SixTONES、11thシングルはデビュー以来初のソロ曲収録へ 松村北斗・ジェシー・森本慎太郎と豪華制作陣との相性を考察

アイナ・ジ・エンド - ペチカの夜 [Official Music Video]

 まず、初回盤Aの2曲目に収録される松村のソロ楽曲「ガラス花」について。松村は、同曲の制作を手掛けたアイナと、10月公開予定の岩井俊二監督の映画『キリエのうた』で共演することが発表されており、その共演が今回のコラボレーションのきっかけであると推測できる。アイナと言えば、6月に解散を迎えたBiSHのメンバーとしてのイメージが強いかもしれないが、これまでにソロアーティストとして全曲の作詞作曲を手掛けたアルバムを2枚リリースしている。アイナのソングライターとしての実力の高さはその2作品を通してすでに証明されていて、バラエティ豊かな楽曲の中でも、筆者は、「残して」や「ペチカの夜」をはじめとした心の機微を丁寧に描いた美麗で深淵なバラード曲に彼女の真髄を感じている。今回の「ガラス花」がどのような曲調であるかは分からないが、そのタイトルから、アイナが強みとする繊細さや美しさ、儚さにフィーチャーした楽曲になると予想できる。彼女はTwitterで、松村の歌唱について、「儚いのに勇ましい歌声も  消えてしまいそうな息遣いも  松村さんの魂の震えが表現に滲んでいて  素晴らしかったです」と賞賛している(※1)。今回のソロ楽曲を通して、松村の切実な歌声を堪能できることは間違いないだろう。

ENDRECHERI / MYND【Music Video】

 続いて、初回盤Aの4曲目に収録されるジェシーのソロ楽曲「Never Ending Love」について。同曲の制作を手掛けたのは、ジェシーにとって憧れの先輩であるKinKi Kidsの堂本剛だ。「剛くんに作ってもらいたい気持ちは、デビュー前から剛くんと話していたのでようやく一つの夢が叶い、今幸せな気持ちです」(※2)というジェシーのコメントからも、今回のソロ楽曲にこめられた想いの深さが伝わってくる。堂本剛は、KinKi Kidsとしての活動と並行しながら、20年以上にわたりソロアーティストとして活動を続けている。そのソロ活動において特筆すべきは、ファンクミュージックの可能性を果敢に追求し続けていることだ。日本の音楽シーンを見渡しても、これほどまでに長きにわたり、かつ、果てしない野心と実験精神をもって新たなファンクを生み出し続けているアーティストは極めて稀で、今や彼の作品は国内のみならず国外からも大きな注目と支持を集めている。今回のソロ楽曲「Never Ending Love」について、ジェシーは、「剛くんワールド全開で壮大な楽曲になりました。最初にピアノから入り、バラードかと思いきや、そこから色々物語が始まる良い意味で『変態』な楽曲になっています」(※3)とコメント。ジャンルは予測不能、それどころか、様々なジャンルを横断したミクスチャー精神の強い楽曲になる可能性も高く、いずれにせよ、.ENDRECHERI.節が全開の一曲になることは間違いないだろう。

平井 大 / Stand by me, Stand by you.(Lyric Video)

 最後に、初回盤Bの3曲目に収録される森本のソロ楽曲「Love is…」について。森本は高校生の時から同曲の制作を手掛けた平井のファンで、今回、彼にとって念願のコラボレーションが実現した形となる。森本と平井と言えば、6月2日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で共演した際、2人がオープニングのトークコーナーで肩を組み合っていたことが話題となったが、今回のコラボレーションを知って合点がいったファンは少なくなかったと思う。そんな平井のディスコグラフィーを振り返ると、輝かしい陽光が燦々と降り注ぐような圧巻のポジティビティを誇る楽曲が多く、それこそが彼のトレードマークであると言える。また森本と言えば、4月から6月にかけて放送されたドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で、山里亮太(南海キャンディーズ)役を演じたことが記憶に新しいが、彼自身は山里とは真逆のポジティブな性格であることは有名な話だ。『ミュージックステーション』で笑顔で肩を組み合っていたことからも明らかなように、平井と森本は同じポジティブなバイブスを共有し合っており、2人の相性が良いことは間違いなさそうだ。はたして今回のソロ楽曲はどのようなテイストになるのだろうか。

 なお、『CREAK』初回盤BのDVDには、6人の各ソロ楽曲の制作過程を追ったドキュメンタリー映像「Documentary of SixTONES Solo Project」が収録される。きっとその映像の中では、今回、各楽曲提供者とのコラボレーションが実現するに至った経緯や、各ソロ楽曲に込められた想いが語られるはずだ。それぞれのソロ楽曲と合わせて、楽しみに待ちたい。

※1:https://twitter.com/aina_BiSH/status/1678417024349814789
※2、3:https://www.sixtones.jp/discography/d017/

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