AiScReam ソロインタビュー Vol.1:大熊和奏「これは当たり前じゃない」 「愛♡スクリ~ム!」のバズを経た大きな変化

バズ前後で変わった反響の大きさ、『Venue101』『FNS歌謡祭』など大型番組の手応え

――先ほど、降幡さんの声が鍵になっていたというお話もありましたが、ここまで広がった理由はどこにあると感じますか?

大熊:大きな要因としては、やっぱり“声の強さ”があると個人的には思います。加えて“かわいい”という感覚そのものが国内外に浸透しているタイミングで、この曲が届いたことも作用したのかなって。日本語の“かわいい”という響き自体が海外でも受け入れられている、という話を耳にする機会もあって、その流れの中でこの曲が刺さったのかな、と考えています。あと、〈何が好き?〉の答えの部分は置き換えがしやすいですし、翻訳しても応用しやすい形になっていると思います。替え歌を作りやすかったり、名前の部分を差し替えられたりと、遊び方の幅が広いことが、いろんな層に届いていくきっかけになったのかなと感じています。

――その中でも、特に楽曲のどの要素が広い層に刺さったと考えていますか?

大熊:入口のインパクトという意味では、やっぱりルビィちゃんの声の強さが大きいと思います。声の個性が際立っているからこそ、「真似してみたい」「誰かに見せたい」という気持ちに繋がったんじゃないかなと感じています。それに加えて、セリフパートが入っている楽曲の構造も新鮮ですよね。アーティストさんの曲だと、セリフを入れること自体が難しい場合もあると思うんですけど、私たちはキャラクターを背負って歌う立場なので、“声”と“言葉”を前提にした面白さを作れるんです。ポップでキャッチーな曲調の中で、声優としての強みがそのまま引っかかりになったことも、広がり方に繋がった理由のひとつなのかなと思います。

AiScReam『愛♡スクリ~ム!』Official Lyric Video

――反応が少しずつ変わっていくのは嬉しい反面、広がり方のスピードに気持ちが追いつかない瞬間もありそうだなと思いました。

大熊:不安が先に立つというよりは、まずは曲そのものを楽しんでもらえたら、という気持ちが大きかったです。忘年会や飲み会で替え歌として使ったり、コールで盛り上がったりしている人もいるそうで(笑)。そういう自由な楽しみ方も含めて、受け取ってくれる人それぞれの形で遊んでもらえたら嬉しいなと思っていました。結果的に、いろんな場面で使える用途の広さが、この曲の強みになっていたんだと、あとからしみじみ感じたところもあります。

――楽曲が発表された当初から、ここまでの可能性は見えていましたか?

大熊:いえ、最初はここまでの広がりはまったく想定していませんでした(笑)。スタッフさんと「サビのフレーズが広がったら面白いよね」と話していたことはあったんですけど、実際に広がったのは少し違うポイントで。だからこそ、「狙った通りに当たる」というより、その時の空気や受け取り方で思わぬ形に育っていくものなんだなって。私たち自身も、力みすぎずに出せたぶん、聴いてくださった方がそれぞれのやり方で自由に楽しめたところがあったのかもしれません。

――『LoveLive! Series Asia Tour 2024 ~みんなで叶える物語~』で初めて楽曲を披露した時の会場の空気や手応えはどうでしたか?

大熊:率直に言うと、当時はまだラジオを聴いてくださっている方はそこまで多くないのかもしれないなって不安だったんです。知っている方はしっかり反応してくださる一方で、会場全体の手応えは控えめで、少しアウェイに近いような空気もあって……。「AiScReamです」と名乗った瞬間の温度感も含めて、まだ浸透しきっていないことを肌で理解した感覚でした。ただ、〈何が好き?〉のコールでルビィちゃんの名前が返ってきた瞬間は、今でも強く覚えています。だからこそ、その反応が余計に嬉しかったんですよね。2日目はユニットの存在が少しずつ認知されて、参加してくださる空気が増した印象がありました。

#AiScReam 「愛💛スクリ~ム!」

――楽曲がバズったことによって、その後も『AiScReam presents TOPPING LIVE とけちゃう前に会いに来て♡♡♡』の開催や、ほかにも数多くのイベントに出演しましたが、その後のステージでの反響はいかがでしたか?

大熊:2024年の夏頃にLiella!内のユニット・5yncri5e!としてユニットライブに出演させていただいたことがあったんです。大阪と福岡をまわったのですが、福岡公演のお見送り会の時に、AiScReamという名前が決まったばかりタイミングで「AiScReam、応援してるよ!」と声をかけてくださった方がいらっしゃって。当時はまだ曲も制作途中で、ユニットとしての活動も「期間限定で活動します」とお伝えしてから間もない頃でした。だからこそ、「どうしてあんなに気にかけてくれたんだろう?」と驚いたのを覚えています。今でもその方の顔ははっきり覚えていますし、ここまで状況が変わった今、あの方がどんな気持ちで見てくださっているのか、ふと考えることがあって。だからこそ、心の中では「あなたが一番目だよ」と伝えたいです(笑)。

――『Venue101』(NHK総合)、『2025 FNS歌謡祭』第1夜(フジテレビ系)、『ハマダ歌謡祭★オオカミ少年』(TBS系)、『明石家紅白!』(NHK総合)、そして年末の『第9回 ももいろ歌合戦』出演など、大型番組やイベントで披露する機会も増えましたが、テレビや大きなステージで届けた手応え、印象に残っている反応はありますか?

大熊:バラエティ番組は特に、共演者の方々の層の厚さに圧倒される場面もありました。ただ、先輩方が空気を作ってくださって、私たちは普段のテンションに近い形で臨めたと思います。曲だけ知っている方にとっては、私たちがどう話すかまでのイメージはないはずで、そのギャップ自体が新しい接点になっていると感じました。楽曲の“かわいさ”が先に届いている状況だからこそ、トークを通じて別の側面が伝わることもあるなって。そういう意味でも、番組出演は貴重な経験になりました。

――『YouTube Fanfest Japan 2025』出演時の「愛♡スクリ~ム!」の動画では、大熊さんが崩れ落ちていたシーンもコメント欄などで話題になっていましたね(笑)。

大熊:皆さんがあまりにも面白くて(笑)。はじめしゃちょーさんの“家改造”から入って平成フラミンゴさんの“横浜家系ラーメン”と、ちゃんと自分の好きを言い切ってくださったのが、すごくよかったんです。私自身YouTubeが大好きなので、フィッシャーズさんやはじめしゃちょーさん、平成フラミンゴさんなど、いろんな方が参加してくださったことも純粋に嬉しかったですし、飾らずに好きなものを話してくださる感じが、すごく素敵だなと思いました。

AiScReam「愛♡スクリ~ム!」YTFF Japan 2025 スペシャルVer.

――番組ではいろんな派生やアレンジもありましたが、印象に残っている〈何が好き?〉はありますか?

大熊:『めざましライブ2025』でA.B.C-Zの五関晃一さんが披露した「知ってるくせに、あ・な・た」は、特に印象に残っています。あのレベルのアレンジは、なかなか見ないと思います(笑)。

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