原因は自分にある。『鉄鍋のジャン!』の美学と重なる「火宴」 “常識破りなマインド”を自らのエンタメへ変換した1曲に

Viral Hits Focus

 話題のバイラルヒット曲を毎週収録するSpotifyによる日本向けエディトリアルプレイリスト「Viral Hits Japan」(※1)。同プレイリストより、本記事では原因は自分にある。の「火宴」をピックアップする。

 原因は自分にある。は、独自の世界観を持つ楽曲や映像表現で支持を広げてきた7人組ダンス&ボーカルグループである。近年では「因果応報アンチノミー」がSNSを中心に広がり、バイラルヒットを記録した。現代社会への違和感や人間の矛盾といった面倒な題材を、文学・哲学的な言葉を使いながらも、ポップミュージックとして遊べるところまで持っていけるのが、彼らの独自性である。

 「火宴」は、TVアニメ『鉄鍋のジャン!』(テレビ東京系)のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲だ。

原因は自分にある。 「火宴」MUSIC VIDEO

 本曲は、ピアノロック×高速の言葉遊びという原因は自分にある。らしさが詰め込まれた、展開が目まぐるしいアップナンバーだ。言葉を畳みかけるパートと聴かせるパートが頻繁に入れ替わる曲を、メンバーは見事なマイクリレーで繋いでいく。そのスリリングな展開は“料理は勝負”を信条に、常識破りの発想と技術で料理に挑む主人公・秋山醤のスタンスとも重なる。緻密さと攻撃性が同居したサウンドによって、『鉄鍋のジャン!』ならではの料理バトルの緊張感とダイナミズムを音楽へ落とし込んでいる。

 歌詞にも、主人公の生き方が色濃く反映されている。料理にまつわる言葉が随所に登場するが、注目したいのは〈匙で幕開け〉という、慣用句の“匙を投げる”を逆手に取ったような表現である。じつに原因は自分にある。らしい言葉遊びだ。また、〈型にハマって思考止まってんなら、所詮口だけ〉という一節も、“料理”が題材の漫画の主題歌として彼らが歌うからこそ、嫌味の度合いが何倍にも増すのだ。

 さらにMVにも注目だ。中華料理店を舞台に、原因は自分にある。のメンバーが「慧眼のカズト(杢代和人)」「刃技のタカト(大倉空人)」「策膳のマサヤ(桜木雅哉)」「炎舞のジュン(武藤潤)」「包餡のカナメ(吉澤要人)」「味見のコウサク(小泉光咲)」「神配のリョウタ(長野凌大)」として登場。狭い調理場の中で、レードル(=柄が長い金属製のお玉)をマイク代わりにしたり、客席でメニューを楽譜に見立て、合唱団のように歌ったりと、『鉄鍋のジャン!』の世界をそのまま映像化するのではなく、作品の持つ型破りなエネルギーを原因は自分にある。らしいエンターテインメントへと変換している点がおもしろい。

 「火宴」は、『鉄鍋のジャン!』の設定やストーリーをなぞるのではなく、常識を疑い、自らのスタンスを貫いて勝利を掴もうとする主人公のマインドまで原因は自分にある。流に音楽と映像へ落とし込んだ1曲である。

【LIVE】火宴 / #原因は自分にある。

※1:https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWZZbpkxU5t9L

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