4MC+1DJユニットKOMOREBI、要注目の個性派集団に迫る 最新曲「LOVE ME KILL ME」制作背景も
同じモデル事務所に所属するMC SAM、MAXI、YUTA、MATHEUS、およびDJ OTAの5人で結成された4MC+1DJのユニット、KOMOREBIが新曲「LOVE ME KILL ME」をリリースした。Matt Cabがプロデュースしたこの曲は、アサヒ飲料「ウィルキンソン」とクリエイティブエージェンシー「STARBASE」による新たなブランディングプロジェクトにも起用され、彼らに対する期待の高さが窺える。
ダンスやバスケットボール、スケートボードといったストリートカルチャーに親しみ、外国とのミックスも多い彼らは、どのような個性派集団なのか。結成の経緯や個々の音楽ルーツ、甘酸っぱくてほろ苦い恋愛を描いた「LOVE ME KILL ME」の制作背景など、気になる素性を明かしてもらった。(猪又孝)
メンバーのキャラをバスケのポジションで例えると? それぞれの音楽ルーツも
――KOMOREBIはどのように誕生したんでしょうか。まず結成の経緯を教えてください。
MAXI:自分が事務所の社長とカラオケに行ったときに初めて歌声を聞いてもらったのが始まりです。自分とSAMを軸に4MC+1DJのメンバー構成を考えていて、まずOTAがDJとして入って。他のメンバーを探していたときにSAMがYUTAを連れてきて、次にOTAがMATHEUSを紹介してくれて、この5人になりました。それが1年半くらい前です。
――KOMOREBIというグループ名の発案者は?
SAM:僕とYUTAです。
YUTA:僕とSAMがフィリピンとのミックスで、英語も得意なんです。だけど、僕らは日本に住んでいるし、グループ名は外国語に訳せない日本語がよくない? という話になって。いろいろ調べた結果、KOMOREBIにしました。“木漏れ日”っていう日本語のニュアンスが面白いなと思って。
MATHEUS:訳せてもShiningとかSunlightとかになっちゃうんですよ。葉からこぼれ出てくる日差しっていう意味のワンワードがない。
――the sunlight shining thorough the leaves of treesみたいな?
MATHEUS:そういうふうに文章的な説明になっちゃうんです。
――4MCの声の特徴をDJのOTAから教えてください。
OTA:リーダーのYUTAは、どちらかというと高めで聞き取りやすい声です。ロックテイストを感じる声。MATHEUSはキーは低めなんですけど高い音域も行けて万能型です。メロも歌えてラップもできる。
――MAXIとSAMは?
OTA:MAXIはレベチに歌が上手い。YUTAと同じく高音域がいけるんですけど、ラップになると人格が変わったように低い声でオラつく感じになる。SAMは特徴的な声をしていてガヤが得意。声がざらついていて低くて、ラップが一番目立つ声質ですね。
――5人中4人が趣味にバスケを挙げているので、5人のキャラをバスケのポジションに例えると?
OTA:SAMはガード感がありますね。リハーサルでも率先してみんなを引っ張ってくれる。MAXIはスリーポインターですね。欲しいところで、ココ! っていう高音をパッと歌ってくれるんで。
――『SLAM DUNK』で言うとミッチー(三井寿)ですね。
OTA:まさに。おいしいところで活躍する(笑)。
――MATHEUSは?
OTA:センターとかパワーフォワードですね。攻めたりもするけど、守りもできる。YUTAは何だろうな……マネージャー(笑)? 冗談抜きでマネージャータイプなんです。メンバーで話し合いをしているときもなんだかんだでまとめてくれる。で、僕が右サイドベンチですね(笑)。
――今年から本格的に活動を始めたそうですが、現在はライブが中心ですか?
