Liella!、2025年は拡張と進化の一年に――『OPEN THE G☆TE!!!』が描く未来、11人で立つライブへの想いに迫る
『ラブライブ!スーパースター!!』から生まれたグループ・Liella!が、来年開催となる7thライブに向けたテーマソングCD『OPEN THE G☆TE!!!』を11月5日にリリースした。
2025年のLiella!は、さまざまな会場での公演が続いた“ライブ尽くし”の1年だった。各地での経験はステージ上の表現の幅を確実に押し広げ、フェスへの参加や初の地上波冠番組『Liella!のちゅーとりえら!!』を通じて、活動のフィールドはより多層的かつ立体的になっている。ライブを中心に熱量を育てながら、メディア露出の広がりによって新たな層へ届いていく――まさに“拡張”が可視化された1年と言えるだろう。
今回のインタビューでは、今年経験したステージでの忘れられない瞬間や、活動の中で浮かび上がってきた変化、そして7thライブテーマソング『OPEN THE G☆TE!!!』と向き合う中で得た手応えについて深掘りしていく。さらに、その先に見据えるグループの未来やライブに託す想いを、ペイトン尚未、大熊和奏、薮島朱音の3人に語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
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「この11人で励まし合いながらライブをできたことが本当によかった」
──TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期の放送が終了したのが昨年末のこと。年明けからは『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 6th LoveLive! Tour ~Let's be ONE~』(以下、6thライブツアー)を筆頭に、Liella!はライブ尽くしの1年だった印象が強いです。ここまでを振り返ってみて、この2025年の経験からどんなことが得られたと思いますか?
ペイトン尚未(以下、ペイトン):率直な気持ちとしては、ライブがない今の期間が信じられないくらい上半期はライブがたくさんあって、すごく充実した日々を送っていたなと思います。その中でも、特にLiella!がこのメンバーでよかったなって思う瞬間が何度もあって……もしひとりで舞台に立っていたら、きっとこの半年間は乗り切れなかったと思うくらいやることも多かったですし、難しい挑戦もたくさんありました。でも、この11人で励まし合いながらライブをできたことが本当によかったなと思います。
──Liella!は5人からスタートして、そこから少しずつ人数が増えていき、現在の11人となりました。やっぱりステージに立つ感覚も、以前とは異なるんでしょうか?
ペイトン:それこそ今年の夏は1期生5人でのリバイバルライブ(『ラブライブ!スーパースター!! Liella! First Generation LoveLive! ~Wonderful Starlines~』)も開催させていただいたんですけど、その時に強く感じたのが11人になった時の心強さ。もちろん、5人だけだと心強くないわけではありませんが、パッと視界に入ってくる人数が11人だと5人の倍以上なので、メンバーと目が合う瞬間もすごく多いんです。そのたびに目が合ってニコッと笑ってくれるので、安心感が大きくて。
大熊和奏(以下、大熊):私はTVアニメ2期から加入して、ライブも『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~』からの参加だったんですけど、当時の映像を観返すと私も含めて2期生みんなの顔が全然違って、本当に初々しいんですよ(笑)。でも、今年の6thライブツアーを終えた今はみんな勇ましくなっていて。TVアニメ3期の第12話では1期生が卒業したんですけど、周りのキャストの顔を見ると「まだまだ終わらないぞ!」っていう決意が伝わってきたので、そこは嬉しかったですね。
──2期生の皆さんが加入してから、だいぶ経ちますものね。
薮島朱音(以下、薮島):もう3年くらい?
大熊:早いねえ。でも、まだ3年なんだっていう。そう考えたら、いろんなことが凝縮された3年でしたね。
──確かに、過去の映像を観返すと、皆さんの顔つきが全然違いますものね。
大熊:場数って人を育てるんだなと思いました。加えて、応援してくれる皆さんがいてくれたから、私たちはずっとステージに立っていられたし、いろんな経験もさせてもらえたので、本当にありがたいです。
薮島:6thライブツアーは11人それぞれにとっても、特に思い入れが強いライブだったと思いますし、TVアニメ3期を背負ってのライブはどこか楽しいだけじゃない、緊張感や不安もあって。今後のことを考えるようになってから、「これが終わったら、Liella!自体も終わってしまうんじゃないか」とか、少しネガティブになってしまったんですけど、実際に終えてみると来年の『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 7th LoveLive! ~Fly! MUSIC WORLD♪~』(以下、7thライブ)も決まり、ちょっと肩の荷が下りて解き放たれたところもありました。なので7thライブはとにかく楽しくやりたいですし、“新しいLiella!”っていう言い方が合っているのかちょっとわからないんですけど、また違ったLiella!を見せることができるのかなと思っています。
ステージで交錯した想い――「始まりは君の空」がくれた気づき
──今年経験したステージの中で、皆さんにとって忘れられない瞬間や思い出に残っているパフォーマンスを挙げるとすると?
