BTS SUGAを周囲が応援したくなるのはなぜ? 独りよがりではない本当の“強さ”

 実はデビュー前、SUGAは配達のアルバイトでバイク事故に遭い、左肩に後遺症を抱えていた。人知れず痛みと戦い、そしてリハビリをしながら、ステージに立ち続けた。そうした努力が実を結ぶ形で次々と大きな夢を叶え、そして世界規模の人気を誇る存在になったのだ。一見すると誰の助けにも頼らず、1人でなんでも解決してしまう強い人にも思えるSUGA。だが、それでもこうしてイ・ソンギョンたちのように先輩たちから「応援したい」と思ってもらえるのは、SUGAの持つ“強さ”が決して独りよがりではなく、誰もが抱く“弱さ”を知った上でのものだと伝わってくるからではないだろうか。

 イ・ソンギョンとのトークでは、歌手や俳優として「うまくいったこと」を見せ続けるか、新たな側面を「変化すること」で出していくかのバランスをとる難しさについてなど、表現者としての苦悩を話し合う場面もあった。

 そして、新しいチャレンジについて話すなかでSUGAが「人は誰にでも成長痛がある」「自分が一番見たくないその姿に向き合ってこそ乗り越えられるんです」と語るシーンが印象的だった。同時に、2人が「問題の中に答えがある」と頷き合う様子から、真反対に見えるSUGAとイ・ソンギョンの気が合う理由も見えたように思う。

 人が持つ苦悩はそれぞれ違うし、それを100%お互いに理解することは難しい。その上で、どう強く生きていくのか。SUGAの音楽が多くの人の心に響くのは、「底の果て」まで弱さを見つめ、そして音楽やステージなどで繋がり、お互いにエネルギーを与え合っていこうとする強さに繋がっているからなのだろう。

 SUGAは現在、パンデミックとは違う形で、またアーティスト活動を休むことになった。そんな彼に、イ・ソンギョンが「演技をしてみたら」と勧めていたのも気になるところだ。MVやステージで見せるSUGAの表現力が、活動再開後に新たな試みとして見ることができるだろうか。この期間に見つめたものが嬉しい変化として届けられたときには、ぜひイ・ソンギョンら応援団と共に「最高!」と褒め称えたいものだ。

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