Stray Kids、なぜ彼らの日本語歌詞は胸に響くのか バイラルソング「Hollow」から伝わる音楽への探究心
歌詞にも触れておきたい。「Hollow」という単語の意味を知らなくても、その意味が想像できる日本語を選んでいることに加え、メッセージ性もしっかり表現している。「Hollow」は、直訳すると“空洞”や“虚ろ”という意味だが、その状態を彼らは“満足できない”“どんな言葉も足りない”という言葉で表現しているようだ。特筆すべきはその物語性だ。曲の冒頭で〈目もくれず 前見て走ってきた〉と、これまでの自分を肯定した中で、自問自答し現状を客観的に表現しながら〈どんな場所にいても孤独になる〉と本音を吐露し〈誰か 想い満たして 渇き癒して〉と弱音ともとれるような心情を赤裸々に言葉にしている。
彼らが本曲で描こうとした“渇望”の中には、彼らの核になる部分が見えてくる。それが“探究心”だ。求め続けているからこその渇望、なのである。自己プロデュースを続け、既出にあるような記録を作った彼らのエネルギーの根源は、あくなき探究心だ。探究し、作品を生み出すには、己と対峙し続けなければならない。そこにはいつも孤独と葛藤がつきまとうはずだ。彼らはその葛藤の中での感情の揺れを自分たちの言葉で描写している。だからこそ歌詞やボーカルの一言一句が日本語として響いてくる。言葉数を抑え、音数を削ぎ落とすことで、彼らの伝えたい想いがくっきりと浮かび上がった――そんな曲だからこそ、リスナーの中にある“普段は気が付かない渇望”を意識させ、スッと心に入り込んだのだろう。とても、自然に。
※1 https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2025-07-02

