ペイトン:ちょうどこの2人(薮島、大熊)にも関連した話題なんですけど、6thライブツアーの千秋楽(6月14日の大阪城ホールでの大阪公演)ですね。本編最後の「始まりは君の空 ~11 Ver.~」を歌い終わる直前……その瞬間にこの楽曲は平安名すみれにとっては高校生として、スクールアイドルとして歌う最後の曲なんだっていう事実に気付いて。そこで涙が込み上げてきちゃって、この2人に背中をさすられながら歌ったんです。あの時は「後輩に背中をさすられながら歌ってる先輩、情けないな」と思ったんですけど、2期生もこれから3年生になるっていう顔付きをしていたからすごく心強くて、2期生や3期生の未来がすごく楽しみだなと思えたんです。すみれの気持ちとリンクできた、千秋楽のあの「始まりは君の空 ~11 Ver.~」は忘れられないですね。その節はありがとうございました(笑)。
大熊:こちらこそありがとうございました(笑)。私は6thライブツアーで披露した「Bubble Rise」です。私は、そのあとで披露される「Special Color」をセンターステージで歌ったんですけど、出番を待っている間に「Bubble Rise」をパフォーマンスしているところを観ていて。その瞬間だけは「Liella!のライブってこんなふうに見えているんだ、『ラブライブ!シリーズ』ってこんな感じなんだ」って、自分が客席のど真ん中で観ているような感覚になれたんです。それと、「Special Color」と「Bubble Rise」は結構対照的な楽曲なので、ステージに立つ立場としてもそのあたりを意識しなきゃいけないと思って、ちゃんと毎公演見ていました。その中で「Bubble Rise」を歌う3人(伊達さゆり、結那、坂倉 花)の成長が本当にすごいなって思ったし、公演を重ねるごとに歌い方や表情、体の動かし方もどんどん変わっていって。それを観て、自分も頑張らなきゃいけないっていうプレッシャーを感じた曲でもありました。あの時だけはライバル的な目線で、「すごくいいな」という想いと「負けたくない」っていう気持ちがあったのかな。
薮島:私は1期生のリバイバルライブですね。あのライブを観た時に、まだお客さんの声出しがNGだった『ラブライブ!スーパースター!! Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~』を2期生4人で観たことを思い出して。ライブ自体はすごく楽しかったんですけど、当時はまだ自分に自信がなかったので、「私たちはこの5人の中に入っていくんだ」っていう不安や恐怖もどんどん芽生えてきて……そういう、あの頃に感じた想いがよみがえってきました。でも、その苦しかった気持ちを抱えた自分がいたからこそここまで頑張れましたし、その結果、今の自分があると思うので、Liella!として自信を持ってステージに立っている今の自分のことを当時の自分に教えてあげたいなって、今回のリバイバルライブを観て強く思いました。
──2025年のトピックとしては、今春に放送された初の地上波冠番組『Liella!のちゅーとりえら!!』(日本テレビ系)も忘れられません。
薮島:放送されるまでは私たちも手応えというか、どうなるかがわからなかったので、皆さんから「良かったよ、面白かったよ」っていう反応をいただいてようやく安心したというか。やってよかったなと実感できました。
大熊:だって、初回から台本通りじゃなかったし(笑)。
ペイトン:そう! 「これがバラエティか」っていうね(笑)。
薮島:何が正解なのかもわからなかったし。
ペイトン:でも、MCのタイムマシーン3号のお二人にたくさん助けていただきましたし、番組スタッフさんに面白く編集していただいたおかげで、ちゃんとバラエティ番組として成立できたのかなと思います。