藤井健太郎が語る、嵐だけのスター性 『ひみつの嵐ちゃん!』ディレクター時代の経験、舞台裏での5人の姿

嵐がこれまでのアイドルやスターと違ったこと
――「マネキンファイブ」はどういった経緯で生まれたのですか?
藤井:番組の総合演出から、「嵐を使ったファッション企画」というお題をもらって、考えた企画でした。とはいえ、ただ嵐のファッションを見せて、ただ「嵐がカッコイイ」ではバラエティ企画としては弱いので、何を言われても反論できないというギミックを加えました。ちなみに、お客さんがいるあいだは動けないし喋れないけれど、人がお店からいなくなると動き出す、という設定は『トイ・ストーリー』の世界観をイメージしたものです。
――当時、ゲストによる遠慮のない辛口コメントが番組を大いに盛り上げましたね。彼らの苦々しい表情もまた笑いを誘いました。ゲストやメンバーのリアクションは、どこまで台本にあるのでしょうか?
藤井:いや、当然そんな台本は全くないですよ。メンバーたちも、毎回テーマに合わせてのアイテム決めなど、ちゃんと本気で向き合ってくれていました。だからこそのリアクションだったと思います。とくに、相葉(雅紀)くんはメンバーのなかでも服が好きだったし、熱心に取り組んでくれていた覚えがあります。当時、僕とも共通の知り合いが洋服屋さんにいたので、そんな話もしていましたね。やっぱり、オンでもオフでも、常にムードメーカーでした。
――松本さんは?
藤井:何にでも本気で取り組んでいる姿が印象的でした。決めるところでちゃんと決めなきゃいけない “逃げられないポジション”を担っていたかと思うんですけど、その大変な役割を全うしていましたよね。楽屋ではよくパソコンを広げてライブの映像をチェックしたり、収録終わりにも残ってライブ演出の打ち合わせをしていたり、一緒に仕事をするまでアイドルの方がそういう細かいところを自らやっているイメージがなかったので、シンプルに感心しました。僕が自分の番組を持って『ひみつの嵐ちゃん!』を離れるとき、「いつかゲストで呼んでね」と、ビートたけしさんばりの粋な言葉をかけてくれて、さすがだなと思ったのを覚えています。
――では、櫻井翔さんは?
藤井:当然、現在の活躍でもみなさんご存知の司会者的なスキルは、当時から高かったですよね。頼りがいのある存在です。僕が別でやった特番を見てくれて、ロジカルでめちゃくちゃ的確なアドバイスをくれたのが印象に残っています。でも、そんな達者できっちりしたところや、しっかり者のベースがありながら、いざとなったらちゃんと “負けられる”のが強い。ちなみに、僕とは音楽の趣味が近かったので、よく楽屋ではHIPHOPの新譜の話などで盛り上がっていました。
――二宮(和也)さんは?
藤井:その場の流れを掴むのが上手くて、いちばん芸人さんに近いセンスを感じていました。あとは暇さえあればずっとゲームをしていましたね(笑)。僕も一時期同じゲームをやっていたことがあったんですけど、とにかく進むのが早くて、どこにそんな時間があるんだ、と思っていました(笑)。そして、楽屋ではずっと大野くんとワチャワチャしてました。
――大野さんと仲睦まじい様子、目に浮かびます(笑)。
藤井:手数や打席数は少ないんだけどいちばん “ホームランを打つ”のが大野くんでしたよね。自分から積極的に喋るわけでもないし、熱量が高いタイプでもないんですが、いざというときには大きな笑いを作ってくれるし、ほかのメンバーもなんだかんだで最後はリーダーに頼るというか。“やらされてるリーダー”みたいに見えるところもあるとは思うんですけど、肝心のところではやっぱりちゃんとリーダーなんですよね。
――イジり/イジられのやりとりのなかに愛情を感じられるのが、嵐の強さですね。
藤井:そういったメンバーの関係性から生まれる展開や笑いはやっぱり多かったですよね。嵐の場合はメンバー同士の仲の良さがお茶の間にも浸透しているので、そのやりとりを微笑ましく見られる安心感がありました。二枚目役を担うことの多い松潤も、優等生的な役割を求められる櫻井くんも、ちゃんと“負ける”ことができる。嵐がこれまでのアイドルやスターと違ったことのひとつは、超人気者でありながら、その“負け顔”も持っているってところだった気がします。
――そんな嵐が2026年5月31日をもってグループ活動を終了するという知らせを、ある時期一緒に仕事をされていた藤井さんとしてはどのように感じられましたか?
藤井:誰ひとり欠けることなく最後まで走り抜けられたので、「残念」というような気持ちはないですね。ファンの方たちはいろんな想いがあるかと思いますけど、僕は「最後まで仲良く、きれいに終われてよかったな」という感想です。僕自身もこれまでほとんど仕事しかしてこなかったタイプなので、大野くんが自分の人生を見つめ直して大きな決断をするという気持ちもよくわかるし、立場を捨ててそういう選択ができるのは素敵だなと思いました。
――もし、藤井さんがいつか嵐5人の再会の場を企画できるとしたら、どのような番組にしたいですか?
藤井:5年おきか10年おきか分からないですけど、定期的にメンバーが集まって、近況報告をするような番組はいいかもしれないですね。5人で車に乗って泊まりでどこかへ行くとか、なんとなくスタジオセットで喋るっていうよりはもうちょっと“嵐っぽい”感じで、番組番組せずに「元気でやってるよ」と。グループとしての活動が終わったら、今後はプライベートでも全員で集まるってなかなかタイミングがなくなるとは思うんですよね。なので、ファンもそうですけれど、本人たちのためにもそういう場を作れたらいいんじゃないですかね。せっかくそれが出来る5人なので。





















