三枝明那、『UniVerse』に凝縮されたライバーとしての信念 “歌”と共にあった5年間の集大成を語る

初ワンマンは「絶対に全力で楽しませる自信はある」

ーー5曲目の「ララバイ」は宇佐美 宏さんが作編曲を担当、三枝さんが自ら歌詞を書いています。作詞自体はRain Dropsの楽曲「ラブヘイト」でも藤林聖子さんとの共作名義で経験していますが、今回はどんなことを表現しようと思ったのですか?

三枝:自分の好きなもので構成されているアルバムのなかで、その中心になる曲、「じゃあ自分ってどういうものなんだろう?」というのを表現しようと思いました。僕は自己肯定感が低いので、それを楽曲にしようと思った次第です。

ーー歌詞を紐解くと、“僕なんか”という自分を好きになれない気持ちと同時に、それでも“僕らしく”ありたい、自分を肯定したい気持ちが描かれている印象があって。三枝さん自身も、その間で揺れ動くような部分があるのですか?

三枝:寝れない夜に余計なことを延々と考えてしまう、謎の無駄な時間をイメージして書いたんですよね。横になりながら「俺は本当にどうしようもないな」と思いつつも「いや、いろいろやってきたし、いいところもあるのかな」とか「いや、でもな……」みたいな(笑)。そういう思考のループがこの曲にはあると思います。で、そういう寝れない夜も、起きたら忘れていたり、そのまま朝になってしまって「今日も頑張るか」みたいな。そういう夜明け頃の感情の揺れを表現した曲です。

ーーだから曲名が“子守歌”を意味する「ララバイ」なんですね。眠れない夜の歌という。

三枝:そうです。ただ、この曲自体が子守歌というわけではなくて、イメージ的には「子守歌でも流して寝ろよ!」っていう感じですね(笑)。最後に曲のタイトルを決めるとなったときに、直感的にこれかなと思ってすぐに決まりました。

ーー2番の歌詞〈あの日の僕よどうか 夢描いたような/望んだ扉とは違うけど〉辺りは、「僕なんか……」と思っていた過去の自分に対するメッセージのようにも感じられて。最終的には自分を認めてあげられたような前向きさを感じました。

三枝:結局、自分自身はそこまで成長してはいないと思うんですけど、自分を取り巻く人や環境も、自分のものとして捉えていいというのは、ここ最近感じるようになったことで。「恵まれている環境や素敵な友人たちが周りにいることも自己評価として捉えていいんじゃね?」っていう。その意味では、昔気付けなかった部分の気付きがあるかもしれないです。

ーー次の曲「prayers」は、Rain Drops「エンターテイナー」でご一緒されていた堀江晶太さんが書き下ろした楽曲になります。

三枝:「prayers」も「ララバイ」と同じく僕自身に近い曲に感じていて。これは“呪い”と“祈り”にまつわる曲で、“呪い”というのは自分のコンプレックスやダメなところ。それをひっくるめて今の自分を構成しているすべてを愛することが、きっと“祈り”に繋がるんじゃないかという曲ですね。堀江さんと話をしていくなかで、とあるコンプレックスが共通していることがわかって。その意味で自分自身の思いも乗っている曲になっています。

ーー人生には伝えきれない思いが付き物ですが、この曲にはそれさえも祝福するような晴れやかさが感じられて。三枝さんも今、自分自身の“呪い”を受け入れられる気持ちにあるのでしょうか。

三枝:そうですね。不完全なのはきっと自分だけじゃないだろうし、みんな、不完全だからこそ人と繋がりたい。自分ひとりでは生きていけないし、自分が何を考えているかを伝えないと、きっとそのピースはハマらないっていう。不完全な自分の形を、ちゃんと自分として認識して、相手に思いを込めて伝えることで、相手のこともより知れると思うんです。自分が本当にきれいな丸なら、きっと誰ともハマらないじゃないですか。そういう感じです(笑)。

