Wienners、盟友キュウソネコカミと“最高”を更新した対バンライブ ダイブが乱れ飛んだ狂乱の一夜

 MCパートで玉屋は、10年以上バンドを続けているけれど、これからもいつまでもドキドキし続けていたいと告げ、続けて打ち上げは2次会のカラオケがいちばん楽しい説を語った。そして、玉屋、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、∴560∵(Ba/Cho)が楽器を下ろし、カラオケスタイルで踊り歌いながら「SUPER FUTURE」を披露。そしてその模様を、サポートドラムのカズマ・タケイがスマホで撮ってインスタライブで配信。もはやなんでもありなカオスな展開のなか、ここで∴560∵がベースに戻り、「おどれおんどれ」へ。玉屋、アサミサエは引き続きカラオケスタイルで、カズマ・タケイはドラムの向こうで踊りまくっている。トラック&リズム隊の演奏で披露された未発表の新曲「いろはにほへと」でも、玉屋とアサミサエがステージを自在に往来しながらマイクリレーを展開し続ける。バンドという形態に囚われることなく、観客を熱狂させることに徹する。Wiennersが誇るそうした大胆さが色濃く打ち出されたパートだった。

 後半のMC中、会話を遮るように、聴き覚えのあるスマホの着信音が会場に流れる。玉屋が「誰かケータイ鳴らした?」と問うなか、カズマ・タケイがいきなり勢いよくドラムを叩き、アサミサエが着信音のメロディをキーボードで弾く。そして、玉屋が「誰だ、ケータイ鳴らしたの!」と叫び、キュウソの楽曲「ファントムヴァイブレーション」のカバーへ突入。アサミサエが「スマホはもはや?」ととびっきりキュートに問いかけ、それに応えるようにしてフロアから〈俺の臓器〉の大合唱が巻き起こる。まさにこの日ならではの展開を経て、玉屋が「今日から俺たちはお前らの臓器だぜ!」「蝕んでいくぜ、もっと!」と叫び、いよいよライブは終盤戦へ。この日のピークをさらに更新してみせたのが、最新曲「TOKYO HOLI」。アサミサエの「歌え」の後に巻き起こったシンガロングはあまりにも壮絶だった。ラストは、目の前の一人ひとりの観客との絆を確かめ合うように披露された「UNITY」「何様のラプソディ」「GOD SAVE THE MUSIC」の3連打。玉屋の「また生きてここで会いましょう」という約束の言葉が放つ余韻が、いつまでも胸に残り続けている。

カズマ・タケイ&玉屋2060%

 アンコールで玉屋は、この日の最高の対バンをともに創り上げてくれたキュウソへの感謝とリスペクトを語った上で、「これからも大事なときにはライブハウスで一緒にやるバンドだと思います」と告げた。そして、スタッフにフロアの照明をつけるよう頼んだ上で、「おおるないとじゃっぷせっしょん」「Cult pop suicide」「よろこびのうた」でこの日のライブを締め括ってみせた。明るく照らし出されたフロアで、ガンガンに回る2つのミラーボールの光を浴びながら、もみくちゃになる観客たちの姿がとても眩しかった。最後に、キュウソのメンバーがステージインして、ヤマサキと玉屋が熱い抱擁を交わす。そしてヤマサキは、「これまでたくさん対バンしてきたけど、今日がいちばん最高でした」と誇らしげに語った。まさにその言葉のとおり、お互いの最高を更新し合うような対バンだった。

■セットリスト
<キュウソネコカミ>
01. TOSHI-LOWさん
02. ビビった
03. ファントムヴァイブレーション
04. 3minutes
05. こみゅ力
06. KMDT25
07. 家
08. ネコカミたい
09. DQNなりたい、40代で死にたい
10. ハッピーポンコツ

<Wienners>
01. 蒼天ディライト
02. TRADITIONAL
03. TOP SPEED
04. レスキューレンジャー
05. SHINOBI TOP SECRET
06. VIDEO GIRL
07. Justice 4
08. DANCE HALL CRUSHERS
09. ブライトライト
10. SUPER FUTURE
11. おどれおんどれ
12. いろはにほへと
13. ファントムヴァイブレーション
14. 恋のバングラビート
15. TOKYO HOLI
16. UNITY
17. 何様のラプソディ
18. GOD SAVE THE MUSIC

En. おおるないとじゃっぷせっしょん
En. Cult pop suicide
En. よろこびのうた

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