B&ZAI、衝動を刻み込む魂と伝統と覚悟の熱演 8人が宿す唯一無二の強みとは一体何なのか?
B&ZAIが、結成2年目の夏を“Summer Beat”に乗って鮮やかに邁進している。彼らは、現在、計10日間17回にわたる公演『B&ZAI LIVE 2026 Summer Beat』に挑んでいる。本稿では、7月28日に行われた4日目の昼公演の模様をレポートしていく。
はじめに結論から書いてしまえば、夏ならではの鮮やかな開放感に満ちたライブだった。全編から、夏の暑さを吹き飛ばすような爽快さ、夏の暑さに負けないような熱さの両方が伝わってきたし、また一曲一曲のライブパフォーマンスや演出に、8人が継承しているSTARTO ENTERTAINMENTの伝統や事務所への愛、先輩たちへのリスペクトが深々と息づいているように感じた。もちろんそれだけではなく、B&ZAIが誇る唯一無二の強みをあらためて感じられたライブだった。順を追って振り返っていきたい。
オープニングから、“Summer Beat”全開だった。煌びやかな衣装をまとった8人が巨大ブランコで登場。橋本涼が「俺たちの夏、始めようぜ!」と高らかに呼びかけ、「Ain't No Dream Over」からライブがスタート。その後、菅田琳寧が「Kanadevia Hallに夏がきたぞ!」と叫び、全員がオープニングの衣装を脱いだと思えば、涼しげなアロハシャツ姿で「Summer上々!!」(A.B.C-Z)を披露してみせた(なお、同公演には河合郁人が観覧しており、ライブ中盤のMCで話を振られた際には「2曲目、特によかった!」とオフマイクで感想を告げていた)。その後も先輩グループの楽曲のカバーが次々と届けられていく。鈴木悠仁、川﨑星輝、稲葉通陽による「三銃士」(NEWS)、矢花黎、今野大輝による「Bonnie Butterfly」(KinKi Kids)、橋本、菅田、本髙克樹がメインを務めた「まいったネ 今夜」(少年隊)、そして全員で「つなぐ」(嵐)へ。先人たちのエンターテイナー精神は、確実に8人に継承されている。そう強く感じる展開だった。
その後も、事務所の伝統や歴史へのリスペクトに満ちた展開が続いていく。「B&ZAIワールド」のコーナーでは、スクリーンを駆使しながら“ジュニアマンション”を再現し、また、舞台『DREAM BOYS』や、テレビ番組『ザ少年倶楽部』(NHK総合)における“ジュニアにQ”のオマージュなどを張り巡らせながら、新人ジュニア(という設定の)稲葉にジュニアの伝統を伝えるコントが展開していく。極めつけは、水着で披露した「勇気100%」(光GENJI)のカバー。先述した序盤の展開を含め、彼らが胸に抱く事務所への愛と先輩へのリスペクトがありありと伝わってきた。
ほかにも、浴衣で披露した「なつ♡あい」や、その前後に披露した「SUMMER TIME」(NEWS)、「夏のハイドレンジア」(timelesz)を含め、夏らしさと事務所の系譜を感じさせるライブパフォーマンスが続き、あっという間にクライマックスパートへ突入する。
「KISS'N'DOL」ではハードなビートに乗ってダイナミックなアクロバティックを披露してみせ、「Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」(嵐)では鈴木が中央へ繰り出しエモーショナルなギタープレイを炸裂させる。7人の歌と呼応し合うように熱く昂るギターのサウンドに、深く胸を打たれた。ここからシームレスにバンドコーナーへ移行していく流れが非常に見事で、「EMPIRE」(Snow Man)では、稲葉がバイオリンでモーツァルトの名曲からサンプリングされたメインリフを奏で、間奏では川﨑のドラム、矢花のベース、今野のギター、菅田のサックス、本髙のキーボードが次第に重なっていく。気付けば、完全なバンド編成への移行が完了していて、フロントマンを担う橋本が「今からこの時間で、皆さんと熱く一緒に繋がりたい!」と叫び、B&ZAIの揺るぎない覚悟を込めた「First Beat」へと繋いでみせた。大量の火花がステージを熱く彩る中、8人の熱烈なマイクリレーが展開していき、その上に観客の歌声が分かちがたく重なっていく。この一体感と熱量は、まさにライブだからこそ感じられるもの。その後、「BLACK FIRE」(NEWS)では、菅田がサックスからギターに持ち替え、また、今野が熾烈なギターソロを遺憾無く炸裂させた。
続く、オリジナルのバンドアレンジによって大きく刷新された「Oh Yeah!」(嵐)では、菅田のディレイを効かせた反復のフレーズが重要な役割をばっちり果たしていた。本編ラストは、「衝動Never end」。橋本もエレキギターを持ち、8人全員が楽器を弾きながら歌う編成で披露。文字どおりの衝動を刻み込む魂の熱演、そのうえに重なる観客の合唱――。“アイドル×バンド”の真髄が凝縮された渾身のステージだった。一連のバンドコーナーを通して、彼らが胸に抱く“アイドル”としての矜持に加えて、“バンドマン”としての矜持もたしかに感じ取ることができた。音楽が、バンドが、心から好きな人たちなんだろうなと、ライブを観てあらためて強く感じたし、何より観客も8人の歌だけではなく、それぞれのメンバーが鳴らす躍動的なサウンドを、その重なりによって紡がれる豊かなバンドアンサンブルを、存分に謳歌しているようだった。とてもグルーヴィーな時間と空間だった。
アンコールでは、通常の編成で、「ノーマター・マター」(KAT-TUN)、そして、矢花の「元気がない時、勇気になれるような曲」「落ち込んでしまった時、寄り添える曲」「これから存分に愛していただけたら嬉しい、そんな一曲でございます」という前置きを経て、先日の日本武道館公演で披露された新曲「Braver」が披露された。一歩ずつ、誠実に、強い気持ちをもって、これからも走り続けていく8人の覚悟が、熱い実感を通して伝わってくる素晴らしい名演だった。総じて、これから先の彼らのさらなる躍進への期待が際限なく高まるようなライブだった。