YUTA:『TIME BOMB』というレギュラーイベントを2カ月に1回くらいのペースでやっています。自分たちのライブと、あとは友達のラッパーやDJを呼ぶスタイル。これまでだとEBISU BATICAとか渋谷の(不眠遊戯)ライオンとか下北沢のLIVE HAUSとか。
MATHEUS:あとは江ノ島のOPPA-LA。めちゃくちゃ楽しかったです。
――5月にリリースしたデビュー曲「HOT CAKE MIX」は、どんなイメージで作った曲ですか?
MATHEUS:もともと僕らが目指すならどんなグループか? って挙げていった中にBrockhamptonがあって。トラックを聴いて、それぞれにリリックをハメて、結構よくね? って、すぐできたのが「HOT CAKE MIX」でした。
――Brockhamptonに通じるようなパーティー感とか、ポップなミクスチャー感覚を打ち出したかった?
OTA:やっぱ1発目は、盛り上がる系がいいなって。みんなでフックの部分を歌えるような感じを目指したんです。それこそHouse of Painの「Jump Around」みたいな感じを参考にして、〈Go Fam Let’s Go Fam〉の部分を作ったんです。
SAM:自分たちに向けてGoってことですね。
MAXI:Famっていうのは家族という意味です。
YUTA:ファミリーを作っていこうっていうことですね。
――Brockhamptonというアーティスト名が出ましたが、5人の音楽ルーツは?
OTA:僕はBass8oyっていうガラージ系のアーティストです。知り合いから教えてもらって、そこからいろいろなものを聴くようになって。ジャズもヒップホップのサンプリングネタがあるということで聴くようになりました。
SAM:僕は日本だとKOHHさん。最近、一番聴いているのはフランク・オーシャンの『Blonde』というアルバムですね。改めてやばいなって聴き直してます。
MAXI:自分は親が二人ともダンサーで、気づいたときにはずっとヒップホップカルチャーに触れていました。それこそRHYMESTER、Zeebraさん、TWIGYさんとかを聴いて育っていて。洋楽だとマイケル・ジャクソンとかThe Jackson 5とか。ヒップホップだと、最近はKANDYTOWNを聴いてます。とにかくなんでも聴くんです。エルヴィス・プレスリーは今でも絶対聴くし。
――MATHEUSが好きな音楽は?
MATHEUS:ヒップホップだとAminéの「Caroline」が最初にハマった曲です。でも、自分は60年代とか70年代とか昔の曲が好きなんです。たとえばサム・クックとかELO(Electric Light Orchestra)の「Mr. Blue Sky」とか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサントラとか。ああいう古い曲を日常的に聴いています。それと親父がカーステでずっと流してたから、カントリー音楽も好きです。カントリーとヒップホップの融合っていうことで言うと、最近だとThat Mexican OTっていうラッパーがいて。
OTA:ニワトリ持って歌ってる人?
MATHEUS:うん。その動画もYouTube(The Block [RANCH] Performance)に上がってる。That Mexican OTはめっちゃクセのある英語なんですけど、自分は生まれがブラジルなので、彼のしゃべり方とかなぜか理解できるんです。自分はポルトガル語も英語もしゃべれるから、ああいう感覚を自分の音楽性に落とせないかなって勉強してます。
――YUTAの音楽遍歴は?
YUTA:僕のフィリピン人のおじいちゃんがめちゃくちゃロックが好きなんです。子どもの頃、僕がフィリピンに住んでるときに、おもちゃ代わりにおじいちゃんがギターでThe Beatlesとかを弾いてくれてたんです。CDもいっぱい持ってて、朝5時くらいから爆音でロックをかける。それで僕もUKロックにハマって、モッズ系からガレージパンク、初期パンク、ニューウェイブ、ブリットポップ、ずっとUKロックを聴いてました。
――ヒップホップは?
YUTA:ヒップホップは小学校のときにWiz Khalifaが好きでした。「No Sleep」とか聴いてましたね。その頃、義理のお姉ちゃんの彼氏がヒップホップとかR&Bが好きで、車に乗ってるときにジェイソン・デルーロとかNe-Yoとか聴いてましたね。