乃木坂46のユニット曲はなぜ愛される? 孤独兄弟、からあげ姉妹、いもうと坂……組み合わせによる無限の可能性

 乃木坂46の42ndシングル『是非に及ばず』には、3組のユニット曲が収録されている。井上和と菅原咲月による「Kissのタイミング」、川﨑桜、筒井あやめ、冨里奈央、弓木奈於による「ひとつ手前のインターチェンジ」、五百城茉央、奥田いろは、中西アルノによる「おまえら」。2人組、4人組、3人組とそれぞれ人数も異なれば、同期だけの組み合わせも、4期生と5期生をまたぐ編成もある。タイトルと歌唱メンバーだけでも、「なぜこの組み合わせなのか」「どんな歌声になるのか」と想像が広がるのが、乃木坂46のユニット曲ならではの面白さだ。

 そこで今回は、これまで長く親しまれてきた楽曲をたどりながら、乃木坂46のユニット曲が見せてきた歌声の相性やメンバー同士の関係性をあらためて振り返りたい。

初のユニット曲は橋本奈々未、松村沙友理、白石麻衣、高山一実

 乃木坂46にとって最初のオリジナルユニット曲と言えば、2ndシングル『おいでシャンプー』に収録された「偶然を言い訳にして」だ。橋本奈々未、松村沙友理、白石麻衣、高山一実という、結成初期からグループの華やかさを担っていた4人が歌唱しており、現在でも乃木坂46のユニット曲を語る上で欠かせない1曲となった。

乃木坂46 『偶然を言い訳にして』Short Ver.

 同じく初期のユニット曲として長く親しまれているのが、3rdシングル『走れ!Bicycle』に収録された「せっかちなかたつむり」である。先ほどの4人に西野七瀬、中田花奈、深川麻衣を加えた7人が歌唱。こちらも進展しない恋のもどかしさを描いた楽曲だが、「偶然を言い訳にして」のしっとりとした空気とは対照的に、明るく軽快なサウンドに仕上がっている。メンバーの歌声が次々とつながれていく構成も楽しく、ライブではコールとともに盛り上がる人気曲として定着した。

乃木坂46 『せっかちなかたつむり』-Short Ver.-

 メンバーの組み合わせそのものが楽曲の印象を決定づけた代表例が、8thシングル『気づいたら片想い』に収録された、白石と橋本による「孤独兄弟」だろう。グループの中でもクールで大人びた雰囲気を持つ2人が、歌謡ロックのサウンドに乗せて勇ましく歌う。そこに“兄弟”という言葉を重ねた発想も含め、2人の存在感をそのまま一ひとつの世界観にしたような楽曲である。

乃木坂46 『孤独兄弟』Short Ver.

 白石と橋本の卒業後も、「孤独兄弟」はさまざまな組み合わせで歌い継がれてきた。2020年の『乃木坂46 4期生ライブ 2020』では賀喜遥香と金川紗耶が、2023年の『11th YEAR BIRTHDAY LIVE』5期生ライブでは井上と菅原が披露。歌うメンバーが変われば、その関係性や佇まいによって楽曲の表情も変わる。誰が楽曲を受け継ぐのかまで含めて楽しめるのも、ユニット曲ならではの面白いところだろう。

 生田絵梨花と松村による“からあげ姉妹”も、乃木坂46のユニットを語る上で欠かせない。ペアPVをきっかけに生まれた2人は、12thシングル『太陽ノック』収録の「無表情」で楽曲ユニットへと発展。無表情のまま淡々と歌う2人と、ライブで沸き起こる“からあげ姉妹”コールのギャップも含めて親しまれてきた。さらに2021年には、TVアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)のオープニングテーマ「1・2・3」を担当。メンバー同士の何気ない組み合わせから始まったユニットが、乃木坂46の枠を越えて活動を広げた象徴的な例と言えるだろう。

乃木坂46 からあげ姉妹『無表情』

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