三代目 J SOUL BROTHERS、7人の化学反応が新たな原動力に 挑戦の喜びに満ちたツアーを振り返る

「7人全員納得した選曲が『Awakening Light』」(今市)

――ではここからは、前回のインタビュー後に配信された新曲のお話を。2023年5月29日に配信された「Hand in Hand」(作詞:RYUJI IMAICHI/作曲:FAST LANE)は、三代目JSBの軌跡を辿るような歌詞のミディアムナンバーですが、どういう経緯で生まれた曲ですか?

今市:「Hand in Hand」は「愛知トヨタ企業キャンペーンソング」として書き下ろした楽曲なんですが、お話をいただいた段階で、すでにテーマが決まっていたんですよね。「“出会ってくれてありがとう”とか“人と出会う時の喜び”を歌にしてほしい」というリクエストがあったんです。僕もちょうどその時、同じようなことを考えていたので、ファンの人やメンバーへの想いを書こうと。テーマに沿って書いたというよりは、自分の心情を素直に歌詞に落とし込んでいきました。

――「Hand in Hand」は、ツアーでは……?

今市:アリーナツアーの後半に披露しました。「Hand in Hand」はサウンド的にも80'sバイブスが感じられる曲ですし、バンドに対してもリハの段階から「音色はこうしてほしい」とか細かくリクエストした上で、生バンドと一緒にMATEのみんなへ直接想いを届けられたので、感慨深いものがありました。

ØMI:ライブ中のMATEの表情を見ていると、歌詞に込められているメッセージをしっかり受け取ってくれているんだろうなと感じましたね。僕自身も隆二が書いた歌詞を噛みしめながら、聴いてくれているみなさんと同じ気持ちで歌わせていただきました。

――また、冒頭でも話題に出たように、2023年11月11日に先行配信された「Awakening Light」(作詞:Riona、作曲:Karrinator・Chris Hope)は、ドームツアーの1曲目に披露されました。音楽とアートによる砂漠の祭典『Burning Man』に着想を受けて作詞された曲ということで、『JSB LAND』のコンセプトにもピッタリですが、こちらは最初からドームの1曲目を見据えて制作されたんですか?

今市:ドームツアーで披露することを踏まえて選曲していった結果、7人全員が納得したのが「Awakening Light」のデモで。それに歌詞をのせてもらって完成しました。ツアーの1曲目に決まってからは、登場感を増すためにイントロを延ばして。満を持して登場してきた7人が、一斉に踊り出すっていうオープニングにしました。メンバー全員、選曲している時から、そのイメージが浮かんでいたんじゃないかな? だからこそ、ツアーで初披露した時も違和感なく盛り上がりましたし、『JSB LAND』を象徴するような1曲になったのかなと思います。

――「Awakening Light」が始まる前、舞台下では7人でワチャワチャ盛り上がっていたそうですね。

今市:ワチャワチャっていうか、自然発生的に気合い入れが始まったんですよ(笑)。久しぶりにドームツアーをやるにあたって、みんなで勢いをつけたい気持ちがあったんだと思う。

ØMI:みんなで肩を組んで、「ホッホッホッホッ」ってやつね(笑)。

――ステージ上では、ダンサーの方々が復活の儀式のようなパフォーマンスを繰り広げていましたが、それに呼応して舞台下で躍動していたと(笑)?

今市:そういうことです!

"Awakening Light" Live Performance from JSB LAND / 三代目 J SOUL BROTHERS

ボーカルも踊り続けた挑戦のステージ

――そして、ドームツアーの大きな見どころになっていたのが、メンバー各々のソロ曲を7人で表現するセクション。この企画の発案者はØMIさんだそうですが、実際にパフォーマンスしてみていかがでしたか?

ØMI:同じグループのメンバーですけど、ソロ曲を一緒にやってみると、こうも個性が違うんだなって感じましたね。グループでもやらない、僕のソロでもやらないようなテイストの曲が多かったので、完全に一から新曲を仕上げていく感覚でした。隆二の「TUXEDO」とか、かなり難しかったです(笑)。

今市:僕もまさか「CHAIN BREAKER」(PKCZ® feat.登坂広臣)を歌うことになるとは、思ってなかったよ(笑)。正直、実際にリハをやってみないとわからないって言ってたんですよ。でも、新しい見せ方としては良いアイデアだったと思うし、ファンの方も喜んでくれるだろうなと思ったから、「よし、やろう」と。そしたら、予想通りMATEのみんなが喜んでくれたので、やってよかったなと思いました。

――パフォーマーのソロ曲に、おふたりがパフォーマーとして参加するというのも、観ていて新鮮でした。

今市:ボーカルのソロ曲の時は、2人で交互に歌っていたんですけど、ELLY(CrazyBoy)や岩ちゃん、NAOTOさんがソロ曲を歌う時は、彼らが1人でマイクを握っていたので、完全にパフォーマーと化してましたからね。

――その曲だけ一旦はけることもできたと思うんですけど、そうしないところに意味を感じました。

ØMI:そうですね。ボーカルだけのセクションとか、パフォーマーだけのセクションも設けてはいますけど、『JSB LAND』は基本的にずっと7人でステージに立っているライブにしたかったんです。だけど、やっている曲は三代目JSBの曲だけじゃなくて、それぞれのソロ曲もあって、お互いの島をバンバン行き交いながらパフォーマンスしていく。そんなライブを作りたかったので、ELLYが「NEOTOKYO」を歌っている時は、僕と隆二は後ろでひたすら踊ってました(笑)。

――ちなみに、昨年12月に東京ドーム公演を拝見した際、「山フェス」のセクションで、健二郎さんがフレディ・マーキュリーの伝説のコール&レスポンスを再現して笑いを誘っていましたが、あの演出は事前に準備していたものなんですか? アドリブ?

今市:あれはアドリブですね。リハやゲネプロでは「ここでMCします」って言ってた程度だったので。

ØMI:メンバーも本番まで全く知らなかったです。

今市:それなのに、初日の本番でいきなりやり始めて、みんな大爆笑! そもそも「山フェス」を三代目JSBのセットリストに組み込むこと自体が前代未聞だったんですけど、健ちゃんのサプライズには驚かされました。

ØMI:じゃあ、僕も健二郎くんのエピソードを。今回は衣装でも個性を出そうという話になって、あえて全員バラバラの衣装だったんですけど、健二郎くんはこの機会にイメチェンしようと思っていたみたいで、オープニングで珍しくサングラスをかけようとしていたんですよ……いや、新しいことを盛り込んだライブだから、新しい表現を取り入れるのはいいことなんですよ?

今市:(小林)直己さんのギタープレイもなかなかインパクトが強かったと思うし、7人の個性を存分に発揮するためのライブだからね。

ØMI:そうそう。でも、なんとなく健二郎くんのサングラスだけは、ゲネプロの時に、みんな「健ちゃん、サングラスかけるの? 珍しいね。外したら?」っていう雰囲気になって。「じゃあ、いいよ……」って、渋々外してました(笑)。

今市:それも健ちゃんのアドリブですね!

ØMI:日の目を見ることがなかったほうのアドリブね(笑)。それ以外にも、メンバー各々が、なんとか自分の新たな一面を見せようと試行錯誤したツアーだったなと思います。

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