DEEP、TAKA復帰で3人のハーモニーが真価を発揮 COLORの名曲とともに観客を魅了した“完全体”のステージ
メインボーカルのTAKAが復帰を果たし3人による完全体となったDEEPが、ツアー『DEEP LIVE TOUR 2026 〜Ⅲ COLORS〜』を完走。7月2日にヒューリックホール東京で行われた東京公演の模様をレポートする。
街の雑踏音とイントロが静かに流れる中、3人を迎え入れる拍手が会場に鳴り響く。息を飲んだ次の瞬間、アカペラによる美しいハーモニーで「Night for you」を歌い上げた。そして心地よいトラックとともに「Blue Sky」が始まると、観客は全員立ち上がって、会場は堰を切ったような歓声で沸いた。「皆さんご一緒に!」と客席にマイクを向けるメンバー。会場にはリズムに乗せてパンパンと手拍子をしながら、一緒に口ずさむ声が響いた。
冒頭はCOLOR時代の名曲が展開され、YUICHIROのエモーショナルなボーカルも聴きどころの「Miss you」や、TAKAの切ないボーカルによる「君のいない道」と続いた。TAKAがいなかった日々をどれだけ寂しく思っていたか。選曲からは、YUICHIROとKEISEI、そしてファンの思いが伝わった。
昨年開催されたツアー『DEEP LIVE TOUR 2025 〜COLOR〜』は、YUICHIROとKEISEIの2名体制で行われた。COLOR時代からの彼らの歴史を振り返る充実した内容だったが、メインボーカルの不在に物足りなさを感じたファンもいただろう。今回はTAKAの復帰によって、“ハーモニー”という彼ら本来の魅力が十二分に発揮されたものになった。
最初のMCではTAKAが「YUICHIROとKEISEIが、また3人で歌うことを許してくれたこと。また、ファンの皆さんが手を差し伸べてくださったことで、こうして戻ってくることができました。心から感謝いたします。ありがとうございます!」とコメント。会場に大きな拍手が沸き、深く頭を下げると「TAKAさん! おかえりなさい!」と声が飛んだ。
COLORメドレーは、フィンガースナップのリズムや早口で畳みかけるボーカルやハイトーンも心地良い「You are」で幕を明ける。縦横無尽に繰り広げられるコーラスワークは3人いなければ成立しない、完全体だからこその魅力を発揮した。手を前後に揺らして文字通り会場を熱くした「Make It Hot」。「X-GIRL」ではTAKAが「東京カモン! みんなで一緒に!」と声を掛け、会場も一緒にサビを歌う。シングルのカップリングに収録されていたEXILEのカバー「ただ…逢いたくて」も披露され、情感たっぷりの歌声に会場はジッと耳を傾けた。
選曲について「押し入れの奥でほこりをかぶっていた楽曲をたくさん引っ張り出してきた」とユーモアを交えてコメントしたKEISEI。TAKAは「歌詞がちょっと怪しかったけど」、YUICHIROは「まだ歌いたい曲がたくさんあって。例えば『If I…』とか」と言い、即興で「If I…」の一節をアカペラで歌うというサプライズも飛び出した。
バラードコーナーは撮影もOK。“拡散”と『水戸黄門』の助さん・格さんを引っ掛けて、「たくさん“助さん”してくださいね!」とおやじギャグを繰り出すYUICHIROに、「YUICHIROさんもブランクありました?」とKEISEIがピシャリ。会場が笑いに包まれた。届けた楽曲は、EXILE ATSUSHIの作詞による2曲。まず、家族愛をテーマにした「青い鳥」で、会場を温かい空気で包み込む。そして「Lost Moments」は、英語の歌詞がピアノのサウンドとも相まって、J-POPの枠を越えたソウルフルなコーラスワークを聴かせた。
続けてDEEPのバラード「君じゃない誰かなんて~Tejina~」も披露された。ピアノだけをバックに、一人ひとり歌いつなぐスタイル。YUICHIROのテクニカルなボーカル、KEISEIの真っ直ぐで熱いボーカル、そしてTAKAのエモーショナルで艶やかなボーカル。ハーモニーとは異なる個々の歌声の魅力が光る1曲になった。
