KEY TO LIT・ふぉ~ゆ~、なぜジュニア続々デビュー? 若手の早期育成と競争でSTARTO再飛躍へ

 STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO)に所属するKEY TO LITとふぉ~ゆ~のCDデビューが相次いで発表され、大きな反響を呼んでいる。

 ふぉ~ゆ~の吉報が伝えられたのは8月13日。同グループは2011年結成で、グループの平均年齢は39.5歳。メンバーの松崎祐介はデビュー時には40歳を迎えているなど、まさにオールドルーキーだ。一方のKEY TO LITのCDデビューは8月17日に発表された。2025年2月、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍のメンバーから“ジュニア再編”で結成されるなど、紆余曲折を経てCDデビューをつかんだ。

 ファンらに驚きを与えたのは、中3日という異例の短期間で2組のCDデビューが発表されたこと。また、KEY TO LITは、2024年5月のAぇ! group以来となるジュニアからのデビュー。Aぇ! groupは2019年結成で、5年かけてCDデビューを果たしたこともあり、KEY TO LITは再編結成があったとは言え、スピード感を持ってCDデビューを実現させたと言えるだろう。

 異例の連続デビューから受け取れる印象は、STARTOの所属グループの層の厚さだ。まずジュニアには、CDデビューや規模感を拡大させた活動を目指すグループが多数存在。その上、6月には新グループのHowzitも結成された。そのHowzitは8月8日より3都市計35公演の単独ライブツアー『Howzit 1st LIVE 2026 NICE TO ME YOU』を開催し、好評が伝えられている。

 そうしたジュニア勢の目覚ましい成長に加え、ふぉ~ゆ~のように経験豊富なグループやタレントも事務所には在籍していることから、あらためて個性やキャリアの異なる人材が幅広く揃っている印象を与えた。こうした人材の豊富さは、STARTOの大きな強みになり得るのではないか。ジュニアからキャリア豊富なグループまで、複数世代に次々と活躍の場が生まれることで、STARTOそのものの活況が作られる。たとえば一度はアイドルファンを卒業した中高年世代が、ふぉ~ゆ~を身近に感じて再び現場に戻ってくる可能性も考えられる。

 また、STARTOにはSnow Man、SixTONES、King & Prince、WEST.、なにわ男子、Hey! Say! JUMP、timeleszなどドーム規模のグループが複数所属し、高い人気を誇った上で安定感のある活動が展開されている。一方で、長く活動するグループには、積み重ねてきた音楽性やキャラクター、ファンとの関係性がある。それは大きな強みである一方、時代に合わせてそのブランドを大きく変化させることは容易ではない。だからこそ、新しい世代の価値観や流行を柔軟に取り込める若手グループの存在が必要になる。

 さらに現在は、男性アイドル市場で新たな勢力が次々に台頭している。国内だけではなくK-POPなど海外勢も含め、ファンにとって男性アイドルの選択肢はかつて以上に広がった。そうした環境を考えれば、STARTOにとって若手グループの育成はこれまで以上に重要になっているのではないだろうか。

 かつては、ジュニアとして活動する中で人気と完成度を高め、満を持してのCDデビューがルートとしてあった。しかし現在はコンテンツの多様化もあり、「デビューという次のステージに上げたうえで育てる」という発想も可能になった。もちろんジュニアは場数も多く踏んでいることから、人気はもちろん地力もある。そうした背景を前提とし、ジュニアとして一定期間経験を積んで多数の支持を集めた上でデビューさせる形から、早い段階から表舞台で競争・成長させる形へと変わりつつあるのではないだろうか。

 ちなみに筆者は8月21日、大阪市内で開催されたSTARTO ENTERTAINMENTの初代CEO・福田淳氏(2025年6月退任)のトークライブを取材し、イベント後の囲み取材の場で福田氏に質問する機会を得た。

 福田氏は日本のアイドルシーンについて「全体として言えることは、日本人はアイドルがすごく好き。アーティストじゃなくてアイドルなんです。その存在自体が歴史もあり、親しみもある。その競争原理がすごく働いて、ダンスや歌の技で、競えるマーケットになってきた。それはすごく喜ばしいこと」とし、「日本のアイドルはすごく長く愛される。SUPER EIGHTだって22年目かな? そんなに長くファンの皆様に愛されるグループでいるなんて、韓国のエンタメじゃ考えられない。ファンの方に一過性じゃなく、長く愛されるようなその仕組みや芸をどう磨いていくのか。競争原理がすごく働こうが、働くまいがそれは同じこと。非常に健全化していると思います」と語ってくれた。(※1)

 もちろん福田氏は、KEY TO LITとふぉ~ゆ~のCDデビューなどには直接的な関わりはないと思われる。また今回の話もそれに関連したものではない。それでもSTARTOの創業や“ジュニア再編”にも携わったキーマンが語る「競争」と「長く愛される」という二つの視点は、現在の男性アイドル市場を考える上でも非常に興味深い。

 百花繚乱の現在の男性アイドルシーンにおいて、スターが多数在籍するSTARTOであっても頭ひとつ抜け出すのは容易ではない。しかし、今回の連続デビューや新たなジュニアグループの誕生によって、若手からベテランまで所属タレントが次々と新たなステージに進めば、事務所全体にさらなる活況が生まれる。

 もちろん、デビューするグループを増やすだけで競争を勝ち抜けるわけではない。重要なのは、それぞれが異なる個性を磨き、新たなファンとの接点を作りながら、福田氏が語ったように「長く愛される」存在になれるかどうかだろう。KEY TO LIT、ふぉ~ゆ~の異例の連続デビューは、STARTOが持つ人材の豊富さをあらためて印象づけた。その豊富な“カード”をどう生かしていくのか。次世代を担うグループによる競争は、ここからさらに活発になりそうだ。

※1 https://www.sanspo.com/article/20260821-WHJSOHIENBKTTMR7RBRNRQS3BY/

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