『ボイプラ』出身 ZEROBASEONE、SEVENTEENの弟分 TWS……2024年期待すべき“K-POP第5世代”
サークルチャート(韓国の音楽コンテンツ売上をまとめたチャート)によると、2023年にデビューした新人ボーイズグループの音盤(フィジカル)売上TOP 5は以下の通り。
1位 ZEROBASEONE(2023年7月デビュー・EP2枚) 385万枚
2位 RIIZE(2023年9月デビュー・シングル1枚) 105万枚
3位 BOYNEXTDOOR(2023年5月デビュー・EP&シングル各1枚) 76万枚
4位 xikers (2023年3月デビュー・EP2枚) 40.5万枚
5位 PLAVE(2023年3月デビュー・シングル&EP各1枚) 40.4万枚
ファンダム人気が特に重要とされるボーイズグループにおいて、概ねのファンダム規模を反映しているフィジカル(CD等の実物音盤)の売上は国内外での注目度をある程度反映していると言えるだろう。
シングル1枚のリリースで売上100万枚を超えたRIIZEは、NCTやEXOのような歴代人気ボーイズグループを生み出してきたSMエンターテインメントから2023年下半期にデビューした。元々はNCTのグループとしてデビュー予定だったメンバー4人に、新しくお披露目されたメンバー3人を加えた7人組グループ。長年グループ制作に関わってきたSMの創設者イ・スマンが去ったあとに初めてデビューしたグループということで、RIIZEは「明確なコンセプトがない」という部分が以前のSMのグループとは大きく異なる点だろう。
過去、グループデビューに際しては必ずコンセプトを決めてきたSMとしては、RIIZEのメンバー自身を全面に出した、ある意味「自然体」なデビューは大きな方向転換と言えるのではないだろうか。まだシングル1枚しかリリースしていないにも関わらずZEROBASEONEについで100万枚を超える売上を記録しており、今後の成長が期待されるグループのひとつであることは間違いなさそうだ。
韓国では大衆的な人気アーティストとしても認知されているBlock.Bのリーダー ZICOが立ち上げ、現在はHYBEの傘下となったKOZエンターテインメントからデビューした6人組グループのBOYNEXTDOORは、シングルとミニアルバム各1枚の売上で76万枚を記録した。ZICOプロデュースということでデビュー時から注目を受けていたが、2023年9月にリリースした1st EP『WHY...』のタイトル曲「But Sometimes」がバイラルでヒット。人気の男性アイドルグループでもMelOnのTOP 100に入ることはなかなか難しいとされているが、その週間TOP100で3位に入るなど、デビュー時を超える成績を記録した。パフォーマンス時はハンドマイクを使うなどボーカルパフォーマンスにも力を入れており、2023年のボーイズグループのデビュートレンドだった「親しみやすい隣の男の子」感をそのまま体現したグループとして存在感を発揮した。
ミニアルバム2枚をリリースして4位を記録したは、2023年3月にKQエンターテインメントからデビューした10人組 xikers。デビュー前からKQ Fellaz 2としてコンテンツを披露したり、先輩グループのATEEZのライブに参加するなど、ファンに存在を知らせてきた。特にATEEZの欧米圏での人気の高さもあり、デビューミニアルバム『HOUSE OF TRICKY : Doorbell Ringing』は、リリースしてすぐにアメリカのBillboardアルバムチャート“Billboard200”に75位でチャートインした。早くも事務所のカラーと呼べそうな独特の疾走感あるパフォーマンスとヤンチャさが特徴と言えるだろう。
5位のPLAVEは先の4組とは異なり、サバイバル番組出身でも大手事務所所属でもなく、人気の先輩グループがいるわけでもないが、シングル1枚とミニアルバム1枚で40.4万枚を売り上げた。ウェブトゥーンのようなアバター姿で活動しているVTuber系のヴァーチャルアイドルグループで、人気イラストレーターのナクディ氏がデザインしたアバターの姿で、主に動画配信をメインに活動している。
所属事務所のVLASTはもともとTV局のMBCから独立分社した会社で、リアルタイムで全身が投影され、メンバー同士がぶつかってもアバターが破れない独自のアルゴリズムを開発している。各メンバーに「中の人」がいるために楽曲制作やライブパフォーマンスが可能であり、一般的なK-POPアイドルと同様に音楽番組や見えるラジオ、ライブイベントなどに参加可能。昨年は『KCON LA 2023』や野外フェスでパフォーマンスを披露した。1stミニアルバム『ASTERUM : The Shape of Things to Come』リリース時にはヨントン(オンラインでのミーグリ)を開催し、ファンとのコミュニケーションツールであるWeverseにも参加したりと、「見た目がCG」という以外はリアルなアイドルとほとんど変わらない活動をしている。
特徴としては音源成績の強さだ。1stミニアルバム『ASTERIUM』は韓国で最もユーザーの多い音源サービスであるMelOnで、チャートTOP100&24時間以内に100万ストリーミングを達成したアルバムのみが認定される「MelOnの殿堂」に入り、「最もストリーミングされたアルバム」チャートでは10位に入ったZEROBASEONE(172.8M)よりも上の8位(212.9M)と、昨年デビューしたボーイズグループの中では最も良い成績を収めた。
年末にリリースしたクリスマスソング「Merry PLLIstmas」は週間TOP100の7位にチャートインしている。一般的なアイドルファン以上にアニメなどの二次元コンテンツやVTuberを好む層からも支持を集めており、「バーチャルアーティスト」の中でも売り上げやチャートで実績のあるファンダムを獲得しているという部分で、「新たなK-POPアイドルの活動スタイル」のひとつとしても注目を受けている存在と言えるだろう。
サバイバル番組出身や大型デビュー、VTuberなど様々なスタイルの新人ボーイズグループの活躍が見られた2023年だが、2024年もすでに前述のTWSや最後のNCTグループとなるNCT NEW TEAM、JYPエンターテインメントの元副社長だったチョ・ヘソンが制作総指揮にあたり、J.Y. Park氏も“甥っ子のような存在”と言うEDENエンターテインメント初のボーイズグループ ALL(H)OURSなど、注目のデビューが控えている。2024年は本格的に第5世代の活躍が期待される年になりそうだ。
※1 https://circlechart.kr/page_article/view.circle?sgenre=opinion&idx=23345
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