back number、ONE OK ROCK、野田洋次郎、いきものがかり、ゆず、ヨルシカ……注目新譜6作をレビュー

いきものがかり「Challenger」

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 管楽器とピアノの管楽器の音色、〈さぁ/始動“STARTING”/はじめよう〉という歌が聴こえてきた瞬間、心と身体がドーンと開いていくのがわかる。いきものがかりの新曲「Challenger」は、親しみやすいメロディと生楽器を主体としたサウンド、そして、リスナーの心をしっかりフックアップしてくる歌がひとつになったーーつまり「これぞ、いきものがかり!」なミディアムチューン。ただ闇雲に前向きなだけではなく、〈怒りだけと遊ばないで/君を語れ 君を愛せ〉とネガティブな側面を照らし出すようなフレーズもあり、幅広い層のリスナーに届く楽曲に仕上がっている。結成25周年を目前にしてもなお、「Challenger」という題名に相応しいソングライティングとボーカルを提示できることも、現在のいきものがかりの素晴らしさだ。(森)

ゆず「伏線回収」

ゆず「伏線回収」

 ニューアルバム『図鑑』収録曲で、ドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)主題歌でもある新曲。作詞作曲は北川悠仁、アレンジを担当したのはXIIXのベーシスト須藤優。GSっぽいエレキギターから始まり、歌心たっぷりのベースラインが楽曲を盛り上げる、ゆずにしてはかなりアッパーなロックンロール調の一曲だ。ラブソングとはいえ切なさよりユーモアが勝る歌詞と、突き抜けて明るいメロディが印象的。〈湘南〉〈燦燦 お天道様〉などのワード、一瞬だけ入ってくるスティールパンの音色など、夏をイメージさせる要素もたっぷり。ゆずの夏ソングといえば「夏色」だが、それを更新するサマーチューンになっていくかもしれない。(石井)

ヨルシカ「忘れてください」

ヨルシカ「忘れてください」

 ドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』(日本テレビ系)主題歌となる書き下ろし新曲。トラックは優しいピアノとギター、ハンドクラップを主軸にしたものだが、ここに「入ってきそうで、こない」音が相当数あるのが面白い。一瞬だけ鳴るハイハット、一気に盛り上がりそうなストリングスなどは、気配として存在するが、曲の正式な構成員に組み込まれることがない。この遠慮がちな音の上で紡がれるのは、〈箱の中の小さい家〉に暮らす二人の物語。いなくなることを見据えた〈僕〉は、あらゆる風景や心象について、ただ忘れてくださいと静かに願っているのだ。大仰なドラマも忘れられない事件もいらない。そんな歌詞と音像のマッチングが見事な一曲。(石井)

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