炙りなタウン ゆきなり × Hump Back 林 萌々子対談 先輩から後輩へ、受け継がれるガールズロックの衝動と信念

「この人たちに会うためにバンドやってたのかも」ーー両者に重なるバンドをする意味

ーー(笑)。林さんの思う炙りなタウンの魅力については先ほど言葉にしていただきましたが、ゆきなりさんが書く曲をどう見ているのかも知りたいです。
林:世の中にはいろんな芸術があるじゃないですか。小説とか、映画とか、漫画とか。私は「この作品は音楽でしか表現し得ないな」というふうに、その手法じゃないと意味がない表現にロマンを感じていて。自分もそういうことを意識しながら作詞をしているし、だからこそ人の書く詞もわりと厳しい目で見てしまうんですね。「これ別にメロディに乗らなくていいやん」「ブログでいいやん」みたいな。それで言ったら、ゆきなりが書く詞は音楽じゃないといけない……もっと言うと、炙りなタウンのライブで演奏されている瞬間が一番ハマるなって思ってます。
ゆきなり:ありがとうございます!
林:語弊のある言い方かもしれないけど、ファンの人たちも「炙りなタウンの曲はライブで一番輝く」「本当はライブで聴きたいけど、次のライブまで心が持たないからとりあえず聴こう」って感じなんじゃないかな?
ーー確かに、炙りなタウンのフロアを見ていると、そういう人たちも多そうだなと感じます。
ゆきなり:ライブハウスで10~20代の女の子が泣いてくれたり、笑ってくれたりしているのを見ると、「この人たちに会うためにバンドやってたのかも」って思うんですよ。例えば「Hump Backと対バンできた」とか「このフェスに出られた」とか、バンドの目標や夢が叶った瞬間ももちろん嬉しいんですけど、やっぱり一番嬉しいのは、ライブハウスでお客さんの顔を見た時や、お手紙をもらった時で。お手紙に「こういうつらいことがあったけど、炙りなタウンがいてくれたから助かりました」みたいなことを書いてくれる子もいるんですよ。そうやってわしらが炙りなタウンをやっていること自体に感謝された時は「バンドやっててよかった」「生きててよかったな」と思うし、その一つひとつに本当に支えられてますね。
林:素晴らしいね。ファンの子がこの記事を見たら泣いちゃうんじゃない?
ゆきなり:(笑)。
林:私は自分の満足のためにバンドをやってるって感覚がまだ強いから、ゆきなりのように素敵なことは言えないけど……でも確かに、ライブでお客さんの顔を見ると「バンドやっててよかった」と思うよね。あと、満員電車に乗った時とかに、ライブハウスに来てくれてるみんなのことを思い出します。私たちみたいな仕事をしていると、通勤ラッシュの時間帯に電車に乗ることはあんまりないじゃないですか。たまに乗ったらビックリするんですよ。「こんなにキツいん?」って。
ゆきなり:うんうん。
林:みんなは「今日は仕事が終わったらライブハウスに行くぞ!」と思いながら、この満員電車に耐えてくれてんねやと思うと……そういう部分を見なくてもできる仕事じゃないですか。でも、ちゃんと見ないとアカンなってすごく思う。私も、バンドを始めた時はバイトしながら音楽やってたんですよ。今はそうじゃないから忘れちゃいそうになるけど、ライブに行くためにバイト頑張ってくれてる子だっているわけだから。そっちをちゃんと見た上でステージに立たないと、私が歌ってることも嘘になっちゃうから、そこはもう、気をつけてますね。


