なにわ男子、音楽番組で光る西畑大吾の存在感 “目新しさ”と“らしさ”を両立させる表現力

 6月12日に、なにわ男子の3rdアルバム『+Alpha』が発売された。リード曲である「Alpha」は発売日の1カ月以上前から公式YouTubeチャンネルでMVが全編公開され、600万回再生を記録(7月2日現在)。過去2作のアルバムで表現してきた「“煌めき”や“POP”を凝縮した、なにわ男子らしさ全開」な楽曲となっている。

 「Alpha」の冒頭は、道枝駿佑を中心にフォーメーションを展開。今や国内外でその名を響かせる存在となった道枝は、グループの“入り口”としてこれまで数多くの楽曲を彩ってきた。豊富な演技経験を活かして「The Answer」のようなダークでミステリアスなダンスチューンも、「I Wish」のような明るくも切ない青春ソングも、それぞれ対極的なコンセプトを見事に表現している。なにわ男子のバリエーション豊富な楽曲の色合いに、どんな楽曲に対してもアプローチできる道枝の表現力は欠かせないものだ。

なにわ男子 - Alpha [Official Music Video]

 「Alpha」のサビでは、1番は大橋和也から大西流星へ、2番は藤原丈一郎から大西がセンターポジションとなり、最後には再び道枝が中央に立つ。全体を通して道枝が脚光を集めやすい構成となっているが、同楽曲を歌番組で披露した際、もっとも盛り上がりを見せるラスサビ部分に注目すると、まさしく“なにわ男子らしさ”を最高潮に引き上げてくれる西畑大吾の存在があることに気がつくはずだ。

進化し続けるパフォーマンスと、時を重ねても変わらない爽やかな表情

 2018年の結成以来、センターとしてグループを支えてきた西畑。ジュニア時代、永瀬廉と大西流星とともに組まれたなにわ皇子に所属していた頃から多数の舞台経験を積み、パフォーマンスを磨き上げてきた。デビュー前のオリジナル曲「なにわ Lucky Boy!!」や「ダイヤモンドスマイル」など、今やなにわ男子のトレードマークとなった元気あふれるキラキラアイドルらしさを確立させることができたのは、ステージの中央で笑顔を浮かべ続ける経験を早くから重ねてきた西畑の下支えがあるからこそではないだろうか。

なにわ男子 - ダイヤモンドスマイル(なにわ男子 First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん)

 西畑は事務所加入から13年、今でこそベテランのような安定感を感じさせるが、時を経ても変わることのない爽やかさや可愛らしさがしっかりと感じられる。6月14日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、先輩・嵐の「夏疾風」をカバーしたが、そこでも西畑の姿は特に印象的に映っていた。まっすぐにカメラを見据え、右手を頭に添えて浮かべたウィンク。さらに曲終わりには、視聴者に呼びかけるように手を差し伸べた西畑の笑顔をカメラがとらえていた。アイドルとして技を磨き続けながらも、柔らかな仕草で観客に語りかけるその仕草は初々しいデビュー前当時から変わることがない。きっとその姿に観客は安心感を覚え、彼の所作一つひとつを目で追ってしまうのだろう。

俳優業で活躍する西畑・道枝を中心に進化を遂げる楽曲コンセプトの幅広さ

 若い頃から映画やドラマへの出演経験が豊富で、高い演技力を持つのも西畑の強み。今や公式YouTubeチャンネルでダンスバージョンのMVが1億回再生を突破しているデビュー曲「初心LOVE」をはじめ、「ハッピーサプライズ」「Missing」など、パフォーマンスでは西畑がセンターに立つシーンが目立つ楽曲のコンセプトは幅広い。しかし、その演技力で楽曲の世界観を咀嚼し、豊富な表現力で“目新しさ”と“なにわ男子らしさ”を両立させてしまうのも、西畑の手腕ならではだ。

なにわ男子 - Missing [Official Music Video] YouTube ver.

 そしてそれは、「Alpha」のセンターを務める道枝にも共通している素養でもある。「The Answer」「I Wish」も、ダークでミステリアスなダンスチューンと明るくも切ない青春ソング、それぞれ対極的なコンセプトだが、豊富な演技経験を持つ道枝がセンターとして見事にその世界観を表現している。なにわ男子のバリエーション豊富な楽曲の色合いは、こうした類稀なる演技力を持つ2人によって強化されていると思っても良さそうだ。

なにわ男子 - I Wish [Official Music Video] YouTube ver.

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