MAZZEL、全国ツアー『Royal Straight Flush』に溢れる大歓声と笑顔 ピースフルな空間で見せつけたグループの強み
BMSG所属のボーイズグループ・MAZZELが、『MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”』のファイナル公演を8月23日、24日に東京・有明アリーナで開催した。本記事では23日の模様をレポートする。
1st EP『Royal Straight Flush』のリリースに伴い、4月23日開催の神奈川・カルッツ川崎公演を皮切りに全国10都市17公演を巡る二度目の全国ツアー。その終着点となる有明アリーナには、期待に胸を膨らませたMUZE(MAZZELファンの名称)が集結。開演前からBGMに合わせて手拍子が始まったり、歓声が沸き起こったりと、ライブに向けて熱量が高まっていくのが伝わってきた。
会場が暗転すると、悲鳴のような大歓声に迎えられ、8人のメンバーが姿を現した。ライブの幕開けは「J.O.K.E.R.」。初っ端から最強のカードを切った8人は、一糸乱れぬエネルギッシュなダンスと、世界を挑発するようなボーカルで、頭上で光るシャンデリアにも負けない輝きを放つ。SEITOが得意のブレイキンを鮮やかに決めると、ワッとさらに大きな歓声がアリーナに響きわたった。
「Counterattack」「Waterfall」を続けて投下。RANの「最初から100%以上で行くぜ!」という言葉通り、8人のボルテージはすでに最高潮。RYUKIは火力の高いパフォーマンスでアリーナ中の視線を攫い、HAYATOは長い手足を活かしたしなやかなダンスで魅せ、NAOYAは妖艶な表情でオーディエンスの心を射抜く。続く「Vivid」「CAME TO DANCE」では二手に分かれてトロッコに乗り込み、会場を周回。広大なアリーナに集結したMUZE一人ひとりと視線を合わせようとするかのように、丁寧に手を振り、優しい笑顔を向けるメンバー。クールにキメたオープニングとは打って変わって、彼らの人柄が滲み出た温かい雰囲気になった。
最初のMCでは、満員の客席を見て「人がいっぱいいる!」「これが全員MUZEってすごいよな!」とまるで少年のように瞳を輝かせながらはしゃぐ8人。その後もワチャワチャしたトークを展開していたが、NAOYAが突如「可愛いチャージしてきまーす」とステージ袖に消えたのをきっかけに、他のメンバーも「イヤモニの調子が悪い」「疲れた」「甲子園の録画が気になる」などの理由で続々と一時退場。RYUKI、TAKUTO、KAIRYU、SEITOの4人が残されると、なぜかTAKUTOが、センターステージで待つRYUKIの元へダッシュする流れに。「走ってるところ初めて見る」とメンバーから言われていたTAKUTOだが、気合いの入ったクラウンチングスタートで花道を走り抜け、そのままRYUKIを思い切りハグ。続いて、両手を広げて待つKAIRYUの元へ、「ハグはせぇへんからな!」と宣言しつつSEITOがダッシュ。するとKAIRYUが逃げ、まるで追いかけっこのようになるが、最後はSEITOがKAIRYUを後ろから押し倒すようにして確保。メンバーの仲の良さがダイレクトに伝わるやり取りに、会場は歓声と笑い声にあふれていた。
ライブの中盤では、ユニット曲でMAZZELの個性を爆発させる。まずはキラキラ輝くティアラとお揃いのベビーピンクの上着で登場した、HAYATOとNAOYA。まるで双子のような華やかな出で立ちで披露したのは、ポップでキュートな「to me」。曲中に突如「なおが世界で一番可愛くてどうしよう?」「HAYATOも一番だと思うけど」と張り合いが始まり、“可愛い対決“をすることに。HAYATOは猫耳ポーズでウィンク、NAOYAは投げキッスと、完璧に可愛い顔をカメラにアピール。最終的には「MUZEが一番可愛い!」という結論に行きつき、最高にピースフルな空間を作り上げた。
「I'm yours, You're mine」は、KAIRYU、RAN、TAKUTOによる愛に溢れたバラードソング。たった一音で聴く者をハッとさせるKAIRYU、伸びやかな高音で酔わせるRAN、どっしりとした安心感のあるTAKUTO。3人の歌声が混ざり合って生み出される美しいハーモニーは、まさに極上の一言。曲の最中に自然と拍手が沸き起こるほど、歌で大きな感動を作り上げた一幕であった。
再び8人のステージに戻った後も、セクシーなチェアダンスを取り入れた「ICE」、狂気的な雰囲気を纏った「MAZQUERADE」と、曲ごとに多彩な世界観を存分に表現するMAZZEL。ライブの折り返し地点にあたる転換中には、メンバー自作の“MAZZELクイズ”を天の声が出題するなど、どこまでもMUZEを楽しませてくれる。
