SARM、EP『IRiS』から始まる新たな道 “今の自分”に初めて正直になれた理由を語る
もっと強くなっていくことも想像しながら、今の自分に初めて正直になれた
――今お話にあがったもうひとつの新曲、南田健吾さんと制作した初のバラード「IRiS」に関してはどのようにしてイメージを膨らませていったのでしょうか？ サウンドとリリックがとても緊密なせいか、スケール感という点においてはこれまでで最も壮大な広がりを聴き手に与える曲だと思います。あらかじめあたためていたデモ音源があったそうですね。
SARM：そうですね。最初のイメージよりは壮大なものになりましたけど、歌詞を書いている途中ぐらいから南田さんが制作に加わって、歌詞から連想して音ができあがっていきました。幼い頃に不思議な体験というか……概念的な空間に行く感覚に陥ることがあったんですけど、そのあたたかくて無機質な感じを音で表現したらどうなるだろうと思って。当時見たビジョンの話を南田さんにしながら、一緒に音を探っていってもらいました。幼少期からの体験を言葉にするのはいまのタイミングだからこそできたと思っています。自分がどう生きたいのかを考え始めたことでやっと歌詞に落とし込めるようになったと思っていて。もともとあたためていたメロディではあったんですけど、ずっと歌詞だけは書けなかったんですよ。だけど自分の生き方が明確になってきたことによってその空間で感じたこと、みんなに伝えたいことを言葉にできるようになりました。
――この曲の歌詞はSARMさんが「D♡VE QUEEN」以降に歌ってきたことの集大成のようにも感じました。
SARM：「IRiS」にある感覚や感性はずっと根本にあったものだと思うんですけど、これまでエッセンスとして入れていたものがダイレクトに表現できるようになったのかもしれませんね。今までよりも大きく表現できるようになったというのはあると思います。
――生活レベルではなく人生という尺で聴き手をエンパワーメントするような、そういうスケールを持った曲ですよね。
SARM：生まれてきた意味をわかっていたはずなのに、いろいろな影響で自分が何者かわからなくなってしまうことってあると思うんですけど、そういう人たちが目覚めるきっかけになれば嬉しいですね。
――「D♡VE QUEEN」以降、歌詞に英語のフレーズが減っている印象があります。この「IRiS」は「Tefu Tefu」に続いて全編日本語詞で構成されていますが、そのあたりは意識的なものなのでしょうか？
SARM：自分の根源に触れたことによって日本語の言葉の強さをあらためて感じたのかもしれないですね。今までは本来の自分を見せることを怖がっていた部分もあったんです。子供の頃からの不思議体験をまわりに話すようになったのもここ最近のことで。以前はそういう体験を話すことも作品に落とし込むことも躊躇していたんですけど。でも、それが結果的に自分で自分を制限することになってしまっていて。もう吹っ切れたというか、自分が言いたいことに対して正直になろうと思ったんです。
――今日お話しされていることと今回のEPで表現されていることが、ものすごくしっくりきますね。このEPはSARMさんの新章突入を告げる作品になるような気がしています。
SARM：たしかに、始まり感がありますよね。もっと強くなっていくことも想像しながら、今の自分に初めて正直になれたので。
――同時に、ここからどこに向かうのだろう、というスリルもあるんですよね。
SARM：それは自分でもわからないんですけど、でも追求していくと辿り着く先はみんな同じなのかもしれないとも思っていて。伝えたいことは、たぶんそういう感じになっていくんじゃないかな。
■リリース情報
New Digital EP『IRiS』
配信中
配信URL：https://SARM.lnk.to/EP_IRiSPR
＜収録曲＞
01. 高級フレンチよりあなたとつくる深夜のフレンチトーストがすき。
02. BONBON GiRL
03. IRiS
04. AI ga shitaino
05. D♡VE QUEEN
06. Tefu Tefu
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