SixTONES、初冠番組『バリューの真実』終了に寄せて 高校生と寄り添う中に光った6人の多彩さ

 また、失敗を許されない風潮を感じているという高校生の意見を聞いた森本慎太郎は「失敗することはすごく大事、失敗があるからこそ次の成功につながる道が開ける」と力強いアドバイスを送った。ジェシーは「(失敗した時は)ここが地獄だと思って生きています」と自身の考えを明かし、「地獄なのにこんなに笑って暮らせる」「地獄なのに飯食える」と思うことでポジティブに捉えていると語っていたのも印象的だ。

 番組では様々なお悩みに向き合ったほか、京本大我が部長を務めたスイーツ部企画も好評だった。マカロンやアイスクリームなど、家庭で簡単に作れるスイーツを紹介。モンブランの回では京本の無茶振りによって松村が“甘栗体操”をあみだしたほか、森本が静かにカメラに向かって変顔を披露するなど、単なるスイーツ作りで終わらないのが彼ららしい。さらにアウトドアスイーツ部として、アウトドアに詳しい髙地が活躍するなど、スイーツ部ひとつとってもいろいろな展開を見せた。そんな笑いの絶えない雰囲気からは、何ごとも自分たちで楽しむ、受け身ではなく主体的に楽しむという姿勢をごく自然な流れで伝わってきたのではないだろうか。

 このほか、テーマに沿ったドラマも放送され、後輩にあたるジュニアと共演したことも。教養バラエティらしい学びを盛り込んだ番組オリジナルのドラマは、他にはない見ごたえがあった。また冠ラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)に続き、本番組を仕切る田中も、より親しみやすいテンションで進行を務めていたのも印象深い。

 そして欠かせないのが音楽。SixTONESの楽曲「WHIP THAT」がストレス解消に、「Good Luck! 」はモチベーションアップにつながると専門家が分析。彼らの音楽の魅力を理論的に知る機会となった。

 「応援する気持ち」をテーマにした放送回では、SixTONESの楽曲「こっから」を全国から募集した7校の吹奏楽部が挑戦。スタジオにも38人の吹奏楽部の部員が集結し、バリュー高校生吹奏楽団としてSixTONESとのコラボレーションが実現した。リハーサルでは、田中が「楽しんでくれたら」と優しい眼差しで語っていたように、高校生たちと一緒になってステージを作り上げる姿には胸が熱くなった視聴者も多いはず。

 お悩みを通して専門家から様々な知識を教わるだけではなく、笑いに溢れるトークにドラマ、料理に音楽……いろいろな方向に展開していったのも多彩なメンバーが揃っているからこそ。

 レギュラー化から2年で幕を下ろした『バリューの真実』。民放やYouTubeチャンネルともまた異なるEテレならではの落ち着いた雰囲気の中で、6人の個性とユーモアが際立っていた。ここで覚えた知識は一生の宝になるだろう。またいつか、こんな風に異なる世代同士の交流が見られる彼らの番組が新たにできることを願うばかりだ。

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