Chara+YUKIが見せてくれた“夢の続き” 6年越しに実現したステージでの初共演、奇跡のライブをレポート
「これからもいい曲をたくさんつくってね」(YUKI)
「これからもいい詞をたくさん書いてね」(Chara)
CharaとYUKIによるコラボレーションユニット・Chara+YUKIが、5月5日、6日、東京ガーデンシアターにて『Chara+YUKI LIVE “echo” 2026』を開催した。
1999年、サッポロビール「冬物語」CMソングに起用された「愛の火 3つ オレンジ」をリリースしたChara+YUKI。比類なき歌声を持ち、アイコニックな存在として絶大な支持を集めてきた二人のコラボレーションは、当時大きな反響を呼んだ。そんな“奇跡のユニット”としてファンの記憶に刻まれていたChara+YUKIが、リリースから20年の時を経て再始動するというニュースが舞い込んできたのが2019年11月のこと。2020年1月にはシングル「楽しい蹴伸び」、2月にはミニアルバム『echo』をリリース。しかし、その際に予定されていたライブは中止となり、ステージ上での共演はあえなく見送られることとなった。
そして2026年。6年の月日が流れ、ついに公演が実現。会場は東京ガーデンシアター、2日間計約14000人がChara+YUKIの記念すべきステージを目撃した。
開場中に流れていたBGMのボリュームが大きくなり、生成りの紗幕に描かれたお城のイラストにスポットライトが当たると、ファンファーレとともにオレンジ色の光に包まれたステージが顔を出す。逆光ではっきりとは見えないものの、CharaとYUKIはたしかにそこにいる。観客が二人の存在を確認すると、黄色い歓声とはまた違った、恍惚とした声が会場中に響き渡った。
1曲目は、『echo』に収録された「愛の火 3つ オレンジ」の2026versionだ。小西遼によるブラスセクションやラップパートを加えてリアレンジしたバージョンをさらにアップデートし、華々しくライブの幕開けを飾った。1番を歌い終えるとCharaとYUKIの姿がようやくはっきりと見え、大歓声と拍手に包まれる。終盤には「東京ガーデンシアター」などのワードが盛り込まれ、この日ならではのスペシャルバージョンで披露された。歌い終えた二人がハグをすると、さらに大歓声が沸き起こる。
ここからは『echo』収録の2曲へ。Seihoがサウンドプロデュースを手がけた「You ! You ! You !」、大沢伸一が手がけた「ひとりかもねむ」とアバンギャルドなダンスチューンが立て続けに披露された。ステージの上手から下手へと一緒に動き回ったり、同じ振り付けで決めてみたり、さながらデュオのようなパフォーマンスが繰り広げられるのが微笑ましい。
曲が終わり、至るところから「かわいい」の声が飛び交うなか、「Charaだよ」「YUKIだよ」「二人合わせてChara+YUKIだよ」という、長らく温めてきた挨拶をファンの前でお披露目して笑い合う二人。CharaとYUKIの交流は、出会ってから30年以上に及ぶ。伊藤歩、ちわきまゆみ、YUKARIEとのガールズバンド・Mean Machineではツインドラムスタイルで共演したことはあったが、歌手として一緒にステージに立つのは意外にも今回が初。Chara+YUKIのライブが中止になってしまったことがずっと気になっていたYUKIが、ある日Charaへ電話をしたことがきっかけでライブの実現に至ったという(ステージ上では二人による電話の再現も行われた)。「こうやって今日ライブができて、本当にこうして来てくださるみなさんのおかげです。ありがとうございます」と、YUKIから改めて観客への感謝の思いが伝えられた。なお、2日目のMCでは、YUKIが名付けたグッズのネーミングの話題から「天才二人を見に来たんでしょ!」と観客を煽ったり、CharaがYUKIの着ているスカートの形のランプシェードをグッズにしたら買いたいと話すなど、二人の“らしさ”満載のトークでも楽しませてくれた。
MCを終えると、ステージには窓のような装飾やランプが設置され、二人がセッションを楽しむ秘密の部屋へと誘われるようなムードに。まず披露されたのは、今回のバンドのドラマーであり、CharaとYUKIそれぞれのライブや楽曲制作に長年携わってきた白根賢一のペンによる「YOPPITE」(『echo』収録)。CharaとYUKIのウィスパーボイスが溶けて混ざり合い、心地よいハーモニーが広がっていく。
聞き馴染みのあるギターリフにのせて、Charaが観客に声をかける。「今日はChara+YUKIのライブにようこそ。素敵なメンバーを紹介していくね」と、名越由貴夫(Gt)、白根賢一(Dr)、松本ジュン(Key)、高桑圭(Ba/バンドマスター)、竹本健一(Cho)、平岡恵子(Cho)、安藤康平(Sax/Fl)、ゴンドウトモヒコ(Synth/Tb)からなるサポートバンド「Chara+YUKI & The Dark Horses」を紹介すると、Charaの代表曲の一つ「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」からコラボパフォーマンスのコーナーがスタート。1番はCharaが歌いYUKIがコーラス、2番に入る前にCharaから「YUKI歌ってよ」とパスがありYUKIが歌っていく。ステージの床に寝そべってみたり、グロッケンを使ったコール&レスポンスをしてみたりと、とにかく自由なChara。YUKIが使っていたスタンドマイクを二人で仲良く使い、そのマイクの周囲をぐるぐる回って「これなんの時間」を二人でリフレインする謎の時間など、貴重な瞬間の連続だ。歌の途中でフリーズしてしまったCharaを、YUKIがタムの前まで運び、フリーズの解けたCharaがタムを連打するというユニークなシーンも加わり、Chara屈指のパーティーチューンを目一杯盛り上げた。
続いてはYUKIの楽曲「プリズム」のコラボレーションだ。Charaも好きな一曲だというこの曲は、今度は後ろに座ったCharaがまずはコーラスで参加し、YUKIから「歌ってよChara」とメインパートのバトンが託される。これまでYUKIのライブで何度も歌われてきた楽曲だが、二人が揃って歌うことで新しい響きを手に入れていた。そして、美しい余韻を残したまま、先日リリースされたChara+YUKIによる新曲「背中にリボン」へ。ジャケットに描かれた漫画家・牧野和子氏によるCharaとYUKIのイラストがMVではアニメーション化されており、その中で踊っていた背中合わせのダンスをステージ上でキュートに再現した。
Chara+YUKI再始動前夜となる2019年、YUKIの9thアルバム『forme』には、Charaが提供した「24hours」という楽曲が収録されていた。この時一緒に楽曲制作をしたことからChara+YUKIの新たな作品が生まれ、今回のライブにまで発展したことを思うと、この場でこの曲のコラボパフォーマンスが見られるのは実に感慨深い。1音1音から温もりが滲み出るCharaのピアノの調べに乗せて歌われるYUKIの熱のこもった歌声に会場中が引き込まれ、続いて披露されたYUKIの最新曲「Share」も、Charaがピアノで参加したこの日限りの編成で届けられた。