ーー“自己肯定感の低さ”をテーマにした「ララバイ」を経て、それをも含めて肯定するような「prayers」に繋がる流れが、本当に素晴らしくて。

三枝:ありがとうございます! 本当にいい曲ですよね。堀江さんは預言者なんじゃないかなと思うことが多々あって。だからこの曲は、きっと堀江さんからの「こういう人間であれよ」っていう啓示だと思っているんですよ。「こういう風に祝福できる者でいれば、お前はより良くなれるぞ」っていう。自分の中ではそう解釈しています。

(Music Video) うぇいびー / 三枝明那

ーーそして本作を締め括るのが、栗山夕璃さん提供の「うぇいびー」。2023年4月に行われた活動4周年記念3Dライブ配信「夢の足跡」で初披露された楽曲で、約1年半を経て待望の音源化になります。しかも配信でお話されていたところによると「歌を3回録り直した」らしいですね。

三枝:めちゃくちゃ難航しました。「うぇいびー」に関しては、そもそもこのアルバムとは別軸で制作を進めていた楽曲なので、栗山さんには「お好きなように作ってください!」とお願いして作ってもらった楽曲なんです。実は4周年ライブの1年くらい前から楽曲自体は出来上がっていました。

ーーあっ、そんなに前からあったんですね。

三枝:ただ、曲自体が持つパワーに自分の歌がどうしても負けてしまうなと思って。何回か完成しかけたのですが、結局納得いかなくて録り直していたんです。で、ようやくリリースに漕ぎつけられそうということで、4周年ライブで歌ったんですけど、結局、その時点で完成していた音源もボツにして。というのも、3Dライブで披露したものの反響がすごく良かったことも含めて、それを超える音源にしたいと思って録り直したんです。それが今回のアルバムに収録されたものになります。

ーーこの楽曲は溢れんばかりの愛を伝える楽曲になっていて。ご自身としてはどんな心持ちで歌われたのですか?

三枝:歌詞の内容的に“僕”と“君”という部分がありつつ、僕としてはラブソングというよりは、活動者を応援するリスナーの気持ちをはらんでいる曲なのかなと感じていて。何かを応援するときの気持ち、前向きな行為や思いみたいな部分を、こっち側から表現するときに、どう歌えばいいかをめっちゃ考えましたね。それこそ、自分の歌の良さは憂いや哀愁みたいな部分にあるなかで、「うぇいびー」は底抜けに明るくてキラキラした楽曲なので、普段の歌い方だとこの楽曲の良さを100パーセント引き出すことはできないと思って。だから声の出し方が、そもそも他の楽曲とまったく違うものになっています。

ーーアルバムの流れ的に、最後はこういった心が弾むような楽曲で終わるのも素敵でした。

三枝:それぞれの楽曲の曲調はバラバラなんですけど、アルバム全体として聴いたときに、なんとなく統一感があると思いますし、この7曲で『UniVerse』というひとつの作品と思ってもらえるように、曲順も含めてすごく考えました。

ーーそんな本作を携えて、12月7日には初ソロライブ『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』が東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催されます。

三枝:アルバムの曲調もバラバラですし、そもそも僕とみんなの生きている次元が違いつつも、ひとつの銀河として広く見たなかで、1つの軸で繋がっていることを表現したのが『UniVerse』です。そんな普段は各々の生活があって、日常生活ではすれ違うこともないようなみんなが、ひとつの場所に集結する。ひとつの“俺”の元にみんなが集まるものにしたい、という想いを込めてライブは“Unity”というタイトルを付けました。僕は有観客で声出しOKのライブが初めてで。単純にみんなの声を聞けるのがとても楽しみですし、みんなと一緒に過ごす時間はすごく特別なものになると思うので、その意味でも楽しみです。

ーーただ、配信で「ライブのオファーをもらったときに受けるか迷った」というお話もされていました。

三枝:これは今もずっと思っているんですけど、「埋まるわけないやろ!」と思ったんですよね(笑)。会社の人も視聴者も「何を言うてんねん……」って感じで、未だにあまり信用していないので、できる限りプロモーションを頑張ろうと思っていて。とはいえ、そこに対するビビりはありますけど、来てくれるからには絶対に全力で楽しませる自信はあるので、足を運んでくれると嬉しいです!

