香取慎吾が音楽と歩んだ日々 中居正広との再会、稲垣吾郎&草彅剛と7年越し音楽番組出演……約5年の歩み
香取慎吾が11月27日に、3rdアルバム『Circus Funk』を配信リリースすることを発表した。
香取のアルバムといえば、これまでもBiSH、氣志團、KREVA、SALU、スチャダラパー、SONPUB&向井太一、TeddyLoid&たなか、WONK、yahyel、新しい学校のリーダーズ、H ZETTRIO、ヒグチアイ、Gentle Forest Jazz Band、田島貴男(Original Love)など、新進気鋭のアーティストからベテランまで、豪華なゲストたちとのコラボレーションを実現させてきたことでも話題に。『Circus Funk』も11曲収録される予定で、参加するゲストについては後日発表されるというから期待が膨らむ。
さらに、初披露の場として12月3日、4日に東京・国立代々木競技場 第一体育館でフェス『“Circus Funk” Festival』を開催するというから度肝を抜かれた。コンサートではなく“フェス”という形なのも、香取の新たな挑戦としての勢いを感じる。初めてのアリーナフェス、一体何を見せてくれるのかと胸が高鳴るばかりだ。
2020年1月1日発売の1stアルバム『20200101(ニワニワワイワイ)』に始まり、2022年4月13日リリースの2ndアルバム『東京SNG』、そして2024年11月27日リリースの3rdアルバム『Circus Funk』と、ソロアーティストとして着実に歩みを続けてきた香取。その一歩一歩は、常に“今までやったことのないこと”の連続だったように思う。
WEBの世界を開拓しながら、歴史ある会場での公演も
2020年はパンデミックの影響もあったことから、YouTubeチャンネルでの音楽活動がメインに。コラボしたアーティストとのMVや香取自身が楽曲に込めた思いを語るコメンタリー動画を次々に投稿していった。また、稲垣吾郎、草彅剛とともに出演するレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)の生放送中に、共演したローラと「Now & Forever」のMVを撮影するというチャレンジをしたことも。並行して、「歌ってみた」動画でも注目を集めた。
2021年には新しい地図を広げて以降、遠のいていた地上波テレビとの距離が縮まる嬉しい動きも。久しぶりの主演ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京系)が実現し、さらにその主題歌「Anonymous (feat.WONK)」を歌うことになったのだ。
力強く歌い上げながら、どこか憂いを帯びるその歌声は、いわゆる国民的アイドルの“慎吾ちゃん”というイメージからは一線を画すもの。そんな新たな印象を逆手にとって、ドラマ初回放送時のエンディングではアーティスト名が塗りつぶし、誰が歌っているのかわからないようなサプライズも行われた。加えて、Anonymous(匿名)名義のSNSが開設されるなど、ドラマのテーマと連動した企画で楽しませてくれたのも、実に粋だった。
そして『20200101』、『東京SNG』と、それぞれアルバムを携えてのライブを、東京・明治座で行うという試みも印象深い。2023年には2枚のアルバムの楽曲をミックスして、アートの個展とともに全国を巡るライブ『Black Rabbit』を1月から11月まで長きにわたって敢行したのも、これまでにない動きになった。コンサートのあり方、アルバムやライブツアーのサイクルなど、これまでの常識にとらわれなくてもいいのだという発見をしながら突き進んでいくような、そんな足取りだったのを思い出す。
地上波テレビでの歌唱、そして久しぶりに“あの人”との再会も
2023年には、草彅の主演ドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)でも主題歌を担当し、「BETTING」を歌うことになる。すると、K-POPグループ・SEVENTEENとの新鮮なコラボも実現。さらに、その勢いは中居正広との共演へとつながっていく。香取の音楽活動を陰ながら見守っていたという中居とのトークもまた胸を熱くするものがあった。
その後もソロで『ベストヒット歌謡祭2023』(読売テレビ/日本テレビ系)への出演を果たし、さらには2024年は初めて稲垣、草彅とともに3人で音楽番組への出演も叶った。そこでは、上野樹里&和田唱夫妻による楽曲「眩しい未来」を草彅とのユニット“SingTuyo”として歌い、また新たな顔を披露することになる。
また、新しい取り組みとしては舞台『テラヤマキャバレー』で、香取が寺山修司を演じ、劇中で歌った「質問」の配信もあった。音楽プロデューサー・朝妻一郎が考えた「Keep Asking」=「一人ひとりが問い続けることの大切さ」を、テレビプロデューサーの黒木彰一が受け取り、3年ほどの時を経て香取が歌うことになったという。想いのリレーを託されるというのも、また香取の積み上げてきたものがあればこそ。
今すぐは叶わなくとも、続けていることでそのチャンスが巡ってくる。人はつい最短経路でないと不安になってしまうが、回り道をしても見たい光景までたどり着けるのだという辛抱強さを教えてくれるような動きだった。