『ユイカ』が初アニメタイアップで大事にした言葉とは? 10代最後の日々と20代への希望も

 『ユイカ』が新曲「僕らしさ」をリリース。同曲は、現在放送中のアニメ『妖怪学校の先生はじめました!』(TOKYO MXほか)のエンディング主題歌だ。『ユイカ』が作詞曲を手がけた楽曲がアニメで流れるのは今回が初めて。「テレビから私の声が聴こえてくる時点で大興奮だった」と彼女は話してくれたが、そんな書き下ろし楽曲の制作の過程で常に思い返していたのは、back number・清水依与吏の言葉だったという。「僕らしさ」は最適解とも言える形で作品に寄り添いながらも、また新しく躍動する『ユイカ』に出会うことができる、そんな楽曲だ。まもなく10代を終え、20代を迎える今、どのような心のなかにいるのか、話を聞いた。(編集部)

10代最終盤に初アニメタイアップに挑戦「このチャンスを逃してはいけない!」

――6月には初ライブ『Agapanthus』を開催しましたが、いかがでしたか?

『ユイカ』:私の曲を聴いてくださっているファンの方を目の前にして、「『ユイカ』の曲を聴いている人って本当に実在するんだ!」と思いました。SNSを見ていると、「この日のために勉強を頑張った」とか「部活を頑張った」と言ってくれている子がたくさんいて。この日のライブを楽しみにしていたのは私だけじゃなくて、みんなも楽しみにしてくれていたんだと知って、すっごくうれしかったです。

――ファンの方の前で歌うのは初めてだったんですよね?

『ユイカ』:はい、人生で初めてのライブでした。もちろん、あんなに大きなところで歌ったこともなかったし。あんまり緊張しなくて、ステージ出るギリギリまでは結構ケロッとしていた――というか、あんまりよくわかっていなかったんだと思うんですけど(笑)。でも、ステージに立ってお客さんを目の前にした瞬間に急にバクバクしちゃって。1曲目はもう手も震えるし、声も震えて……めちゃくちゃ緊張しました。それがお客さんにも伝わって、お互い緊張しているみたいな状態になっちゃったんですけど、3曲くらい歌ったところでMCだったので、「ようやく会えたね」という話を始めたら楽になって。そこからはリラックスして歌えるようになりました。

 
 
 
 
 
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――お客さんの前で歌ってみて、これまでと印象が変わった曲や発見のあった曲はありますか?

『ユイカ』:「17さいのうた。」は、1番は弾き語りで歌って、2番からバンドが入ってくる構成だったんですけど、歌いながら歌詞の意味を考えて「こんな曲だったんだ」とあらためて感じた部分もありました。この曲は特に言葉をちゃんと伝えたくて弾き語りというスタイルにしたので、お客さんにもちゃんと伝わっていたらいいなと思います。

――初ライブを経て、今後のライブでできるようになりたいと思ったことはありますか?

『ユイカ』:今回は上手に歌うことよりも、自分の気持ちを届けるということを優先して歌ったんです。それがライブのよさかなと思って。でも、来てくれている人は曲を聴くことを楽しみにしてくれていたと思うので、音程とかグルーヴとか、そういう技術的なものももっと身につけて、そこに気持ちを乗せられるような歌が歌えるようになりたいなと思いました。だけど、とにかくすっごく楽しかったです。MCでも何度も「楽しい!」って言っちゃうくらい(笑)。

――これからもライブが楽しみですね。

『ユイカ』:はい!

――そして、10月9日には新曲「僕らしさ」がリリースされました。この曲はアニメ『妖怪学校の先生はじめました!』のエンディング主題歌ですが、作品の主題歌を担当すると知った時はどう思いましたか?

『ユイカ』:率直にすごくうれしかったです。自分が作詞作曲した曲でアニメに携わらせていただくのは今回が初めてで。アニメのタイアップって、『ユイカ』を知らない人にも触れてもらえるタイミングなので、「このチャンスを逃してはいけない!」という気持ちでした。

僕らしさ / 『ユイカ』【MV】

――「僕らしさ」は作品のどういったところからインスピレーションを受けて曲を書き始めていったんですか?

『ユイカ』:最初にまず原作の漫画を読ませていただきました。そこで、主人公の晴明くん(安倍晴明)が新しいことを始める様子にすごく共感ができたんです。私も上京した当時、まさに私も感じていた新生活の不安やワクワク感を、曲に落とし込みたいなと思いました。

――冒頭の〈晴れ渡る空を見上げる〉という歌詞は、『妖怪学校の先生はじめました!』の主人公の名前が“晴明”であることから生まれたフレーズだそうですが、ほかに書き下ろしならではのフレーズがあったら教えてください。

『ユイカ』:漫画の雰囲気として、この作品はコミカルなんですよ。私もそういう作品が好きなので、コメディ要素を入れたいなと思って。くすっと笑えるような感じがほしくて、1番の〈いくつになっても/慣れっこない。〉から始まるブロックとか、2番の「眠れないと思っていたら寝坊しちゃってた」みたいなシチュエーションも入れてみました。今までの曲はどちらかというときれいに作っていたところもあったんですけど、今回は人間味のある部分も入れられたかなと思います。

――2番の〈何にも上手くいかんのにさ〉という崩した言葉遣いも印象的でした。

『ユイカ』:実はまったく意図的ではなくて。私は全然意識していなかったんですけど、これは関西弁なんですかね(笑)? 私のなかではたしかにちょっと崩した話し言葉みたいな感覚ではあるんですけど、レコーディングの時にプロデューサーの方に「『ユイカ』ちゃん、初めて歌詞で関西弁を使ったね」と言われて、そこで初めて気づきました。自分としては自然と出てきた言葉だったので、そういう意味ではすごく私らしさが出た部分だったのかなと思います……後付けなんですけど(笑)。

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