fhána、メジャーデビュー10周年記念インタビュー　コロナ禍、メンバー脱退、事務所独立を経て迎える新しい旅路

「サバイブしてきたからこそ、また集まれる喜びを分かちあえる」（towana）

ーーバンドとしては過渡期ではあるものの、新体制でのライブパフォーマンスの地盤は固まってきていますよね？

佐藤：ライブパフォーマンスについては心配ないです。6〜7月のツアー（『fhána Looking for the New World Tour 2023』）はまさに現体制の地盤固めという意味合いもあったのですが、それをすごく良い形で終えることができたので。

towana：ギターはHoneyWorksの中西さんとインナージャーニーの本多（秀）さんの2名のがサポートに入ってくださるんですが、こちらは3人になったので、ドラムのよっち（河村吉宏）さんとベースの前田（恭介／androp）さんを含めたら、サポートメンバーの方が人数が多くなっちゃって（笑）。でも、演奏も人柄も良い人たちに恵まれたのでとても楽しみです。

kevin：めちゃめちゃ良いライブを見せられると思うので、これを読んでいる人は楽しみにしててほしいですね。

towana：先日初めてサポートしてくださった3人は、ふぁなみりーの元気さにすごくビックリしていて、私としてはすごく誇らしい気持ちになりました。

ーー5周年ライブ『fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES』は三幕構成で演出面もかなり凝っていましたが、今回はどうですか？

佐藤：もちろん普通にやるだけじゃなくて、この日だけの仕掛けもあるので楽しみにしておいてください。

towana：私は普段あまり強気なことは言えないんですけど、伊達に10年やっていないんだから、というのを見せられるライブにします。

佐藤：あとは、MCが長くならないように気をつけなきゃ（笑）。

ーー10年活動する中で様々な出会いや別れがあったかと思いますが、アーティストにとっての周年ライブはそういう縁が交差する場所だと思っていて。以前は頻繁に来ていたけど、ライフステージの変化や色んな事情で頻繁に来られなくなった人たちと、いつも来てくれている人たちがまた出会えるという良さもあるというか。

towana：友だちの結婚式で久しぶりに会う、みたいな（笑）。そう考えると、より特別な気持ちになりますね。

佐藤：たしかに祝福感があるような催しかもしれない。しばらく重い雰囲気のツアーが続いていたけど、6〜7月のライブ以降は初心に帰って楽しめてもいるので、10年をただ振り返るだけじゃなくて賑やかに未来を提示したいですね。あと、存在が明らかにされているけどフルサイズが公開されてない曲もお披露目するかもしれません。

towana：続けてきたからこそ、そしてサバイブしてきたからこそ、また集まれる喜びを分かちあえるのか……。それはすごく良いことですね。

ーーここからのfhánaの旅路にとっても、すごく重要なポイントになりそうです。

佐藤：「旅路」というワードが出ましたが、これまでのfhánaは活動を旅になぞらえて話していたんですよね。それぞれの物語がライブという場所で交差して、合流して、またそれぞれの生活に戻っていくという形でみんなの旅が続いてきたんですが、2020年以降は「旅」というより「冒険」だと思っていて。世界的にも落ち着かない出来事が増えてきて、fhánaの現在地にも変化があって、もはやサバイブするための「冒険」になってきている。新たな冒険が6月から始まったとするならば、fhánaにとってはその最初の山場が10月7日のスペシャルライブなので、ふぁなみりーのみんなには応援してほしいし、新しいふぁなみりーも増やしていきたい。特にコロナ禍以降で同じ空間を共有して時間を過ごすことの大事さを改めて知ったからこそ、ライブという場でこうしてみんなが集まれることは、何より特別な体験になると思う。

ーーたしかに「会場に集まってライブを観る」ということの意味が変わってしまった数年間でしたもんね。

佐藤：コロナ前よりもタイパ（タイムパフォーマンス）という言葉がすごく言われるようになりましたし、動画を2倍速とか1.5倍で見る人が増えてきて、人とのコミュニケーションも長い時間かけて話すより、チャットやリモートミーティングなど必要最低限で最大効果を得る風潮があったけど、やっぱりそれだと失われるものがあるように思います。現場で生で観るライブはその対極にあるものだけど、そういう体験でしか伝わらないものがあるわけで。

kevin：ライブ映像が綺麗に収録されていたとしても、後から見るだけではどこか客観的に見てしまうから、ぜひとも10月は当事者になりにきてほしいです。

■ライブ情報
『fhána 10th Anniversary SPECIAL LIVE “There Is The Light”』
開催日：2023年10月7日（土）
会場：東京LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)
開場：17:00　開演：18:00

＜各プレイガイド＞
【イープラス】
受付URL：https://eplus.jp/fhana/
【チケットぴあ】
受付URL：https://w.pia.jp/t/fhana-t/
【ローソンチケット】
受付URL：https://l-tike.com/fhana/

■リリース情報
ベストアルバム『There Is The Light』
発売中