白濱亜嵐が実現させた“6人でカッコよく踊るGENERATIONS” デビュー当初の経験も活きたプロデュース楽曲に

全員がプロデュースを務める「PRODUCE 6IX COLORS」で掴んだ感覚

――メンバーが作曲に挑戦するのと同じように、亜嵐さんも昨年の12カ月連続リリースやアルバム制作など、音楽プロデューサーとして日々挑戦されていますが、「PRODUCE 6IX COLORS」を制作する中でご自身の進化を感じる瞬間はありましたか?

白濱:進化というか……ソロをやったことで、曲を制作してリリースするまでに必要な作業とか、必要経費が大体わかるようになったなっていうのを実感しました。

――現実的だけど、大事なことですよね。

白濱:ファンの人にとっては夢のない話かもしれないけど、「このクリエイターに依頼するなら、このくらい予算が必要だな」とか「この時期にリリースするなら、このペースで制作して納品すればいい」といったことがわかってないと、制作が滞るんですよ。なおかつ、先にそういったタスクを全部処理してから、クリエイティブな作業に取り掛かるのが自分のベストなやり方だっていうのもわかったので。それらを踏まえて「Two Steps Back」に取り組めてよかったです。

――ヒットの秘訣みたいなものも、昨年1年で掴めたのでは?

白濱:こうやったら、こうウケるんだろうなっていうのを想像できるようにはなりましたね。逆に、こうやったらスベるんだなっていうのもわかったし……(笑)。スベる感覚がわかったからこその“ヒットを狙ったアプローチ”を詰め込んだのが、「Two Steps Back」でした。

デビュー当初の経験が思わぬ形で活きることに

――では「Two Steps Back」に話を戻して。Shintaro Yasudaさんに細やかなレシピを投げて、届いた料理の味はいかがでしたか?

白濱:僕好みの味に仕上がってました! とはいえ、ただレシピ通りに作るんじゃなくて、Shintaroのエッセンスも存分に入ってて。“テンテンテンテテンテテン♪”っていう印象的なフレーズもShintaroが入れてくれたものですし、「こう来るんだ!」って驚かされる部分が多かったですね。キャッチーなメロディラインを作ってくるなぁって思いました。

――でもそこで満足せずに、ギリギリまで粘って試行錯誤するのが、クリエイター・白濱亜嵐(笑)!

白濱:そうなんですよね~(笑)。制作期間中にShintaroが日本に来るタイミングがあって、一緒にスタジオに入った時に加わった要素もたくさんありました。例えば、イントロに入れたラジオは、サブスクで聴いた時に、最初で掴めないとちゃんと聴いてもらえないから掴みとして入れたものですし。「ラストサビで転調しよう」っていうのも、僕がスタジオで提案したことなんですが、全編英詞で、ループする中で展開をつけていく“THE 洋楽”の曲なのに、最後だけ“THE J-POP”の手法であるラストサビの転調が入るっていう違和感が良いスパイスになるんじゃないかなと思って、最後の最後で変えました。

――ボーカルの歌割はお任せで?

白濱:歌割に関しては、いつもGENERATIONSのボーカルディレクションをやってくださっている方に、「キーが合う人にお願いしたい」とだけ伝えて決めてもらいました。なので、高いキーのところは高音が得意な(数原)龍友くんに歌ってもらってますし、逆に涼太はオクターブ下で歌ってる部分が多かったりして、2人の歌声の個性もしっかり感じてもらえると思います。ボーカルのおかげで、奥行きのある楽曲に仕上がりました。これまでもGENERATIONSのために楽曲を作ったり、ボーカルレコーディングに立ち会ったことはありますけど、改めて2人の歌声の魅力を発見する制作になりましたね。涼太パートだと〈When we hit that flow〉が分かりやすいと思うんですが、涼太は丸みのある声が特徴で、身長も高いから、胸の奥で響いているような低音が心地いいんですよ。龍友くんは歌うことに対してストイックなので、歌の基礎もテクニックもすごくあって。日頃からボーカルとしての2人を高く評価しているからこそ、ボーカルテクニックを存分に見せられる英詞でいこうと思ったりもしたし、今回はボーカルに引っ張ってもらったなという印象があります。

――今までのGENERATIONSの音源は「ボーカルがメッセージを届けている」という印象が強かったんですが、「Two Steps Back」では、ボーカルもトラックを構成する音色の1つとして存在している感じがしました。

白濱:それだけ、2人の声が曲に馴染んでるってことなんだろうなぁ……。正直、最初は全編英詞で歌うのは難しいかな? って思ったんです。いくらディレクションで外国の方に入ってもらうとはいえ、日本人が頑張って洋楽風に作りました! みたいな仕上がりになるんじゃないか? って心配だったんです。でも、GENERATIONSが過去にやってきたことが活きましたね。デビュー当初、なんで毎回シングルのカップリングに英語バージョンを入れてるんだろう? って、ずっと思ってたんですけど……。

