売れる曲か、かっこいい曲かの二択で戦うーーBlue Mashが「若者白書」で証明する“青春”を歌い続ける覚悟
ラブソング以外で勝負する、泥臭い努力と戦略
――でも、独りよがりのものにはまったくなっていないと思うんです。ちゃんと共感を求めていけるものになってると思う。
優斗:それは〈若者たちは踊ってる/心躍ってないのに〉っていう最初の2行がすべてだと思います。この2行を書けたのがやっぱり大きいんじゃないですか。これはTikTokとかの話ですけど、縦動画文化になって、駅前で女子高生がTikTok撮ってるわけじゃないですか。それで流れる音楽を、音楽家たちは必死に書いてるわけだけど、それってほんまに心の底から躍ってんのかよっていう話。これは『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』を観て書きました。あれで「自分の踊りを踊れ」って言ってて、俺も「心躍る踊りを踊れよ」って思ったから。だから「踊るな」って言ってるわけじゃないんです。ほんまに“心躍ってる歌”が評価されてほしいっていう切な願いです。
――そうやって若者の風景から始まっていくけど、2番の歌詞で〈TSUTAYA〉とか〈旧作〉という言葉が出てくるじゃないですか。これ、今の若者には通じないですよね。
優斗:そう、だから2番にしたんです。1番にしたらそこまで届かへんから。1番は10代なんですよ。今16歳とかの子の話。でも2番は俺ら世代、平成の世代なんですよね。でもそこも一緒なんだぜって言いたかった。
――そういう構造も含めて、めちゃくちゃ緻密ですよね。
優斗:歌詞も最初はバーンと殴り書きしたけど、あとからめっちゃ修正して。そうやって自分の本能的な部分と打算的な部分をいい塩梅で世の中に出せたから、この曲はめちゃくちゃ気持ちいいんだと思います。ライブでやってても、ほんまに歌いたいことやからどんなMCしてもいけるんです。今一番言いたいことだから。それを届けるために必死こいてるっていうのがすごくいいなと。
――そこがめちゃくちゃ誠実だし、曲のメッセージともつながっている気がするんですよ。要するに、夢を実現していくためには努力しなきゃいけないし、頭使って考えなきゃいけないっていうことも、この曲は形でちゃんと示している。それが素晴らしいし、それこそ10代だったら書けなかった曲なんだろうなって気がする。
優斗:そうですね。10代だったらこのチューニングはできてなかったと思います。届けるための泥臭い努力と、ほんまに歌いたいことのかけ算をするために、ずっと今までチューニングをしてきたんですけど、それがほんまに合わさったときにこれが出てきた。だからすごく気持ちいいんです。今の周りのバンドにないんですよ、こういう曲。みんなMCではこういうこと言うけど、歌わない。
――それ、なんでだと思う?
優斗:なんでですかね。みんな、ラブソング書きすぎなんじゃないですか。それが売れるから別にそれでいいんですけど、MCでこれ言うんやったら、もう曲にしちゃったらええやんっていう。だから、「こういう曲で果たして数字が出るのか」っていうのを知りたいんです、僕は。だってこの曲、Blue Mashのお客さんは全員いいって言ってくれたし、きっとそう思うと思う。でもラブソングではないじゃないですか。この曲がどういう数字の付き方をするのか。これを「海岸線」みたいにライブで毎回やっていけば果たして名曲になるのか、それともサブスクで評価されていくのか、されないのかっていうのが知りたい。だから出しました。
――そこをしっかり考えて、実践して、しかも口に出していくというのはBlue Mashの強さだと思いますね。
優斗:全部やるっていうのがモットーなんで。やっぱり売れたいですからね。この数年でのBlue Mashの変化ってそこだと思うんです。メンバー全員が売れたいって思うメンバーになって、お客さんも「この人たち売れたいんだな、応援しないとな」って思ってもらえるようになって、同じように戦っていくようなファンがついてきた。だからそういう姿勢では、常にいたいです。
――そういう意味では、バンドとして掲げている武道館という目標も単なるロマンではないですよね。
優斗:武道館は絶対やりたいです。数年以内に。それは最低条件。それができなかったら、解散すると思います。それをやったうえでもっとデカいところに行こうっていうのか、もっと小さいところでやろうっていうのか、そのときにまた次の目標ができると思うんで。それは成し遂げたいなと思います。今年、武道館にヤングスキニーとa flood of circleを観に行って、どっちもめちゃくちゃよくて……改めてあそこで自分もやりたいなと思いました。武道館に立つためにバンドをやってるとまでは思わないですけど、あそこにお客さんを連れていくっていうのが、8年、9年もバンドをやってしまっている責任だと思うんで。今、「武道館やってみんなで大阪に帰ろう」っていう話をしていて。「絶対にそうしよう」って決めてます。だからあと1回ぐらい部屋の契約を更新したら、武道館埋められるぐらいのテンポで頑張ろうって(笑)。
――どうして大阪に帰りたいんですか?
優斗:いやもう、暑いじゃないですか、東京。人も多いし。
――大阪も暑いし、人多いと思うけど。
優斗:あと道が狭い! やっぱり梅田で飲みたいですね。東京で飲みたい街にまだ出会ってないんですよ。第3ビルとかで飲んで、南森町から天六(天神橋筋六丁目)まで歩いて……。
――そうなるために、今Blue Mashに必要なことって何だと思います?
優斗:むっちゃ売れる曲。置きにいかない。むっちゃくちゃかっこいい曲か、めちゃくちゃ売れる曲の二択でずっとやる。で、常に一番いいライブをするっていうか、Blue Mashのライブを絶対にやる。ライブがしっかりしてれば、曲で狙っても狙わなくてもおもしろくなると思うんです。この1年で結構それができたんで、そこをもっと挑戦していきたいなって思います。
■リリース情報
Blue Mash「若者白書」
配信日:2026年7月1日
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/BlueMash_WakamonoHakusho
■関連リンク
Official YouTube:https://www.youtube.com/@bluemashband
Official X(旧Twitter):https://x.com/Blue_Mash_band
Official Instagram:https://www.instagram.com/bluemash_official/
Official TikTok:https://www.tiktok.com/@blue_mash_band