ラウールの『赤羽骨子のボディガード』主演は必然だった Snow Manとの重なりも楽しめる作品に

 Snow Manのラウールが主演を務める映画『赤羽骨子のボディガード』が8月2日より全国の映画館で公開中だ。本作は『週刊少年マガジン』で連載中の丹月正光による同名コミックの実写化。「100億円の懸賞金をかけられたヒロインをクラスメイト全員がボディガードとしてバレずに守る」という斬新なストーリーや、特殊能力を持った登場人物たちによる激しいバトルシーンなどが話題の人気作である。今回ラウールは金髪がトレードマークの主人公、ヤンキー高校生・威吹荒邦を演じた。

 ラウールといえば、近年はフランス・パリの事務所と個人契約を交わしてパリ・コレクションに挑戦するなど、モデル活動に精力的に打ち込んでいるイメージが強い。実際、俳優業としてはSnow Man全員で主演を務めた映画『おそ松さん』(2022年)以来、単独主演では少女コミック原作の映画『ハニーレモンソーダ』(2021年)以来3年ぶりの作品だ。しかし、そのブランクを感じさせない、むしろパワーアップした頼もしい姿がスクリーンの中にはあった。2作に出演していた当時は10代だったラウールも20代に突入。“チームワーク”でエンターテインメントを極めてきたグループでの経験、“魅せる”ことに磨きをかけてきた個人の経験、そういったものが集約された堂々たる主演作と言えるだろう。

 コミカルからシリアスまで場面ごとに変化する表情の豊かさや、力強く華麗な本格アクションシーンなどラウールの見どころは数多あれど、なんといっても個性のぶつかり合いのようなキャスト陣の中であれだけしっかりと存在感を放つことができたのはさすがである。赤羽骨子を演じた出口夏希を筆頭に奥平大兼、高橋ひかる、倉悠貴といった若手実力派俳優から、声優の木村昴、芝大輔(モグライダー)やかなで(3時のヒロイン)、有輝(土佐兄弟)らお笑い芸人、あの、詩羽(水曜日のカンパネラ)まで勢揃いのクラスメイト、遠藤憲一や土屋太鳳が演じるクセ強キャラなど、全員が主人公のような面々のなかで独自のポジションを確立できているのは、9人の個性がひとつになったSnow Manというグループでセンターを張ってきた賜物だ。

 本作の主題歌を収めたSnow Manの11thシングル『BREAKOUT / 君は僕のもの』初回盤A収録「Behind The Scenes」内にて、ラウールは「そもそも映画とSnow Manが自分はリンクしてるなと思うところがあって、個性の強いメンバーたちが一つの目標に向かって進んでいるっていうポイントは映画の中でもそうだし、Snow Manもわりとそうなのかなと思ったらもろもろがリンクした」と話していた。たしかに劇中のセリフや作品自体が持つ熱量など、ファンならばSnow Manとの重なりを感じてしまう瞬間があるのも本作の面白いところである。

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