LANAこそ2026年を象徴するエンターテイナーである 時代と世代を超える“ストリートプリンセス”の矜持
空の旅をコンセプトにした演出、リアルな経験や感情に裏打ちされたボーカルの説得力、そして、どこまでもナチュラルな佇まいと強烈なカリスマ性。オーディエンスのとんでもない熱狂を含めて、「これぞ2026年を象徴するエンターテイナーだ!」と快哉を叫びたくなる圧巻のステージだった。
『LANA LIVE TOUR 2026 “DIAMONDS IN THE SKY”』のファイナル、東京・国立代々木競技場 第一体育館2DAYSの2日目。自身最大規模のツアーのラストを飾るこのライブでLANAは、歌唱、パフォーマンス、アティチュードのすべてにおいて、圧倒的な存在感を見せつけた。
「No.5」から熱狂の幕開け、自然体で会場を魅了
18時過ぎに会場に到着すると、すでに大勢のファンが集まっていた。大半は女性で、Y2K~平成リバイバルな雰囲気の人が多い(男性はごつめのヒップホップ系が中心。総じてオシャレ)。LANAのロゴ入りショッパーを抱えたオーディエンスはもちろん、みんな飛び切りの笑顔だ。
そしてついにライブがスタート。客電が落とされ、センターステージにLANAが登場した瞬間に凄まじい歓声が沸き起こり、スマホとペンライトの光で客席が発光する。オープニングを飾ったのは、人気曲「No.5」。冒頭からシンガロングが鳴り響き、〈お金で買えるものじゃ足りない/星より輝くものください〉というパンチラインが突き刺さる。さらに「Makuhari」「24/7 YOU...」をシームレスにつなぎ、メインステージに戻ると、LANAの右肩に刻まれたタトゥーを曲名に冠した「華」へ。舞台には巨大な飛行機のセット。ダンサー、トランペット、サックス、トロンボーン、スーザフォンなどの管楽器隊も登場し、トラック×生音のサウンドが立ち上がる。そして、自身を表現するキーワード=“ストリートプリンセス”としての矜持を歌い上げる「Street Princess」、無数のトラブルを抱えていたローティーン時代、生き抜く術としてのマイクをテーマにした「99」でライブは最初のピークへと達した。
「みんな、お召し物かわいいね。LANAが一番かわいいけど(笑)。もうこの日が来ちゃって、今日が終わっちゃうなんて、まじで“カッタリー”」というMCに導かれたのは「KATTARINA」。ラテンとハウスが混ざったトラック、〈マジ☆かったりいな〉の大合唱によって会場がダンスフロアに変貌。その後もドープなグルーヴが渦巻く「Huh?」、エキゾチックな雰囲気を醸し出す「NARANAI」、JP THE WAVY & JIGGのパーティーチューン「What's Poppin feat. LANA」、極上のサマーチルソング「Summer Ride」、2010年代ヒップホップの名曲をカバーした「Miss Luxury ft. LANA, JP THE WAVY & ¥ellow Bucks」、Awich「Bad Bitch 美学 (feat. NENE, LANA & MaRI)」、「BASH BASH(feat JP THE WAVY & Awich)」、「MY LIFE」を続けざまに放ちまくる。客演はなく、ダンサーを従えながら会場を完璧にロックしまくるLANA。気負いやイキりはまったく感じられず、自然体で「歌える?」と笑顔で呼びかけ、客席との距離を縮めていくパフォーマンスは驚くほどに魅力的だった。
ここで数分間のインターバル。「今日ここにくるまで、それぞれいろんなことがあったと思う。苦しかったことも、つらかったことも。でも今こうしてここに集まって、みんなと同じ景色を観れることが本当にうれしい。悩みも不安もいったん置いて、後悔の残らない旅を楽しもう」というアナウンスともに“Second Show”が幕を開けた。
再びセンターステージに現れたLANAは光り輝くシルバーの衣装。葛藤、憤り、不安に立ち向かいながら、どこまでも高く飛ぼうとする姿を描いた「Diamonds in the Sky」を高らかに歌い上げる。LANAに照射されたライトが、会場全体に反射する演出も心に残った。
「Almost20」「Drama Queen」、そして、LANAが初めて公開した自作曲「HATE ME」。ライブ後半では、LANA自身の人生、生き様、価値観が強く込められた楽曲がラインナップされていた。一瞬で聴く者の心を捉えるハスキーボイス、現行のUSヒップホップの潮流を感じさせるフロウ、伸びやかさと鋭さを併せ持ったボーカリゼーション、そして何より、一つひとつのフレーズに生々しい感情を刻み込む表現力。歌唱、ラップの才能はまちがいなく、このツアーでさらなる進化を遂げていた。