RADWIMPS、2つの新曲「賜物」「命題」に秘められた問い 既存のフォーマットを更新し続ける挑戦的な姿勢
そして「命題」は、野田の言葉が真っ直ぐに突き刺さってくるロックナンバーだ。
『news zero』のテーマソングとして書き下ろされた同曲に対して、野田は「2025年を生きている僕らのドキュメントとして歌いました」とコメントしている。それはつまり、野田の現在の世界観（世界の在り方をどう捉えているか？）そのものだと言っても過言ではない。
世界に対する見方、捉え方が人によって大きく異なるのはご存じの通り。それはやがて大きな分断を生み出し、多くの人が“どちら側につくか”を強いられた挙句、解決の糸口などまったく見えないまま——まるでテレビのニュース番組が進行するように——次の話題へと移っていく。そんな状況を見据えながら野田は、〈「白」か「黒」かの二元論が横行 ゆらめきさえ許さず〉〈言葉に刃つき立ててぶん回すようなこの時代に〉といったフレーズを響かせる。その言葉は、聴き手それぞれの人生観や価値観と重なりながら、共感や反発、疑問や議論をたくさん生み出すことになるはず。根底には「優しいだけではない日々を少しでも楽しくしたい」という思いが込められているのだが（それを象徴しているのが〈希望ごっこ〉というワードだ）、野田は決して解釈を強要しているわけではなく、むしろ「この歌、どう思う？」と投げかけているのだと思う。さらに言えば、リスナーの思考を促そうとするスタンス自体が、RADWIMPSが報道番組のテーマソングを担当する意義につながっているのではないだろうか。
鋭さと強度を持ち合わせた歌詞を際立たせるアレンジも素晴らしい。Aメロでは歌とピアノが有機的に絡み合い、そこに濃密なベースラインと煌びやかなギターのフレーズが重なる。サビでは“美しい歪み”と称したくなるバンドサウンドが出現し、圧倒的なカタルシスへとリスナーを誘い込む。感情の爆発をギリギリのところで抑え、客観的な佇まいを維持したままで放たれる野田のボーカルも強く心に残る。
「生きるとは？」という根源的な問い、変化し続ける社会と向き合う真摯な態度、そして、既存のフォーマットを更新し続ける音楽的な挑戦。「賜物」「命題」の2曲に共通しているのは、20年の軌跡の中で培ってきた個性、そして、それを打ち破り新たな音楽観を目指す姿勢だ。“らしさ”と“新しさ”というアンビバレントな要素を共存させながら、20周年のアニバーサリーへと突入するRADWIMPS。そこで彼らは、これまでのキャリアの中でもっとも創造的で刺激的な音楽を表現することになるはず。そこで広がる光景を多くの音楽ファンとともに体感したいと思う。
◾️番組概要①
2025年度前期 連続テレビ小説『あんぱん』
2025年3月31日（月）より放送開始（全26週／130回）
NHK総合（月～土）午前8時／再放送 午後0時45分
BS/BSP4K（月～金）午前7時30分
◾️番組概要②
日本テレビ『news zero』
2025年3月31日（月）23:00より新テーマ曲「命題」の放送スタート
放送日時：23時00分～23時59分（月～木）、23時30分～24時30分（金）
◾️リリース情報
『×と〇と罪と』『絶体絶命』『アルトコロニーの定理』『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』『RADWIMPS 3 〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』
全5タイトルアナログリリース
※5作品ともに収録内容はCDと同様。
詳細：https://lnk.to/rad_lp2025
《第1弾》
RADWIMPS『×と◯と罪と』
2025年5月7日（水）発売
5,500円（税込）UPJH-20068/9 重量盤2枚組 / 33RPM
《第2弾》
RADWIMPS『絶体絶命』
2025年6月4日（水）発売
5,500円（税込）UPJH-20070/1 重量盤2枚組 / 33RPM
《第3弾》
RADWIMPS『アルトコロニーの定理』
2025年7月9日（水）発売
5,500円（税込）UPJH-20072/3 重量盤2枚組 / 33RPM
《第4弾》
RADWIMPS『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』
2025年8月6日（水）発売
5,500円（税込）UPJH-20074/5 重量盤2枚組 / 33RPM
《第5弾》
RADWIMPS『RADWIMPS 3 〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』
2025年9月3日（水）発売
5,500円（税込）UPJH-20076/7 重量盤2枚組 / 33RPM
