キタニタツヤが多方面から愛される理由 『ANN0』で見せた“素直な毒”、カルチャーを越境する受容性の高さ

 ボカロPやバンドマンとしてだけでなく、幅広いカルチャー由来のルーツを強みとするアーティスト・キタニタツヤ。直近でも、今シーズン放送のTVアニメ『日本三國』(TOKYO MXほか)オープニングテーマ「火種」やTVアニメ『NEEDY GIRL OVERDOSE』(TOKYO MXほか)エンディングテーマ「れびてーしょん」、『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』東京展イメージソング「肺魚」ほか、多彩なタイアップを手がけているのは周知の通りである。

 また、キタニは自身の曲を歌うシンガーとしてのみならず、外部アーティストへの楽曲提供やラジオパーソナリティを務めるなど、カルチャーとジャンルの壁を超えた活躍でも多くの話題を集めてきた。現在担当している『キタニタツヤのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)は自身の精神、体力面での負荷を理由に6月末での終了が発表されたが、終了を惜しむ声と同等か、もしくはそれ以上に彼の体調を気遣う声も多く寄せられていた点が印象深い。

界隈を超えたゲスト陣、ジャンルを越境する知識とカルチャーへの愛

 彼のアーティストとしての側面は、これまでも本人の口からも語られてきたが、ラジオパーソナリティとしての活動は、より“キタニタツヤ”という人物そのものを構成するバックボーンにも触れられる貴重な機会となっていたように感じる。そんな彼独自の色が特に顕著に表れたのは、驚くほどに幅広いジャンルから招かれてきた歴代の番組ゲストラインナップからも垣間見ることができる。

 業界を同じくするミュージシャンのみならず、番組初ゲストの又吉直樹に始まり、お笑い芸人・春とヒコーキ、QuizKnock・伊沢拓司や東海オンエア・としみつにWEBメディア「オモコロ」元編集長・原宿などのYouTube活動に重きを置く面々、そして声優・青山吉能やラジオプロデューサー・佐久間宣行ほか、ジャンルを超えた著名人が大勢出演。さらに、番組の恒例のコーナーでもあるベイブレード対決にちなんで、ベイブレード開発担当・マスターブレーダー堀川や、フリーBGM素材作曲家・しゃろう、漫画原作者・クワハリにライター・にゃるらなど、本来ならばややスポットの当たりにくいポジションで活躍するクリエイティブなゲストも多く、ラジオでのトークをきっかけに新たな世界への知見を深めたリスナーも多くいたに違いない。

 招いたゲストの多彩さは、いわば彼が持つ知識の幅広さ、そして多方面のカルチャーへの興味やリスペクトにも直結している。多様な物事、多様な人々の存在を知るがゆえの受容性の高さ。それこそが彼個人の、ひいては“アーティスト・キタニタツヤ”が生み出す楽曲群の魅力の根源であり、多彩な分野への楽曲提供・タイアップに繋がっていることも想像に難くないだろう。

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