沖縄アクターズスクールが再始動して送り出す、13歳の才能・Neil 規格外のダンスと歌の根源を探る

アクターズスクールに入って3カ月で決まったデビューとブルーノ・マーズへの憧れ

――そして今年8月にシングル『Someday』でメジャーデビューを果たしました。デビューが決まった時はどう思いましたか?

Neil:これがすごいんですよ。デビューの話が、アクターズに入って3カ月くらいで出たんです。

――3カ月で?

Neil:はい。親御さんに見せるアクターズの発表会のようなライブがあって。その時に「Neilのデビューが決定しました」って言われて。予想もしていなかったので、まさかと思いました。デビューって、アクターズに入って何年もかけてするものだと思っていたので、「本当に今のままでいいのか?」「子どもすぎないか?」と思いましたね。

――ということは、最初はうれしさもあるけど、驚きも?

Neil:驚きのほうが大きかったです。

――そのあと「デビューするんだ」という実感は湧いていきましたか?

Neil:ワーナーミュージックの社内にあるステージで、社員さんに向けて、ウクレレを弾きながら歌った日があって。その時に「これからこの人たちにお世話になるんだ」って思いました。

――デビュー曲「Someday」では作詞を手掛けられましたが、作詞や作曲はいつからやっていたのでしょうか?

Neil:小学5年生の時。いきなり曲を作りました。その頃、お母さんにiPhoneを買ってもらったんですが、欲しかったいちばんの理由が「GarageBand」で曲を作りたかったからで。それで作った曲が、今回アルバムに入っている「君と」です。

Neil - Someday (Music Video)

――その時は、どうして曲を作ろうと思ったんですか?

Neil:お母さんたちもオリジナルソングを出していますし、自分で楽器を弾いて曲を作るのが楽しかったから。といっても、ちゃんと作るのはやっぱり難しくて、お母さんたちと協力しながらでしたけど。

――そして、初のミニアルバム『HAPPY BOX』が完成しました。リードトラック「Superstar」はNeilくん作詞の楽曲ですね。

Neil:洋楽っぽいサウンドだったので、日本語の歌詞をつけていくのは難しかったんですが……歌詞の通り、落ち込んでいる人に対して「あなたにとってのスーパースターの真似をして朝まで踊ろうぜ」みたいなことを歌っています。Neilが特に気に入っているのは〈僕らはまだ知らない/今はまだ辛くても/言霊繰り返す日々 We believe〉。ここは特に(聴いてくれる人に)語りかけるような気持ちで書きました。この歌詞は那覇でランチを食べながら書いたのを覚えています(笑)。ここだけどうしても歌詞が思い浮かばなくて。どうしようと思いながら食べていたらパッと思い浮かびました。

Neil - Superstar (Music Video)

――口に出していればいつか叶う、というのはNeilくん自身も思っていることなのでしょうか?

Neil:はい。諦めずに夢を持ち続けたら必ず叶うと信じているので、がんばります!

――もうすでに叶っているのではとも思いますが――。

Neil:いやいや、まだこれからです!

――〈隠れて泣いた 空振りしまくりDay〉という歌詞が印象的でした。それこそ、側から見るとNeilくんは若くて才能があって……と思ってしまいがちなんですが、Neilくんにも、隠れて泣いたり、悔しさを感じた経験があるのでしょうか?

Neil:あります。アクターズでも泣きそうになったことは何度もありましたし、その前に通っていたダンススクールではリハで怒られて泣きそうになって、車に戻ってから泣いたこともありました。不調が続いたり、空回りしたりして、スクールに行きたくなくなる時もあったし。そういう時はブルーノ・マーズの曲を聴いて、頑張ろうって思います。

――この曲の歌詞のように、まさにNeilくんにとってのスーパースターの曲を聴いて立ち直るんですね。

Neil:はい。別にアーティストじゃなくても、人によってスーパースターは、大谷翔平さんかもしれないし、サッカーのロナウドさんかもしれない。いろんな人に共感してもらえるような曲が作れたらと思って、この歌詞を作りました。

――レコーディングではいかがでしたか?

Neil:コーラスもたくさんあって、コーラスも含めたら5時間くらいレコーディングしてたのかな。はちみつを舐めながらがんばりました。

――歌うのは難しいですか?

Neil:難しかったです。

――2曲目「Still」はラブソングです。この曲を初めて聴いた時の印象を教えてください。

Neil:最初、英語の仮歌の状態で聴いていいなと思って、Neilが「この曲入れたい」と言いました。R&Bが好きなのでこういう曲を歌いたいなと思ったのと、最後にフェイクが結構あって、自分のよさを出せそうだなって思って。

――英語の仮歌の状態で曲を選んだということですが、この歌詞を読んだ時はどう感じましたか?

Neil:恋愛をしたことがないので、どういう思いで歌えばいいのかなと悩みました。

――それはどう乗り越えたのでしょうか?

Neil:乗り越えられていないと思う……。本当は好きな人をイメージして歌いたいけど、いないからできないし……難しいです。

――声が柔らかくて、愛おしさを感じました。

Neil:本当ですか? イエーイ! 最初録った時はちょっとテンションが低かったから、次に歌う時はもうちょっとテンションを上げて、恋愛している人の気持ちを想像しながら歌いました!

関連記事