そして、今週注目したいのは「Winter Ahead (with PARK HYO SHIN)」のように首位獲得を虎視眈々と狙いながらチャート上位をキープし続けているぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬの「みむかｩわナイストライ」である。今週5位にランクインしたこの楽曲は、ボカロPのぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬが約1年ぶりの新曲として、ボーカロイドの初音ミクの歌声を用いて制作した楽曲である。楽曲名にもなっている「ナイストライ」とは、任天堂のレースゲーム『マリオカート』で下位をとってしまうと表示される「NICE TRY!」というメッセージに由来しており、ボカロPの子牛と南ノ南がマリオカートで下位になってしまったボカロPの榊みむに対して「みむかわ、ナイストライ！」と励ましたことが元ネタとなっている。

　タイトルにまつわる経緯からもわかる通り、いわゆる仲間内の内輪ネタソングとされるこの楽曲が一躍注目されるようになった理由のひとつは、マルチエンターテイナーのP丸様。がこの楽曲を“歌ってみた動画”としてカバーしたことにある。このP丸様。によるカバー動画は、公開から2週間ほどですでにYouTubeで100万再生を突破している。

　そんな「みむかｩわナイストライ」の人気はTikTokにも派生している。カードゲームのUNOをテーマにしたこの楽曲。MVでは、初音ミクが対戦相手を強気に煽りながらUNOに興じる姿が描かれている。そんな初音ミクが自信満々に対戦相手を煽る姿をダンスに見立てた“踊ってみた動画”がTikTokでも注目を浴びているのだ。実写の踊ってみた動画から二次元のイラストや動画の踊ってみた動画まで、楽曲そのものだけでなくダンスという切り口からも楽曲の拡散が広がっている。

　最初は内輪ソングとして出発したこの楽曲も、P丸様。をはじめとした歌ってみた動画の投稿やダンスをフックにした予期せぬTikTokでのバズにより話題が話題を呼び、大きなヒットにつながったようだ。原曲から出発し、多くのクリエイティビティを重ねることで大きく成長したのが、「みむかｩわナイストライ」ならではのヒットの要因ではないだろうか。

※https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2025-01-08