SPECIAL OTHERSが地元・横浜で証明した無二の胆力 未来から過去へーー名曲と共に辿る20周年記念ライブ

 SPECIAL OTHERS(以下、スペアザ)が、メジャーデビュー20周年記念日である2026年6月7日に地元横浜の関内ホールで『デビュー20周年! !20箇所記念ツアー!!全員集合☆彡』を開催した。

スペアザが生活の一部にーー横浜に集結したファンの熱量

 シーン登場当時はギターロックやミクスチャーシーンとも共鳴し、スタンディングのライブではダイバーまで出現していたことや、メジャーシーンでインストバンドとしての立ち位置を築いてきた稀有な受け入れられ方を思い出して感慨に耽る部分もありつつ、そうした時間を青春時代に共にし、ライフステージも変化してきた選りすぐりのファンが横浜に集結していることもまた、非常に感慨深い。カップル、夫婦、幼い子どもを連れた家族など、スペアザの音楽がファンの生活の一部になっていることを実感。また、グッズである蛍光イエローのビブスとキャップを着用したファンも散見され、共有されるユーモアのベクトルに笑顔になってしまう。

 ステージ上はごくシンプルだが、メンバーの立ち位置にセットされたランプがリビングのような日常感を演出している。しかし、暗転と共に沸き起こった爆発的な歓声と拍手はいつものスペアザ。いつも通り、ステージに向かって右から宮原“TOYIN”良太(Dr)、又吉“SEGUN”優也(Ba)、柳下“DAYO”武史(Gt)、芹澤“REMI”優真(Key)が位置につくと、意外にも疾走感のある8ビートでロックとの接点を感じるナンバーが放たれる。いい緊張感が醸し出されるのも当然で、1曲目はこの日がライブ初披露の新曲「Circuit」だったのだ。tvk(テレビ神奈川)のモータースポーツテーマソングとして書き下ろされた曲で、20周年初日をスタートする気概にワクワクする。終盤に奏でられる芹澤のトレブリーなローズの音色は、ある種の“スペアザ印”でもある。続いて、演奏に耳を傾けていたオーディエンスも、ハイハットのカウントとギターリフに歓声を上げる。

柳下 "DAYO" 武史(Gt)
又吉 "SEGUN" 優也(Ba)

 近作『Journey』(2023年)から、タイトルチューン「Journey」がグルーヴにファンクテイストを加味したライブアレンジで進行していく。それにしても、4つの楽器の輪郭のクリアさには脱帽だ。16ビートから4ビートへ、そして徐々にテンポアップしていくBPMにこちらの感情も乗っていく。なんて心地よい滑り出しだろうか。続いては、又吉がエレキベースからエレキのアップライトベースに持ち替えての「WAVE」へ。音と音が語り合うようなインタープレイ、レゲエの裏打ちのビート、そこに乗るブルージーなギター、そしてダブエフェクトを生で模したドラムテクニックなど、細部がいちいちツボに入る。しかも、そこに歪み系のエレピの音色と芹澤と宮原のボーカルが乗ると、ジャンルで括れないスペアザの世界が立ち上がるのだった。

芹澤 "REMI" 優真(Key)
宮原 "TOYIN" 良太(Ds)

 「一小節一小節、一音一音魂込めて演奏してるのでビリビリきてます」と宮原。芹澤も「無駄な一音出せねえよ」と緊張を露わにしたが、3曲演奏したところで会場の温かなムードに少し肩の力が抜けたらしい。自然体なムードの中にも、ジャズ/フュージョンや、時には音響派めいたユニークな音の厚みも感じる「I’LL BE BACK」。リズムチェンジでアンサンブルがビルドアップされてメインテーマに戻ってくると、スーッと胸が軽くなるのは誰もが同じようで、演奏に対する拍手が起こる。ボーカルとエレピにギター、ベースも加わるユニゾンは横並びで歩くような印象を与え、ひとつの旅を終えたようなエンディングに、弾けるような拍手が贈られた。

 オリジナルのスピード感とは違い、軽快なキック&スネアからスタートした「Wait for The Sun」だが、アイリッシュ風のギターリフと同時にスピードアップすると大きな歓声が上がる。下手したらOiコールをしてしまいそうな疾走感だ。ノイジーなギターっぽいエレピや、エレピとギターのユニゾンで出現した山場の後、リムショットに合わせて場内は乾いたハンズクラップを鳴らして参加。それは、ライブでのこの曲に欠かせないアレンジの一部になっていた。クラップは、続く「PB」のイントロでも重要な役割を担っており、バンドもオーディエンスもテンポが走らないように音を聴く。それも演奏の一部になっているのだ。曲を支え、同時に牽引する又吉のベースプレイのアクションがノリにノッてくるのに合わせて、こちらのテンションもアップ。格別な参加意識を堪能して、爆発的なフィニッシュを見せた。

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