「僕たちのルーツに迫りたい」と展開された洋楽カバーコーナーは、この日の見どころとなった。まずは、2008年の楽曲「Can We Fall In Love」でコラボレーションした、Boyz II Menの楽曲「The Color Of Love」を披露。YUICHIROの巧みなフェイクと美しいハーモニーが印象的な同曲。会場は一気にアメリカのソウルミュージックの空気へと変わった。また映画『Michael/マイケル』も話題の、マイケル・ジャクソンの楽曲「Heal the World」も披露された。手拍子が広がり、ペンライトの光が揺れた会場。サビは息の合ったコーラスを聴かせ、会場には温かい空気が広がる。TAKAは天に向かって「サンキューマイケル」と一言。最後は、彼らのライブでは定番になっているK-Ci & JoJoの「Tell Me It's Real」。身振り手振りを交えながら体を揺らし、顔を見合わせてタイミングを計るように歌声を交差させた3人。力強いハーモニーに、会場からは大きな拍手が贈られた。
ライブが終盤に差し掛かる前に、3人の仲の良い雰囲気が漂う和気あいあいとしたトークでも会場を楽しませた。まずはCOLOR時代の楽曲をリメイクして届けるというライブのコンセプトと選曲に触れ、「COLORの頃は20代で、無我夢中で歌っていたけど、今の年齢になって、改めて楽曲の良さを感じる。大人のカッコ良さが出せているんじゃないか。楽曲に恵まれて感謝の気持ちでいっぱいです」とKEISEI。その後YUICHIROの髪型の話題へと広がり、「侍みたいになりたくて髪を伸ばしている」と言うYUICHIROに、「侍じゃなくてマラドーナじゃない?」とKEISEIがつっこむ。2人が生み出す柔和な空気をTAKAも久々に楽しみ、会場には笑い声が広がった。
ユーモアあふれるトークで肩の力も抜けたところで終盤戦に突入。まずは「Midnight call」で声を合わせ、「24karats-type C-feat.DOBERMAN INC」ではクラブビートに乗せて、観客は「ハイ!ハイ!」と掛け声をかけ、手を挙げてその場でジャンプ。「GO」ではタオルを回して会場が一つになり、早口のボーカルを畳みかけながら、3人もステージで飛び跳ねて楽曲を楽しんだ。「知ってる人は一緒に歌って!」と声を掛けた「Baby」では、サビの〈Baby baby〉に合わせて手を掲げるポーズ。そして本編ラストのDEEPの楽曲「LINKS!!」では、メンバーの合図で観客が「LINKS!!」と叫び、サンバ調の軽やかなリズムに合わせて、タオルを回しながらジャンプ。コーラスを歌う観客の大合唱にメンバーは「もう一回!」「そんなもんじゃないでしょ!」と煽り、最後に〈I love you〉と声を合わせた。
名曲「涙が落ちないように」で幕を明けたアンコールでは、切なくも力強い3人のボーカルに、この20年の様々な思い出が胸に広がった。MCでは来年COLORとしてデビューして20周年を迎える話にも触れながら、それぞれが思いを語った。
「こうやってツアーができたこと、ありがとうございます。2026年3人で足並みを揃えて全国に歌を届けることができたのは、皆さんのおかげです。20周年に向けて、ホップステップジャンプじゃないけど、引き続き楽しみにしていてください」(KEISEI)。
「少しでもお返しできるように、ただただ精一杯歌わせていただければと思います。以前は高みを目指すことばかりを追いかけていたけど、自分と向き合う時間の中で、DEEPERの皆さんと共有した時間が、自分が求めて欲しかった幸せだったと気づきました。それを大切にして、これからも皆さんとつながっていたい。皆さんが躓いたり立ち止まったりした時、おこがましいかもしれないけど、ずっと側で支えさせていただけたらと思っています。これからも歌い続けますので、応援してくれるとうれしいです」(TAKA)。
「来年の20周年に向けてさらに盛り上げていけたらと思っています。ぜひこれからも、DEEPについて来てください。よろしくお願いします!」(YUICHIRO)
ラストには「僕ら自身もこの曲に背中を押されました」と話し、DEEPの「何度でも」を披露した。熱く真っ直ぐなボーカルで始まった同曲。悔しさ、寂しさ、さまざまな思いを胸に、また立ち上がる勇気をくれる歌声。彼らの思いと信念が詰まった歌声に、目頭を押さえながら聴く観客の姿も。歌うことを決して諦めない、彼らの決意に会場からは大きな拍手が贈られた。
10月からは全5公演のツアー『DEEP LIVE TOUR 2026 "DEEP"』を開催する。さまざまな経験を経て絆をさらに固く結んだ3人が、DEEPとしてどんな歌声を聴かせてくれるのか楽しみだ。