ジョナス・ブルーが繰り広げた一大ダンスパーティー 1年ぶりジャパンツアー東京公演を観て

 中盤を迎える頃には、ゲストアクトを畳みかける展開も用意された。2人目のゲストボーカリストとなるウィリアム・シンジを迎え入れて「Mama feat. William Singe」を披露したあとは、ジョナスが曲名になぞらえて上着を脱ぎ捨てるパフォーマンスで沸かせた「Naked」など数曲を挟み、再びJPクーパーが呼び込まれる。今年3月にリリースされた日本限定アルバム『Together』から「You’re The One feat. JP Cooper」をプレイし、パーティームードはいやが上にも上昇し続ける一方だ。

 その後「I See Love」を挟み、おもむろに「最新曲を持ってきたよ!」と言い放つジョナス。Galantis、ゾーイ・ウィーズとともに制作したというリリース前の新曲「Mountains」をプレイすると告げ、サプライズゲストとしてゾーイがステージに現れると、場内は驚喜の歓声に包まれる。ファーリーかつガーリーなファッションに身を包んだ彼女のパワフルなボーカルとともに届けられたのは、いかにもジョナスらしいメロディアスなハウスポップナンバー。この思わぬプレゼントに対し、オーディエンスはますます激しく踊り狂うことで喜びを表現した。

 終盤は新旧織り交ぜた変幻自在の選曲で畳みかけていくジョナス。バーディー「Keeping Your Head Up」やTWICE「Moonlight Sunrise」といった日本でも人気の高いダンスヒッツを効果的にちりばめながら、ラストスパートに差しかかると「Rest Of My Life」「All You Need Is Love」「Past Life」といった近年の自曲を連発していく。その過程では大きな日の丸フラッグを大漁旗のように振り回すなど、親日家で知られる彼らしいパフォーマンスも。トドメには「Weekends」をプレイし、ポジティブなエネルギーのみなぎる約90分のセットをハッピーに締めくくった。

 プレイを終えていったんステージを退いたジョナスだったが、盛大なアンコールの声を受けてすぐさまステージへと舞い戻ってくる。自身のスマートフォンで客席を巻き込んだ記念撮影を行うなど、ひとしきりはしゃいでみせたのち「もう1曲お届けするよ。僕にとってはものすごくスペシャルな1曲だ」と告げて喝采を呼んだ。そして最後のゲストアーティスト・Jack & Jackを呼び込んでさらなる大歓声を巻き起こすと、会場に詰めかけた約8000人のファンが1人残らず待ち望んでいたビッグヒットナンバー「Rise」を満を持してプレイ。ジャック・ジョンソンとジャック・ギンスキーの2人がステージ狭しと動き回りながら歌声を届けていく中、フロア上空では大量の紙吹雪が宙に舞い、それがライトに照らされてキラキラと輝く幻想的な光景が繰り広げられる。ジョナスはここでも日の丸を振り回すなどして客席を大いに盛り上げ、ほがらかなムードのまま盛大なダンスパーティーに幕を下ろした。

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