――LDHアーティストの“デビュー初期あるある”ですね(笑)。

白濱:そういう風潮、ありましたよね? 後々、海外ツアー(『GENERATIONS from EXILE TRIBE WORLD TOUR 2017 〜SPEEDSTER〜』)をやったりしたので、そこに向けた布石だったんでしょうけど、当時は謎だったんです(笑)。だけど、あの経験がなければ、全編英詞でいこうって思わなかったかもしれないし、「Two Steps Back」が誕生しなかったかもしれないし……そう考えると、感慨深いものがあります。

「海外の人に『Two Steps Back』が見つかってほしい」

――ボーカルの歌い回しなどに関して、おふたりに直接リクエストしたことはありましたか?

白濱:プリプロは僕も行って、「ネイティブの人にも、ちゃんと聞き取れるように歌ってほしい」って伝えたんですけど、僕が口を出すまでもなく、ディレクション担当のネイティブの方が厳しくしてくださったのでよかったですね。フレーズごとに細かく指摘してくださったんですよ。少しでも違うニュアンスで歌うと、逐一「何言ってるかわからない」って言ってくださって。涼太は「いやぁ、大変でしたね!」って言ってましたけど(笑)、僕としては満足のいく仕上がりになって嬉しかったです。

――ちなみに、作詞作曲もボーカルも振付も、やろうと思えば亜嵐さん1人で全部できると思うんですが、その選択肢はありましたか?

白濱:初めは自分で作詞作曲して、歌も参加しようと思ってました。でも、作詞作曲は今回の企画じゃなくてもできるし。(佐野)玲於と僕でラップを入れて、4マイクでいく案もあったんですけど、「プロデューサーが出しゃばるのも、カッコよくないよなぁ……」と思って(笑)。今回はGENERATIONSのパフォーマーとして輝く姿を見てもらおうと、今の形にしました。振付は、「True or Doubt」の振付を作ってくれたMacoto(Rht.)くんに「サビの〈two steps back〉は同じ振りの繰り返しにして、見てる人の印象に残るようにしたいです」とだけオーダーして、あとはMacotoくんの感性のままに自由に作ってもらいました。

――第3弾リリースライブや音楽番組で「Two Steps Back」を披露されたのを拝見しましたが、衣装も新生GENERATIONSを象徴していましたね。

白濱:今回は衣装も僕が考えたもので、「スポーツミックスにジャケットを羽織った感じでいきたいです」ってスタイリストさんに相談して、用意してもらいました。こういう曲だから、コテコテのHIPHOPな恰好をしてもいいって思ったんですよ。全員タンクトップでもいいかなって(笑)。

――LDHっぽい(笑)!

白濱:タイトなパンツに、ピチピチの白Tとかね(笑)。それはさすがにみんな恥ずかしいだろうなと思ってやめましたけど、キャップかニット帽は絶対被ってほしいと思っていましたね。

――それはなぜでしょう?

白濱:音楽番組とかに出た時に、「顔は全然見えないけど、この曲カッコいい!」って思ってもらいたくて。全員、目が見えるか見えないかくらいのギリギリの位置で帽子を被ってパフォーマンスできたらいいなと思っていたので、実現して嬉しかったです。

――では最後に。先ほどおっしゃったように、サブスクで聴く人を意識してイントロや頭サビにこだわったのも、ヒットを意識したアプローチだと思いますが、そもそも亜嵐さんが考える「ヒットの基準」とはなんでしょうか。

白濱:今の時代、何をどうしたらヒットしてるのか、判断が難しいですよね。明確な基準はないなって思います。その上で僕個人としては、海外の人に「Two Steps Back」が見つかってほしいですね。先に曲が海外の人に見つかることで、GENERATIONSが世界的に注目されるようになったらいいなと思って、この曲を作りました。日本だと、GENERATIONSっていうグループの知名度が先行してたと思うんですけど、グループ名だけでは行き届かなかったところに、この曲で手を伸ばせたらいいなと。MVを海外の人にウケそうなアニメーションにしたのも、そういう想いからでしたし、昔日本で流行ったシティポップが今になって海外でバズったりするような時代なので、何かしらのキッカケでこの曲が多くの人に届くのを願っています。

GENERATIONS『Two Steps Back』

■リリース情報
GENERATIONS
4月7日(月)配信シングルリリース
白濱亜嵐プロデュース『Two Steps Back』

■関連リンク
公式アーティストページ:https://m.tribe-m.jp/artist/index/37
オフィシャルファンクラブ:https://gene.exfamily.jp/s/ldh04/?ima=0000
Instagram:https://www.instagram.com/generations_official/
X:https://x.com/generationsfext
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