WEST.が唯一無二たる理由 7人と“あなた”で歩み続けた12年の軌跡ーー横浜アリーナ公演レポ
2026年4月23日にCDデビュー12周年を迎えたWEST.。現在、彼らは12枚目のフルアルバム『唯一無二』を掲げ、全国9都市28公演を巡るアリーナツアー『WEST. LIVE TOUR 2026 唯一無二』を開催中だ。本稿では、5月5日に行われた横浜アリーナ公演について振り返っていく。
セットリストの掲載や、曲順が明らかになるような記載は控えるものの、ライブで披露されたいくつかの楽曲の曲名を挙げていくので、これからツアーに参加する方はご注意いただきたい。
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圧巻の“WEST.流”エンターテインメントショー
今回のツアーのテーマは、「唯一無二を探す旅」。会場に入ってまず驚かされたのが、バンを模した超巨大セットだ。フロントガラスがスクリーンの役割を果たしており、その周囲には、「WEST. LIVE TOUR 2026」「Y1M2」「0423」などと記されたハイウェイの路上看板が設置されている。7人がバンに乗り込み、ガレージを飛び出すオープニング映像を経て、いよいよライブが開幕。はじめに結論から書いてしまえば、全編を通して、WEST.の唯一無二さが遺憾なく発揮されたライブだった。
次から次へと繰り広げられるWEST.流のエンターテインメントショー。具体的に挙げていくとキリがなくなってしまうが、たとえば、さまざまなアーティストから提供された多様なジャンルの楽曲たちを、次々とWEST.のライブ表現へ昇華させながらエンターテインメント度マックスのショーへと結実させていく展開は、彼らの存在が唯一無二たる最たる理由だと思う。「ウェッサイソウル!」(作詞・作曲:ウルフルズ・トータス松本/サウンドプロデュース:ウルフルズ)、「踊るしかないじゃん!」(作詞・作曲:Lucky Kilimanjaro・熊木幸丸) 、「リプライ」(作詞・作曲:SUPER BEAVER・柳沢亮太)、「虹をかける僕ら」(作詞・作曲:Saucy Dog・石原慎也)、重岡大毅・濵田崇裕によるユニット曲「スピン」(作詞・作曲:wacci・橋口洋平)、中間淳太・神山智洋によるユニット曲「JAPALOUD」(作詞・作曲:Wienners・玉屋2060%)ーーここで挙げたのは最新アルバム収録曲から披露されたナンバーだが、ここに歴代の楽曲も加わることで、総体的に、かつてなくバラエティ豊かなセットリストになっていた。アイドルとしての矜持を胸に、多様なジャンルを果敢に越境しながら表現の幅と奥行きを拡張し続ける彼らは、さまざまなアイドルグループが存在する現行の音楽シーンにおいて間違いなく“唯一無二”な存在。改めて、そう強く思う瞬間が何度も訪れるライブだった(WOWOW×WEST.による音楽番組『WESSION』を通した出会いや経験が、昨今の7人の音楽表現の進化に繋がっているのは間違いないだろう)。
また、今回のライブにおいて屈指の存在感を放っていたのが、メンバープロデュースの新作コント(自称:ミュージカル)『俺たちのTrue Love Story ~episode.1〜』 を披露する一連の流れだった。メンバー自身がコントの企画・構成・演出を行ったのは、2019年の『LIVE TOUR 2019 WESTV!』以来7年ぶり。途中でいくつかの楽曲が披露されるミュージカル形式ではあるものの、このコーナーにおいてメインとなっているのは直球のお笑いコントだ。これほどまでに愚直に観客を笑わせることに徹するアイドルグループは言うまでもなく稀有だし、何より、このコントを何一つ不思議な表情を浮かべず受け入れている観客たちもまた唯一無二である。
他にも、今回のツアーでライブ初披露となった「大阪とんとんダンス」におけるステージ機構のリフターの使用方法(楽曲の展開に合わせて一人ずつ上がったり下がったり、または、頭だけ出たりする演出)をはじめ、WEST.の唯一無二さが前面に押し出されていたシーンは数え切れないほどあったが、今回のライブにおいて特に象徴的なシーンを飾っていたのが、重岡が作詞・作曲・振付を手がけたアルバムリード曲「これでいいのだ!」だった。ファンの「これでいいのだ!」コールに合わせたヒーローダンスは屈指のハイライトになっていた。〈見せてあげようぜオンリーワン!/何がなんでも これでいいのだ!〉という渾身のパンチラインは、音源で聴く時以上の輝きを放っていたように思う。