■リリース情報
三枝明那 1st Mini Album『UniVerse』
発売日:2024年9月25日(水)

・初回生産限定盤A
品番:ACN-10017〜10018 / 10022〜10023(にじストア用)
価格:3,850円(税込)
仕様:CD+Blu-ray

<Disc 1 - CD (全形態共通)>
M-1:あさが来る! (作詞・作曲・編曲:Chinozo)
M-2:アナザーシェード (作詞・作曲・編曲:⌘ハイノミ)
M-3:RED (作詞・作曲・編曲:r-906)
M-4:Funeral (作詞・作曲・編曲:くじら)
M-5:ララバイ (作詞:三枝明那 / 作曲・編曲:宇佐美 宏)
M-6:prayers (作詞・作曲・編曲:堀江晶太)
M-7:うぇいびー (作詞・作曲・編曲:栗山夕璃)

<Disc 2 - Blu-ray Disc (初回生産限定盤Aのみ収録)>
特典映像 - 三枝明那 スペシャルインタビュー

<封入特典>
・『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』チケット先行抽選シリアルコード
・三枝明那 1st Mini Album「UniVerse」オンライン2ショット撮影イベント 応募抽選券

・初回生産限定盤B
品番:ACN-10019〜10020 / 10024〜10025(にじストア用)
価格:2,970円(税込)
仕様:2CD(CD+特典カバーCD)

<Disc 1 - CD (全形態共通)>
M-1:あさが来る! (作詞・作曲・編曲:Chinozo)
M-2:アナザーシェード (作詞・作曲・編曲:⌘ハイノミ)
M-3:RED (作詞・作曲・編曲:r-906)
M-4:Funeral (作詞・作曲・編曲:くじら)
M-5:ララバイ (作詞:三枝明那 / 作曲・編曲:宇佐美 宏)
M-6:prayers (作詞・作曲・編曲:堀江晶太)
M-7:うぇいびー (作詞・作曲・編曲:栗山夕璃)

<Disc 2 - 特典カバーCD (初回生産限定盤Bのみ収録)>
M-1:パメラ
M-2:ロミオとシンデレラ
M-3:曖昧劣情Lover

<封入特典>
・『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』チケット先行抽選シリアルコード
・三枝明那 1st Mini Album「UniVerse」オンライン2ショット撮影イベント 応募抽選券

・通常盤
品番:ACN-10021 / 10026(にじストア用)
価格:2,200円(税込)
仕様:CD

<CD (全形態共通)>
M-1:あさが来る! (作詞・作曲・編曲:Chinozo)
M-2:アナザーシェード (作詞・作曲・編曲:⌘ハイノミ)
M-3:RED (作詞・作曲・編曲:r-906)
M-4:Funeral (作詞・作曲・編曲:くじら)
M-5:ララバイ (作詞:三枝明那 / 作曲・編曲:宇佐美 宏)
M-6:prayers (作詞・作曲・編曲:堀江晶太)
M-7:うぇいびー (作詞・作曲・編曲:栗山夕璃)

<封入特典>
・『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』チケット先行抽選シリアルコード
・三枝明那 1st Mini Album「UniVerse」オンライン2ショット撮影イベント 応募抽選券

Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity" チケット先行抽選シリアルコード情報
3形態共通特典として、1st Mini Album「UniVerse」に、『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』のチケット先行抽選シリアルコードを封入!

▼ チケット先行抽選シリアルコード受付期間
2024年9月25日(水)12:00 〜 2024年10月9日(水)23:59
※シリアルコードはCD全形態(初回生産分)に封入されます
※デジタル版をご購入された場合、シリアルコードは付与されません。予めご注意ください。

■ライブ情報
『Saegusa Akina 1st Solo LIVE "Unity"』
▼会場
武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
▼日程
2024年12月7日(土) OPEN 17:00 / START 18:00
▼特設サイト
https://www.nijisanji.jp/events/saegusa_unity/

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