シユイ「顔を出すなんて想像もしていなかった」 心機一転で見つめ直す“自分らしさ”、セカンドフェーズへの決意
シユイが新たなフェーズへと踏み出そうとしている。輪廻転生をテーマにした新曲「リンカルネーション」をリリースし、これまで築いてきた世界観を引き継ぎながらも、ビジュアルイメージを一新。そこには、自分自身の表現と新たに向き合い、次のステージへ進もうとするシユイの意志が滲んでいる。
そんな変化の兆しは、7月5日に行われたワンマンライブ『思惟的錯覚』のステージ上でも提示されていた。新曲「リンカルネーション」に込めた思いとともに、彼女はいま何を見つめ、どこへ向かおうとしているのか。セカンドフェーズへと向かうシユイの現在地に迫った。(編集部)
「自分的にも錯乱していた」ーー多忙な日々の中で生じた“シユイ”と自分自身の乖離
ーー新曲「リンカルネーション」のお話に入る前に、この曲が初披露された7月5日のワンマンライブ『思惟的錯覚』についてお聞かせください。それまでのワンマンは『シユイさんといっしょ』という公演名で統一されていましたが、今回タイトルを変えたのは、気持ちの一新のような意識があったのですか?
シユイ:そうですね。そもそも今年に入ってから活動環境に色々な変化があったんです。それまでは自分主体というよりも、基本的には周りの皆さんの意思を重視して活動を行うなかで、自分のやりたいことを少しずつグラデーションで入れていく感じだったんですけど、今回はライブに関しても自分で決める部分が一気に増えて。それもあって新たな覚悟を示すような気持ちで、ライブタイトルも変えよう思いました。『シユイさんといっしょ』はちょっとかわいらしい感じのタイトルで、それはそれで気に入っていたんですけど、私は意外とかっこいい系の曲でずっとやっていますし(笑)、ちょっと一回考え直そうと思って。
ーー『思惟的錯覚』というタイトルはご自身で考えられたんですか?
シユイ:はい。私がやっているポッドキャストのタイトル「思惟的思考」から派生させて名付けました。というのも、今年に入ってから「シユイとは何か」をチームのみんなで改めて考える時間があったんです。「シユイ」という言葉の本来の意味を深掘りしたというか。ちょうどそのタイミングで「リンカルネーション」の話も進んでいて、ビジュアル面を含めて新しいことをやっていこうというタイミングだったので、より私らしいタイトルを付けるなら「思惟的」という言葉は入れたいなと思って、『思惟的錯覚』にしました。
ーーなぜ「錯覚」だったのでしょうか。
シユイ:ライブ自体が錯覚というわけではなくて。これは今までのインタビューやnoteでも発信してきたことなのですが、自分自身とシユイというアーティスト像の乖離について、ずっと考えを持っていたんですね。その現実の自分とシユイの乖離の部分が「錯覚」に近いのかなと。今までの自分は主にデジタル上で活動してきたなかで、そこからリアルに移るとして、今回のライブでグリッチみたいなものを表現できればといいなと思って、感覚的に選んだ言葉が「錯覚」でした。他にも『思惟的〇〇』というアイデアはいっぱい出したんですけど、「錯覚」が一番かっこよくてわかりやすいかなと思って。
ーー自分自身とシユイというアーティスト像の乖離。それは今も感じているのでしょうか?
シユイ:最近はあんまりないです。前までは活動について周りのスタッフさんにお任せしていた部分が多かったので、自分でタッチできるところが少なくて、知らない間にシユイというアーティストがめちゃめちゃ先まで進んでしまっていた感覚があったんです。メジャーデビューまでのタイム感とかも、右も左もわからないまま急いで頑張って歌をレコーディングしているうちに、どんどん話が進んでいって、自分的にも錯乱していたというか。自分のフレームレートと、シユイのフレームレートがちょっとズレているような気持ちがずっとありました。
ーーそのズレが徐々に合致していったと。
シユイ:それがまあ、去年末くらいまでは距離感的に一番離れていたんです。でも、今年に入って新しいことをやっていくとなった時に、ビジュアルのことや新曲のことで、すごくパーソナルなお話をしたりして。そうすると自然と自分に寄った曲を書いていただけることになって、それをシユイとして歌うので、だいぶ自分事になってきた感覚があります。見失っていた部分をゆっくり取り戻しているのが今年の感じです。
ーーそれは活動環境が変化したことにも関係している?
シユイ:それもすごく大きいです。正直、最初の頃は周りの皆さんにお任せした方がいいだろうなと思って活動していたんですけど、途中から自我が芽生え始めたんですよね。もちろんみんなでやっていることなので、自分が想定していなかったことも生まれたりするんですけど、そういう時に「自分らしくないかもしれないな」と思ったりして。今となってはそれも自分らしさになっているので良かったとは思うんですけど、もっと自分らしさを取り入れたいと思っていた時期がありました。別に前が良くなかったというわけではないので言い方が難しいんですけど、以前はみんなで作っていたのが、今は私が中心に近いところにいて、みんなが支えてくれているという形に少しずつなっています。