2025.04.23 19:00

三兄弟バンド・Gliiicoが語るライフストーリー　序章となる1stEP『The Oath』、最高の音楽を届ける“誓い”

文・取材＝小田部仁、写真＝KOBA

「メンバー全員“スタジアムスケールの音楽”を作りたいなって思ってる」（Kai）

ーー最近、故郷のカナダに久しぶりに帰って、制作をしていたそうですね。Gliiicoというバンド名の由来になったグリコカレーが売っていた『フジヤ』（3人は子どもの頃、極真空手を習っており、練習終わりにこの商店に通っていた）には行きましたか？　次の作品はどんなものになりそうでしょうか？

Kai：いや、行くチャンスはあったんだけど、今回は行けなかった。毎日桟橋に通って、カニ獲りに夢中になっていたから。あと、サッカーをずっとしてた（笑）。久しぶりの故郷はやっぱりよかったね。正直、湖で泳ぐとかぐらいしかやることないんだけど。

Kio：おばあちゃんの家のリビングにレコーディングセットを組んで制作してたんだけど、ほとんど音楽は作らなかったね（笑）。Nicoが3歳の時に弾いていたピアノがあって、それを弾けたのはかなりエモーショナルだった。

Kai：次の作品に関しては……メンバー全員“スタジアムスケールの音楽”を作りたいなって思ってると思う。

Nico：うん、そうだね。この5年ぐらい、ジムに習慣的に通うみたいに、毎日スタジオに入って何かを作り続けている。だから、すでにアルバムやEPを作るための曲はたくさんあるんだ。毎日制作していると、朝ごはんに何を食べたとか、星座の位置とか、なんかそういう細かな要素でさえ影響してくるから、もちろん奇跡みたいにいい曲も、そうでない曲もあるんだけど……。膨大にある曲を作品ごとのテーマに沿ってあとは整理するだけって感じだね。

Kio：アルバムに関しては単にいい曲を入れようと思っているわけじゃない、スケールで判断してる。単に完成度が高いとか、音が気持ちいいとかだけじゃなくて、より多くの人に届く作品を目指している。

Nico：ワインのようなもので、アーティストは誰しも“これは”っていう秘蔵の1本を隠し持っている。俺たちの地下室にはそんなボトルが何本も眠ってるんだよ。時が来たら——それをみんなと分かち合うんだ。