Mrs. GREEN APPLEはいかにして国民的バンドとなったのか? フェーズ2での前人未到な快進撃を総括

 Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)が、2025年12月31日をもって“フェーズ2”を完結。2026年1月1日より“フェーズ3”を開幕することを発表した。

 今年7月8日にデビュー10周年を迎え、全楽曲での国内累計ストリーミング数が100億回を超える史上初のアーティストにもなったミセス。本稿では、国民的バンドへの階段を駆け上がっていった彼らの、フェーズ2の快進撃を振り返っていきたい。

華々しいフェーズ2開幕から積み上げてきた“史上初”の快挙

 2022年3月18日、約1年8カ月ぶりの新曲「ニュー・マイ・ノーマル」のリリースとともに、ミセスの“フェーズ2”は開幕した。休止期間を経てどのような楽曲が届けられるのか――多くの人が想像を巡らせていたかと思うが、カラフルなサウンドの「ニュー・マイ・ノーマル」はいかにもミセスらしく、待っていたファンへの感謝と再始動の覚悟が伝わってくる作品だった。同年7月8日には4thミニアルバム『Unity』をリリースし、同日にワンマンライブ『Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia”』を開催。ファンと再会の喜びを分かちあった。

Mrs. GREEN APPLE「ニュー・マイ・ノーマル」Official Music Video

 2023年4月にはテレビドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)の主題歌「ケセラセラ」を発表し、同曲も収録された5thアルバム『ANTENNA』が7月にリリースされた。「ケセラセラ」は日常に寄り添う応援歌として人気を集め、年末の『第65回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)にて大賞を受賞。この年、念願だった『第74回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たした(歌唱曲は「ダンスホール」)。

Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」Official Music Video

 音楽シーンでの存在感が強まっていくと同時に、ライブの規模も拡大していった。2023年はアリーナツアー『Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR 2023 “NOAH no HAKOBUNE”』の後、8月に埼玉・ベルーナドームにて初のドームライブ『Mrs. GREEN APPLE DOME LIVE 2023 “Atlantis”』を開催。2024年7月には兵庫・ノエビアスタジアム神戸と神奈川・横浜スタジアムにて、日本のバンドとしては史上最年少でのスタジアムツアー『ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜』を成功させた。アリーナ、ドーム、スタジアムという着実なステップアップは、ミセスの音楽を求める人が増え続けていることを物語っていたと思う。さらに、2024年10月~11月にはKアリーナ横浜にて、同会場では初となる10日間にわたる定期公演『Mrs. GREEN APPLE on “Harmony”』を開催。“史上初”や“規格外”といった言葉が似合うバンドに育っていった。

Mrs. GREEN APPLE – ANTENNA 【LIVE “Atlantis” on WOWOW】
Mrs. GREEN APPLE – ライラック【LIVE from ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜】
Mrs. GREEN APPLE – ライラック(第66回 輝く!日本レコード大賞受賞曲)【LIVE from “Harmony”】

 2024年は、怒涛の5カ月連続新曲リリースが行われた年でもある。なかでも、テレビアニメ『忘却バッテリー』(テレビ東京系)のオープニングテーマとして書き下ろされた「ライラック」はミセスの原点とも言えるギターロックで、“ミセス史上最高難易度のギター”と称された難解なギターフレーズも含めて話題となり、前年に続き2年連続でレコード大賞を受賞。MTVジャパン主催の音楽アワード『MTV Video Music Awards Japan 2025』(MTV VMAJ)でも「Video of the Year」(最優秀ビデオ賞)を受賞し、ほかの受賞作品とあわせて史上初の2年連続4冠という快挙も成し遂げた。

Mrs. GREEN APPLE「ライラック」Official Music Video

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