KJRGL、深い海から飛び出した青年6人組グループが描く“理想の姿” 「記憶に残る音楽を生み出したい」
伝えたい、話したいことはたくさんあるのに、コミュニケーションができないもどかしさ。このような気持ちを抱きながら希望と失望の間で揺らいできた若者たちが、ついに夢への第一歩を踏み出す——。KJRGL(カジャーグル)は、過去と決別し、本来の声や真の仲間、そして何よりも自身を取り戻すために結成されたボーイズグループだ。メンバーはAKIRA(アキラ)、KOUKI(コーキ)、DIEN(ディエン)、SAERON(セロン)、RIKU(リク)、ISAAC(アイザック)の6人。大半が日韓のオーディションやプロジェクトで挫折を味わっているものの、そうした経験を経て磨き上げた歌とダンスには他にはない輝きと説得力がある。
9月4日にリリースしたプレデビューシングル『prologue〜the deepest blue』では無機質、無音、無色、孤独といったキーワードで、これまで自分たちがいた世界を表現しつつ、同月18日に発表される正式なデビューシングル『overture〜the blue wave』では、ようやくスタートラインに立てた喜びを一音一音に刻み込んでいく。アイデンティティを探す旅が始まったばかりのグループは今、どのような心境なのだろうか。本格的な活動を間近に控えたメンバーらは、飾り気のない言葉で思いを伝えてくれた。(まつもとたくお)
KJRGLのはじまりとそれぞれの想い
——どのような流れでKJRGLが誕生したのでしょうか。
KOUKI:KJRGLは同じタイミングで集まったわけではないんです。最初の出会いは2022年頃で、当時は僕とAKIRAの2人だけでした。その後にメンバー候補が何人か出入りしながら、最終的にこの顔ぶれになった、という感じです。
——皆さんがプロになろうと思った動機は何だったのでしょうか?
RIKU:僕の場合は姉のおかげですね。僕が幼稚園ぐらいのときに、姉がいつも家でK-POPを聴いていたんです。自然とその方面のサウンドに惹かれていきましたね。中でも最高だと感じたのがBTSさん。彼らの日本公演はほとんどすべて行っているほど好きなんです。最初は単純にかっこいいと思っていたのが、いつの間にか同じ舞台に立ちたい、と考えるようになったのがきっかけです。
AKIRA:中学生の頃に家族で行ったEXILE TRIBEのライブがきっかけです。そこで聴いた三代目 J SOUL BROTHERSの歌声に感動して、自分もこういう大きなステージで歌う側になりたいと思いました。
KOUKI:昔から歌うことが好きだったのですが、当時はプロになろうとは思っていなかったんです。でも、高校3年生のときの文化祭で演劇をやることになって、そこで歌ったり踊ったりしたのがめちゃくちゃ楽しくて。そのあたりから、こういうものを仕事にできたらいいなと思い、オーディションを受け始めました。
DIEN:幼稚園に通っていた頃から人前で踊ったり、歌ったり、笑ったりするのが好きでした。だからアイドルになればそういうことがずっとできるし、観ている人たちにも幸せを分け与えることができると思ったんです。
SAERON:実は、僕の母親は韓国で有名なシンガーなんです。だから幼い頃から母親のステージを観ていたし、中学・高校時代はアイドルの先輩たちの歌やライブに感銘を受けたこともあって、自然と自分もそうなりたいと思っていましたね。
ISAAC:アメリカにずっと住んでいたのですが、中学生まではアイドルになりたいとは思っていませんでした。ところがある日、元気がなかったときに姉がEXOさんのコンサートに誘ってくれたんです。そのステージに救われた僕は、自分も大変な状況にいる人たちを少しでも助けられるような人になりたいと考えるようになったんです。
——皆さんはそれ以来、エンターテインメントの世界に入ることを目指して日々努力してきたわけですが、最終的にこの6人でプロデビューすることが決まったときは、どのような気持ちでしたか?
RIKU:この6人でやっていくとわかったときは、正直なところ、実感が湧かなかったんです。それぞれのキャラクターや雰囲気がまったく違うので、どんなグループになるのか想像できないというのもありました。でも、いざ練習してみると、「なんだかいい感じだな」と……しっくりくるものがあったんです。一人ひとりの色もあるし、グループとしての色もある、と。
AKIRA:最初に会ったときは、心強いなって思いました。みんな、ハートが温かくて、そういうのがすごくいいなって。海外のメンバー(韓国出身のDIENとSAERON、アメリカ出身のISAAC)は日本語を一生懸命勉強してくれているので、やり取りもだいぶスムーズになりましたし、あとはパフォーマンス力を上げて頑張るだけですね。
KOUKI:最初は言語が違う点が心配だったんですけれども、AKIRAが言った通りで、今は何も問題はありません。この6人でこれから楽しいことや辛いことをたくさん経験したい、そう思えるメンバーです。
DIEN:心配な点もありましたが、ついにデビューするという気持ちのほうが勝っていたような気がします。日本へ来る前は、外国で練習してプロデビューするのは大変だと思っていました。でもみんな優しくて面白いし、可愛い面もあって、今はこのメンバーであればやっていけると確信しています。
SAERON:ボーイズグループの一員になりたいと以前から思っていたので、この6人でこれからやっていくことが本当に嬉しいです。お互いが信じ合い、ひとつになって一生懸命活動したいですね。
ISSAC:来日したばかりの頃は少し心配がありました。当初はどんなグループになるのか、どんなコンセプトでやっていくのか気になる面も多くありましたが、揃ったメンバーがいずれも個性的で魅力的なので安心しています。今後が本当に楽しみです。
——6人でトレーニングをスタートしたのはいつ頃なのでしょうか?
DIEN:今年の3月ぐらいです。
RIKU:最初はどうやって距離を縮めようか焦りましたね。それでも練習を重ねていくうちにチームとしてのまとまりができて、同時に絆を深めていったという感じでしょうか。
AKIRA;僕、めちゃくちゃ人見知りなんですよ。他の人と信頼関係を作るまでに時間がかかるタイプなので、練習を始めたころは結構あたふたしていました。今はすべてクリアして楽しくやっています。
——日本語のクジラ(KUJIRA)と韓国語のクジラ(GOLAE)を合わせて作ったKJRGLというグループ名とコンセプトを聞いたときは、どう思いましたか?
DIEN:チーム名は難しすぎて覚えるまでに時間がかかりました(笑)。でも、今はとても気に入っています。コンセプトも自分たちに合っていると感じました。
SAERON:初めてグループ名の意味を聞いたときに、意外でビックリしたのを覚えています。実は僕もKJRGLというスペルが1、2週間ほど覚えられなくて……間違えて書いたりしていました(笑)。コンセプトについては。これまでのK-POPにはあまりない世界観だったので新鮮でしたね。おそらくファンになってくれる方々も同じような受け止め方だと思っています。