが印象に残ってて。
平山:「わっはっは!」って笑い声が聞こえてきたよね(笑)。「これはファニーですね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。



ーーgoomieyの曲作りは、平山さんが制作した弾き語りのデモから始まるんですよね。今のエピソードを聞く限り、自分のパートは自分で考える、という分業制ではないのかなと。
平山:そうですね。アレンジは基本的にあかりさん主体で、みんなで話し合いながら考えてます。私は自分で曲を作っている分、「この曲は絶対こういう構成で、ここは絶対にこういうリズム」みたいな先入観が頭の中で出来上がっちゃってるんですよ。あかりさんは、それをめちゃくちゃ崩してくれるから面白くて。
鎌田:ふふふふふ。
平山:デモを共有する時に歌詞も一緒に渡してるんですけど、メロディのリズムとか語感に合う、私が想像もしてなかったようなリズムをパッと提案してくれるんです。
おり:今回のアルバムに入ってる「醒めない夏」は、あかりさんが「こういうリズムでやりたい」というアイデアを持って来てくれて。アイデアをもらって、自分なりに解釈して、自分一人では出てこなかったようなものを出して、っていうのがすごく楽しいですね。
平山:しかも口で「ドドパン、ズパンって感じ!」みたいな(笑)。
鎌田:私も舞桜ちゃんもドラムを叩けるわけじゃないから、擬音で伝えるっていう。
おり:頭をフル回転させながら、「これはどう?」って何パターンか叩いてみて、「あっ、それ!」と言ってもらったものが採用されてます。
ーーリズムから曲作りが始まることって、けっこうあるんですか?
平山:いや、「醒めない夏」が初めてかもしれません。
鎌田:今回が5枚目のアルバムということで、goomieyは曲数がけっこう増えてきていて。自分たちの引き出しの中から出すだけでは、これまでと似たようなアプローチしか出てこなくなってしまうので、曲の作り方をガラッと変えて、リズム先行で作ってもいいかもしれないと思ったんです。
平山:前にライブハウスで、あるバンドのライブを観終わったあとに、あかりさんと「よかったね、あの曲!」って目が合って。そのあとに「このリズムで曲を作りたい」と持って来てくれた「醒めない夏」の元になるリズムを聞いて、「絶対あの曲に影響受けたでしょ!」と思った覚えがあります。私はこのリズムを聞いて、「祭囃子みたい」「夏なのかな?」と思ったので、夏の曲にしようと決めて。〈髪を括れば夏〉とか、〈君の袖が短く〉とか、短歌を並べるようなイメージで、夏の情景が浮かぶ歌詞を書いていきました。



















