4s4kiが“ゲーム音楽シーン”に刻む存在感 サブカルチャーとの融合で放つ独自のサウンドとストーリー性

 そうした表現の背景にあるのは、まさに4s4ki自身がさまざまなゲーム(特にMMORPG)を通して世界と繋がり、そこで得た学びや経験、考え方を、現実における戦いや表現に活かしてきたということである。また、アルバム全編をアニメ 『コードギアス』に捧げた『CODE GE4SS』に象徴されるように、4s4kiは自身に影響を与えたり、愛好する作品に対して並々ならぬ熱量を注いで楽曲を作り上げる。文化や作品に対する大きなリスペクトと、自身の経験を元に構築された、リアルとバーチャルの垣根を超えるスタイル。これに、デジタル表現との親和性も高い、ハイパーポップからヒップホップまであらゆるジャンルをカオティックかつポップにミックスした唯一無二のサウンドが投入されることによって、4s4kiの楽曲は単なるタイアップではなく、ある意味ではゲームそのものを疑似体験するような感覚を与えてくれる。だからこそ、ゲーム業界からも多くの支持を獲得しているのだろう。

4s4ki - CODE GE4SS (Official Music Video)

 また、こうした表現は、ある意味では4s4kiというアーティスト自身に対して、ある種の物語性、もっと言えば“主人公性”のようなものを与えているようにも思う。4s4kiの楽曲には、現代の生きづらさを前にして、それを生み出す社会自体を批判しつつ、苦しみながらも何とか前進しようとする弱さと強さに満ちている。4s4kiの楽曲を聴いていると、ゲームの中で戦う自身の姿が、現実で戦うもう一人の自分に対して大きな力を与えているように感じられるのだ。そして、そのエネルギーは楽曲や歌唱の表現などを通して、多くの人々に影響を与えていく。だからこそ、まさに『原神』の主人公となって歌い上げた「春華」が、確かな説得力を持って響いているのではないだろうか。

【HoYoFair】春華 (Short ver.) / Vocal : majiko, 4s4ki, ウォルピスカーター

 パンデミックで誰もが鬱屈していた時期に、ゲームが多くの人々にとっての心の拠り所や、現実に代わるコミュニケーションの場として支持されていたように、ゲームとはただ生きるのでさえも大変な現実に対する逃避先であり、もう一つの世界であり、そこで得たエネルギーは再び現実と対峙するための糧となる。それを誰よりも分かっているからこそ、4s4kiの楽曲はゲームと強い繋がりを生み出しているのだろう。

 そして、4s4kiを主人公とした物語は今もまだアップデートが続いている。一時期は療養に専念するためにライブ活動を休止する時期もあったが、復帰後は『JAPAN JAM』などの音楽フェスティバルへの出演など、再び精力的に活動を行っている。8月31日(“I LOVE YOU”の日!)には、3月に発表された「ねえ聞いて」のMVも公開され、もがきながらも強い想いを胸に前へと進もうとする4s4kiのエネルギーは、さらに多くの人々に力を与えてくれるはずだ。(もちろん無理のない範囲で活動してほしいと願いつつ)新たな世界を切り開き続ける4s4kiから、今後も目を離せない。

4s4ki - ねえ聞いて (Official Music Video)


■リリース情報
4s4ki 配信シングル
「survival dAnce」
2024年6月12日(水)リリース
※スマートフォン向けゲーム『モンスターハンターNow』2023TVCMソング

配信URL:https://lnk.to/survival_dance

■関連URL
Official HP:https://4s4ki.xyz
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X:https://twitter.com/0311asaki
TikTok:https://www.tiktok.com/@4s4ki_official
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