BABYMETAL、新体制での素晴らしい進化 MOMOMETALの“聖誕”を祝した『LEGEND - MM』2日間

 BABYMETALが3月2日、3月3日に神奈川・ 横浜アリーナで『BABYMETAL WORLD TOUR 2023 - 2024 LEGEND-MM』を開催した。『LEGEND - MM』はMOMOMETAL(Scream・Dance)の“聖誕祭”ライブ。彼女の20歳最後の日となる初日は「20 NIGHT」、21歳の誕生日の2日目は「21 NIGHT」として行われた。昨年4月にSU-METAL(Vocal・Dance)、MOAMETAL(Scream・Dance)、MOMOMETALの3人体制で新章に突入。2023年は、全世界25カ国を回る大規模なツアーを展開し、国内外で通算94公演を行ってきた。ワールドツアーからの凱旋公演、そして、MOMOMETALの聖誕祭として行われた横浜アリーナ公演で彼女たちは、“新生BABYMETAL”の素晴らしい進化をダイレクトに体現してみせた。

MOMOMETAL、20歳最後の夜を堂々飾った「20 NIGHT」

 『BABYMETAL WORLD TOUR 2023 - 2024 LEGEND - MM』初日公演「20 NIGHT」。開演前、1万5000人のオーディエンスを飲み込んだ横浜アリーナの客席がスクリーンに映され、早くも凄まじい熱気が巻き起こる。BABYMETALの国内でのアリーナ公演は約1年ぶり。海外ツアーを経て、新生BABYMETALがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。そんな期待感と高揚感がはっきりと伝わってくる。

 そしてライブがスタート。オープニングムービーでBABYMETALが“METALVERSE”に召喚されたことが改めて告げられ、「諸君、首の準備はできているか?」(Are you ready to HEADBANG?)というアナウンスと同時に強烈な歓声が広がる。赤い照明に照らし出されたセンターステージに登場したのは、十字架にはり付けられたSU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETAL。眠りから目覚めた3人は「BABYMETAL DEATH」でライブをスタートさせた。今回の公演の主役はMOMOMETAL。「SU-METAL DEATH!!」「MOAMETAL DEATH!!」「MOMOMETAL DEATH!!」の“自己紹介”でも、MOMOMETALへの歓声がひと際大きい。スタンディングのセンター席ではもちろん、サークルモッシュが巻き起こった。

 続く「メギツネ」ではセンターステージに移動。キツネの面を手にしたSU-METALが「Everybody Jump Up!」と煽り、オーディエンスの興奮をさらに引き上げた。「なめたらいかんぜよ!」のキメゼリフを放つ凛とした表情も最高だ。

 ここからはBABYMETALの多彩な音楽性とステージングを体感できるシーンが続いた。“ユーロビート×メタル”なサウンドの「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」では、ジュリ扇をヒラヒラさせるような振付を取り入れながら、MOAMETAL、MOMOMETALがキレキレのフォーメーションダンスを披露。「Shanti Shanti Shanti」でサイケデリックな世界を表現した後は、メインステージに戻り、「Kagerou」へ。舞台の上でいくつもの炎が揺らめくなか、SU-METALが切ない歌声を響かせる。さらに「MAYA」ではエレクトロを反映した音像、神秘的な世界観を演出。そして「BxMxC」ではリリックをスクリーンに映し、ラップを交えたSU-METALのボーカルを際立たせる。ポップなメロディとストレートなバンドサウンドが印象的な「シンコペーション」では、〈回れ 回れ 飛んでゆけ/揺れて 揺れて 飛んでゆけ〉というフレーズに呼応するように再びサークルモッシュが出現。さらに向上したメンバーのパフォーマンス、そして、神バンドの演奏とレーザー、照明、映像のケミストリーによって、“新生BABYMETAL”の新たな進化を体感するーーこれこそが今回のライブの醍醐味だったと思う。

 入場時に配布された“神器”(リストバンド型の制御式ライト)が白く光り、会場全体がモノクロに染められるなか披露されたのはバラードナンバー「Monochrome」。楽曲の終盤では白がオレンジに変わり、〈長い長い夜だって/やがて朝は来るから〉という歌詞のメッセージ性を視覚的に表現してみせた。〈Oh,oh,oh,oh~〉のシンガロングも相まって、客席とステージの距離が近づいていく。

 「メタり!! (feat.Tom Morello)」では、三味線などの和楽器を取り入れた祭囃子的メタルが炸裂。「ここからラストまで駆け抜けていくよ!」というSU-METALの呼びかけによって、オーディエンスのテンションは一気にピークに達した。曲の途中で観客を座らせ、映像で登場したトム・モレロ(Rage Against the Machine)のギターソロとともに立ち上がり、爆発的に盛り上がる演出も楽しい。

 ここからライブは終盤。「ギミチョコ!!」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と初期のナンバーを続けて放ち、圧倒的な幸福感を生み出してみせた。ライブで何度も観てきた楽曲だが、ダンスの精度、観客との一体感を含めて、ステージングのクオリティは今もなお上がり続けている。

 壮大なサウンドと神器の青の光に彩られた「THE ONE」で本編は終了。“BABYMETALコール”が鳴り響くなか、まずはMOMOMETALをフィーチャーした映像が映し出された。そして天井付近からゴンドラに乗ったMOMOMETALがセンターステージに降臨。SU-METAL、MOAMETALも登場し、「ヘドバンギャー!!」が披露された。楽曲の途中でSU-METALがMOMOMETALにマイクを手渡すと、真ん中に立ったMOMOMETALはデスボイスを一発。そして〈15の夜を忘れはしない〉を〈20の夜を忘れはしない〉と替えて熱唱し、記念すべき20歳最後の夜を自ら祝福してみせた。

 最後は「Road of Resistance」。フラッグを掲げてメインステージに現れた3人は、神聖にして激しいステージを披露。「Sing it !」(SU-METAL)という声に呼応し、この日もっとも大きい大合唱が巻き起こった。

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