「日本一のグループになれる」確信の根源 リアルピース・かずぅはなぜこの世の仕組みを知っているのか?
これまで人生で本を1冊も読んだことがない人間が、自分の人生から導き出した“この世の仕組み”を一冊の本にする。そんなところからして、この人はやはり面白い。リアルピース・かずぅの初著書『おまえ次第じゃん。』(KADOKAWA)の話だ。
以前、かずぅにインタビューした際(※1)にも強く感じたが、どんな質問を投げかけても、ほとんど迷うことなく自分の言葉で答えが返ってくる。夢とは何か、自信はどこから生まれるのか、批判や逆境をどう受け止めるのか。その根底にある考え方は驚くほど一貫しているのだ。
では、なぜかずぅはここまでブレないのだろうか。実際に本を手にとってみると、その理由のひとつは、昔から何かが起きるたびに「では、自分はどうするか」を考え続けてきたことにあるように思える。
小学4年生の頃、いじめっ子に蹴られた際には、殴り返すのではなく、「負けなかった」という記憶を未来の自分に残すことを選んだ。高校時代には、サッカーの練習中に約300kgのゴールが顔に倒れて大怪我を負い、約3カ月遅れて登校。しかも、そこはいわゆる“ヤンキー校”だったため、舐められないようにあえてイキった人物を演じたという。
一見するとこれらはまったく異なるエピソードだが、共通しているのは、置かれた状況に自分の立ち位置を決めさせていないこと。自分では変えられない出来事に直面しても、その先でどう振る舞うかは自分で決める。現在のかずぅにつながる思考は、この頃からすでに表れている。
大学時代には、女子学生に男女両方を勧誘してもらう方法を考え、サークルを200人規模まで拡大。芸能活動を始める際には150社もの事務所に応募した。30歳でリアルピースをひとりの状態から立ち上げて以降も、動画や配信を観ながら「どこで人の指が止まるのか」を分析し続けた。現在はその思考をかずぅは「アルゴリズム解読」と呼んでいるが、こうして彼の人生を振り返ると、SNSを攻略するために生まれた考えではない。もともと持っていた「現象を分解し、仕組みを考え、自分が動かせる部分を探す」という癖に、あとから名前がついたのである。
かずぅの「アルゴリズム解読」は、自分自身だけでなく、人を見る時にも使われている。メンバーの言葉や行動を表面的に受け取るのではなく、その奥にある感情や性格まで見ようとする。それぞれを同じ型にハメるのではなく、一人ひとりの特性を理解したうえで、どうすればその人らしさを強みに変えられるのかを考える。リアルピースをまとめる役割を担う者としてのかずぅにも、こうした思考はそのまま表れている。
そう考えると、かずぅは強烈なポジティブ思考の人というより、現実をかなり細かく観察している人である。数字を見る。人の反応を見る。自分の感情を見る。そのうえで、「今こうだから、この先もこうだ」と現実に自分の可能性まで決めさせない。インタビューでも印象的だった「根拠のない自信」という言葉は、その姿勢をよく表している。実績があるから自信を持つのではなく、失敗する自分まで含めて認めたうえで、自分を信じる。ただし、その自信にあぐらをかくわけではない。
リアルピースのライブに観客が5人しか集まらず、メンバーから「やめたい」と言われた時期には、「2年だけ時間を預けてほしい」と伝え、週3日の撮影、週2日のレッスンに加え、1本に15時間ほどかかる動画編集をひとりで行い、毎日5時間のTikTokライブも続けたという。自信には根拠がなくていい一方で、その自信を現実に変えるための行動はかなり具体的だ。「夢は、2秒先の延長線」という考え方も同じで、机の上のスマートフォンを移動させることも、東京ドームに立つことも、今とは違う状態を思い描いて、そこに向かって動くという点では変わらないという。
以前のインタビューで、かずぅは自身の考え方を「自分自身を使った実験」のように語っていた。この言葉は、かずぅという人間を考えるうえでかなり重要な気がしている。リアルピースは今も“日本一”を掲げ、その途中にいる。つまり、自分の考え方が本当に正しいのかどうかは、まだ完全には証明されていない。それでも、成功してから過去を振り返って理屈をつけるのではなく、先に考え方をさらけ出し、本当にそこまで行けるのかを自分で試そうとしている。普通は成功してから成功法則を語るものだが、かずぅはその順番まで逆なのである。
『おまえ次第じゃん。』を読んで見えてくるのは、思想そのもの以上に、かずぅという人間の一貫性だろう。いじめられた小学生の頃も、大怪我をして高校生活のスタートが遅れた時も、芸能活動がうまくいかなかったときも、リアルピースに観客が5人しかいなかった時も、そのたびに「なぜこうなったのか」「では、自分はどうするのか」と考えてきた。何が起きても動じない人なのではなく、何かが起きた時に自分なりの答えが出るまで“考え続ける人”なのである。
そこに並んでいるのは、どこかから借りてきた成功哲学ではなく、自分の人生を材料にして作り上げてきた考えばかりだ。だからこそ、かずぅに対して最終的に気になるのは、その考え方に共感できるかどうかではない。この人が、自分で作った理屈を抱えたまま、本当にどこまで行くのかということだ。かずぅという人間そのものが、今も続いているひとつの実験なのだと思う。
※1:https://realsound.jp/book/2026/06/post-2435630.html
■書誌情報
『おまえ次第じゃん。』
発売中
販売URL:https://linktr.ee/omaeshidaijan
著者:かずぅ
価格:本体1600円(税別)
サイズ:四六判
出版社:KADOKAWA
詳細URL:https://www.kadokawa.co.jp/product/322603001157/
リアルピース オフィシャルサイト:https://realpiece.jp/
X:https://x.com/R_ealpiece
YouTube:https://www.youtube.com/@リアルピース
TikTok:https://www.tiktok.com/@realpiece9