ライブの後半は、炎が噴き出すステージでの「Fire」からスタート。SEITOの低音ラップやKAIRYUの圧倒的な声量、TAKUTOの洗練された動き、EIKIの真っすぐに客席を射抜くような視線。MAZZELというグループが持つ勢いや熱量の高さをそのまま表現したような情熱的なパフォーマンスに、ボルテージはどんどん上がっていく。勢いをそのままに、「K&K」では花道を練り歩き、センターステージへ。カラフルな8人だが、グループとしての一体感もすさまじく、息の合ったパフォーマンスでオーディエンスの胸を揺さぶっていく。
ここで、SEITO、RYUKI、EIKIによるロックナンバー「HERO SUIT」を投下。疾走感溢れるメロディーを力強く歌い上げ、ヘッドバンギングを繰り広げる3人は、まさに物語の主人公のようなカッコよさだ。熱い歌とパフォーマンスで、高らかにハンズアップするMUZEの背中をそっと押す。曲の後半では、会場全員で声を合わせてシンガロング。アリーナ中を包み込むあたたかい声に、3人の笑顔が零れた。
「何回笑われた? 何回馬鹿にされた? あの頃の俺たちへ、デビュー2年で2年連続アリーナ立ててるぞ! 俺たちがありのままに音楽を届けることができるのは、間違いなく目の前にいるあなたのおかげです。MUZE、ありがとう! 愛してるぜ!」。そうSEITOが心からの思いを叫ぶと、MAZZELの始まりの曲「MISSION」へ。気迫に満ちたパフォーマンスからは、8人の確かな覚悟が伝わってくる。その覚悟を今へ繋ぐのは、最新曲「DANGER」。ライブで披露するのは、本公演が初。イントロからこの日一番の歓声が沸き起こり、終わった後も拍手が鳴りやまなかった。そして、回るミラーボールと共にギラついたステージを届けたパーティーチューン「King Kila Game」、ハードなダンスナンバー「Parade」で一気に駆け抜けていった。
息つく間もないほどのセットリストで畳みかけた熱いライブもついに終盤へ。この日は、RANの23歳の誕生日当日ということで、開演前の注意事項のアナウンスや“MAZZELクイズ”の天の声を務めていたアルコ&ピース・平子祐希からのビデオレターが投影される。さらに、BMSGの代表であるSKY-HIがサプライズ登場。RANは驚きつつも、嬉しさのあまりプレゼントされたジャケットをその場で羽織り始める。そして、「20歳の誕生日は『MISSION×2』の大阪合宿の最中でみんなに祝ってもらって、まさかアリーナで、MUZEのみんなの前で祝ってもらう日が来るなんて思ってもいませんでした。こんなに大きくなれたのも、社長を含めBMSGのスタッフのみなさん、メンバーのおかげです」と心からの感謝を伝えた。
リーダーのTAKUTOも「こんなに素晴らしい事務所で、素晴らしい仲間やスタッフと一緒に幸せな音楽活動を続けていられてるのは当たり前じゃない。最近はフェスやYouTubeで知ってくれた人もいて、MAZZELの見つかり方が増えてきたなと感じています。MUZEのみんなが輪を広げてくれたからこそ、僕たちも大きくなっていけるし、のびのびと好きなことをやれています。みんなに会える機会は僕にとって一番幸せな時間だと今日改めて思いました。MAZZELはこれからも、かっこよく、可愛く、面白く、色んなジャンルでたくさんの方に届けていくので、これからもついてきてくれたら嬉しいです」と今の思いを言葉にする。
そしてEIKIは、「『Royal Straight Flush』は、8人の個性を活かして戦って、最強の切り札になっていくぞというテーマで回ってきました。自信がないあなたのことも全部包み込んで、僕たちが一緒に世界に向けて戦っていきたい。これからもっとMAZZELらしさを世界に証明していきます。MUZEと一緒だったらどこまでも行けるって本気で思ってます」と力強く未来への野望を語り、「大好きなMUZEに向けて歌いたいと思います」という紹介から「Love Letter」へ。愛と優しさに満ちたバラードソングだ。EIKIは曲の合間にも、「ずっとこの8人で、大好きなMUZEを幸せにできますように」と静かに祈るように呟くのだった。
いよいよライブもラストスパートへ。「Our Life Is Always Right」で「MUZEに会いたい!」と言いながら8人は再びトロッコに乗り込み、至近距離から「ありがとう!」と口々に感謝の思いを伝える。アリーナの後方でトロッコが繋がり、一つの大きなステージになると、肩を組んで寄り添うメンバー。「愛してるよ!」と誰からともなく自然と口にする、幸福感に満ちた空間ができあがっていた。そしてラストは、「King Kila Game」と「J.O.K.E.R.」のmashupトラック。感動に浸る会場を再び興奮の渦に巻き込み、火花の特攻が噴き出す中、最後まで高揚感に満ちたパフォーマンスを届けた。
2ndツアーの終着点にふさわしい熱狂と感動に包まれた有明アリーナ。8人はそれぞれの武器を磨き上げながらも、グループとしての一体感を強固なものにし、MUZEとの絆も深めた。まさに無敵状態のMAZZELは、これからさらなる飛躍を遂げるに違いない。そう確信する一夜となった。