韓国SSWの新星・HANRORO、「愛と繋がり」を伝える意味 日本初ステージ『サマソニ』で放った規格外の存在感

 8月14日、『SUMMER SONIC 2026』(以下、『サマソニ』)東京公演「PACIFIC STAGE」に韓国のシンガーソングライター・HANROROが登場した。

 2022年に「입춘 (Let Me Love My Youth)」でデビューしたHANROROは、ロックサウンドに乗せて、青春の不安や痛み、揺れ動く感情を繊細に描き、韓国の音楽シーンで着実に支持を広げてきた。「Let Me Love My Youth」が『韓国大衆音楽賞』の「最優秀モダンロック楽曲」にノミネートされるなど注目を集めるなか、今回は「PACIFIC STAGE」のオープニングアクトとして『サマソニ』に初出演した。

©SUMMER SONIC All Rights Reserved
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 筆者がHANROROのライブを観るのは、この日が初めて。「こんにちは。よろしくお願いします!」と日本語で挨拶すると、1曲目の「ㅈㅣㅂ (H O M E)」からライブをスタートさせる。初めて立つサマソニのステージということもあってか、その表情からはどこか緊張も感じられたが、歌い始めると印象は一変。バンドサウンドのなかを突き抜けていく歌声には力があり、朝10時30分からのステージながら、早くも「PACIFIC STAGE」の空気を自分のものにしていく。

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courtesy of SUMMER SONIC 2026

 続く「먹이사슬 (System Error)」では、「Are you ready, SUMMER SONIC?」と観客を煽り、一気にギアを上げる。HANROROが雄叫びを上げるように声を響かせると、フロアからも多くの手が上がって応える。音源では繊細な歌声やメロディに耳を奪われていたが、ライブではそれ以上に、身体の内側にある感情をそのままぶつけるようなパワフルな歌唱が心に留まる。声を張り上げる瞬間の爆発力はもちろん、その直前までの静けさとのコントラストも鮮烈で、曲が進むたびにHANROROの表現の幅が見えてきた。小柄な身体から放たれる声の強さも相まって、ステージ上での存在感は実に大きい。

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 その一方で、MCになると用意してきたメモを見ながら懸命に日本語で想いを伝える微笑ましい場面も。「ここから3曲お聴かせします。楽しんでいただけたら嬉しいです」と紹介して始まったのは「0+0」。先ほどまでの熱気から一転、しっとりとした歌声を響かせる。力強く感情をぶつけるだけではなく、静かなパートでは一つひとつの言葉を丁寧に置いていくように歌う姿も印象的だ。続くデビュー曲「입춘 (Let Me Love My Youth)」では、ギターサウンドに乗せて徐々に感情を高めていき、HANROROの歌が持つ繊細さと力強さを鮮やかに見せていった。

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 さらに「사랑하게 될 거야 (Landing in Love)」と続き、ステージは終盤へ。「楽しいですか?」と日本語で問いかけると、フロアからは大きな反応が返ってくる。HANROROはSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでライブを開催することにも触れ、「残りの2曲で公演を締め括ります。HANROROでした」と挨拶し、「너와 나 (You and I)」を届けていった。短いMCを挟みながらも、楽曲に入れば瞬時に空気を切り替えていく。その切り替えの鮮やかさも、今回のステージで印象に残った部分のひとつだった。

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 ラストは「게임 오버 ? (GAME OVER ?)」。最後まで声の強弱を自在に操りながら、感情をむき出しにするような歌唱で会場を引き込んでいく。わずか30分のステージだったが、楽曲ごとに表情を変えながら、HANROROの繊細さと激しさ、その両方が凝縮された濃密な時間となった。

 繊細な言葉を紡ぐシンガーソングライターでありながら、ライブではロックアーティストとしての荒々しさも見せるHANRORO。今回、初めてそのステージを観たことで、韓国で彼女の音楽が支持を広げている理由が少しわかったような気がした。音源から受け取っていた魅力をそのまま届けるだけではなく、ライブだからこそ感じられる声の迫力や感情の振れ幅がある。初の『サマソニ』で見せたそのステージは、これから日本でもさらに多くの人にHANROROの存在が届いていくことを期待させるものだった。

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