櫻坂46、アルバム『Addiction』が首位 作品性重視、海外志向、攻撃性ーー切り拓く独自路線

CD Chart Focus

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2025-05-12/

 5月12日付(5月6日発表)のオリコン週間アルバムランキングによると、櫻坂46の『Addiction』が推定売上枚数173,392枚で1位を記録。以降、Kep1erの『<AGAINST THE WORLD>』が33,160枚で2位、シェリル・ノーム starring May’n、ランカ・リー=中島愛の『マクロスF オールタイムベストアルバム「娘々グレイテスト☆ヒッツ!」』が31,942枚で3位と続いた。

 今回取り上げるのは、1位を記録した櫻坂46の『Addiction』。2ndアルバムの今作は、2023年にリリースした5thシングル『桜月』以降の作品や新曲「Addiction」などが収録。櫻坂46としてはこれでアルバム2作連続、通算2作目の1位獲得となった。

櫻坂46『Addiction』クロスフェード

 今作は曲と曲の間にインタールードが挟まれているのが特徴で、いわゆる“アルバム聴き”を楽しめる1枚に仕上がっている。櫻坂46のような女性アイドルグループには珍しく、ただの既発曲の寄せ集めではない、アルバムというフォーマットの存在意義を強く意識した作品性重視の姿勢が見て取れる。たとえば「I want tomorrow to come」から「Start over!」への流れは、「I want tomorrow to come」の〈でも明日が来て欲しいんだ〉という未来を望むフレーズから、決意を固めるメッセージが歌われる「Start over!」へと繋ぐことで主人公の感情の遷移が浮かび上がる曲順だと言えるし、「TOKYO SNOW」から「UDAGAWA GENERATION」へ土地の名前を冠した楽曲で繋げるのも面白い。「油を注せ!」から「自業自得」の流れはサウンド的な高揚感もある。1曲1曲の完成度はもちろんのこと、曲と曲の繋がりや、その流れ、配置などにも重きを置いて聴くことができる。

 アルバム終盤には海外で活躍するDJ陣によるリミックスを収録。Ninajirachiによる「承認欲求」のダンサブルなリミックスや、devinによる「自業自得」の強力なリミックスなど聴きどころは多い。とりわけ「何歳の頃に戻りたいのか?」での〈世の中 舐めてるんだろう?〉の繰り返しなどに見られる、海外クリエイターだからこそのセンスに新鮮さが感じられる。海外でのライブ活動に積極的に励むなど、海外志向の強い現在の櫻坂46に相応しい作品だ。

櫻坂46『Sakurazaka46 Remixes』クロスフェード

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