「2人ともほんますごいんで」ーー林とゆきなりが負けたくないライバル
ーー林さん、この機会にゆきなりさんに聞いてみたいことはありますか?
林:さっき「いつかライバルと呼んでもらいたい」と言ってくれたけど、ゆきなりの一番のライバルは誰? バンドとしてのライバルと、ボーカルとしてのライバル。
ゆきなり:バンド単位だと、やっぱりTETORAですね。スプリットツアーとかもまわってるし、向こうもきっとライバルだって思ってくれているので。
林:そうやんな。
ゆきなり:ボーカル単位だと……一番負けたくないと思うのは、the奥歯'sの(アサベ)シュント。
林:そうなんや!
ゆきなり:好きなものが一緒だったり、考え方もけっこう似てるけど、自分ができないことをやってる瞬間を見て「うわっ、悔しい!」って思うことも多いので。
林:ああいうボーカルが近くにおったら、確かにめっちゃ手強いと思うな。無双してる時あるもんな。
ゆきなり:そうなんですよ。
林:例えばライブに、ゴールみたいなものがあるとして。もしトラブルがあっても、最終的にはそのゴールに辿り着けるように頑張って戻そうとする人が多いと思うんですよ。でもシュントは、全然関係ないところにゴールを勝手に作って走っていくタイプなんですよね。0か100かって感じだけど、だからこそ誰も入ってない茂みに入っていって、クマ獲って帰ってくることもあったりして(笑)。
ゆきなり:それがめっちゃいいんですよね。自分にはないものを持ってるなって感じます。
ーー因みに、林さんの一番のライバルは?
林:逃げてるみたいな答えで申し訳ないけど、最近はメンバーに負けられないって気持ちが強いです。2人ともほんますごいんで。パフォーマンスとかもそうやし、日頃から変やし、すごいし、カッコいいし。私はよう喋るし、声がデカいんで、Hump Backをパッと見た時に、「林萌々子を筆頭とした3人組バンド」という印象を持つ人もいると思うんですよ。でも実は、2人が林萌々子をさせてくれてる……ってずっと言ってきたんですけど、最近は、2人に林萌々子をさせられてるまである(笑)。普通に食われそうになる時があるんで、「頑張らな!」っていつも思いますね。

ーーでは最後に、ゆきなりさん、林さんに伝えたいことはありますか?
ゆきなり:また対バンしてくださーい!
林:いっぱいするー!
ゆきなり:大阪に行ったら遊んでくださーい!
林:もちろん! 子どもが生まれてから、ゆきなりとしおきちが会いに来てくれたんですよ。ゆきなりは赤ちゃんも好きやろうけど、多分、犬が大好きすぎるよね?
ゆきなり:そうですね。
林:うちは犬もいるんですけど、マイペースなので、自分のタイミングで寝たり、ちょっとリビングに顔を出したりするんです。その様子を「あっ、ムムちゃん来た?」って感じでずっと気にしてて(笑)。
ゆきなり:めっちゃかわいかった。もう、幸せな空間すぎて。萌々子さんちのリビングを、スノードームに閉じ込めて持って帰りたいと思いました。
林:また遊びに来て!
ゆきなり:はい! 生まれ変わったら、萌々子さんのおうちの子になる!
■Hump Back ツアー情報
『Hump Back pre. “HELLO ANEW TOUR" 2026-2027』
〈公演日程〉
2026年
11月1日(日)大阪・Zepp Osaka Bayside
11月3日(祝火)愛知・Zepp Nagoya
11月7日(土)北海道・Zepp Sapporo
11月14日(土)福岡・Zepp Fukuoka
11月21日(土)宮城・仙台GIGS
11月23日(祝月)東京・Zepp Haneda(TOKYO)
2027年
1月23日(土)韓国・YES24 LIVE HALL
※全公演ワンマン
■Hump Back CDリリース情報】
2026年10月14日(水)リリース
Hump Back
3rd mini album『やわらかな洞窟』
価格:¥3,000(税込)
収録曲:
1. あの街まで
2. Gurled
3. 漂着は終着
4. マミーブレイン
5. メリーゴーランド
6. 人生で一度もしっかりしたことがありません
7. あいとロッケンロール
8. 橙光
◼️炙りなタウン ツアー情報
炙りなタウン ワンマンライブ『APPARE!YOJIGEN』
〈公演日程〉
2026年 12月11日(金) 福岡・public space 四次元
◼️炙りなタウン CDリリース情報
2026年9月30日(水)リリース
サブスク限定盤『只者達』
収録曲:
1. 夢想家へ
2. パピコ
3. 反省文
4. SING OR DIE
5. 狼煙を上げろ























